77 / 188
第二章「王国を目指して」
第七十七話「訓練の生活」
しおりを挟む
「師匠の仲間って、皆良い人ですよね。私は騎士団に入れて幸せです。冒険ってこんなに面白いんだって、毎日思うんです」
「そうだね。俺もクリスタルと同じ気持ちだよ。俺は十五歳の誕生日の日に冒険の旅に出たけど、まさかこんなに良い仲間に恵まれるとは……運が良かったのかな。騎士団のメンバーは俺の宝物さ。もちろんクリスタルもね」
「私も師匠に出会えて本当に良かったです! いつも皆に守って貰っていますが、いつか強くなったら、私が皆の事を守るんです」
「今の調子で訓練を続けていれば、きっと仲間を守れる召喚士になれるよ! クリスタルはいつも頑張っているからね」
「ありがとうございます……師匠!」
俺は久しぶりにクリスタルの頭を撫でた。すると、彼女は嬉しそうに俺の体に抱き着いてきた。心地良い魔力を感じる。クーデルカがクリスタルを抱き上げ、自分の膝に座らせると、彼女はクリスタルの頭を撫でた。まるで母親と子供だな。年齢はあまり変わらないだろうが、クーデルカは魂の状態で長く生き続けている。実際の年齢は肉体の年齢よりも遥かに高い。以前、クーデルカの歳を聞いた事があるが、「体の年齢は十八歳くらい。精神の年齢は秘密」と誤魔化された事がある。
「クリスタル。あなたは良くやってるわ。」
「ありがとう、クーデルカ」
「あなたはきっと偉大な召喚士になる。サシャも追い越せるかもしれない」
「私はそのために師匠の弟子になりました。いつか必ず最高の召喚士になってみせます」
「楽しみにしているわね」
「はい!」
暫くすると、ルナとアイリーンが稽古を終えて戻ってきた。アイリーンは葡萄酒を一口飲むと、俺の膝に頭を乗せて眠りに就いた。彼女も随分疲れているのだろう。普段は弱音を吐く事は一切ないが、アイリーンは旅の途中で仲間を盗賊に皆殺しにされている。俺がアイリーンの事を守っていかなければならないんだ。
アイリーンをベッドに寝かせてから、俺はルナを連れて浴室に入った。ルナの翼を入念に洗い、二人で湯船に浸かると、クーデルカがタオルを巻いて浴室に入ってきた。やはりクーデルカの体つきは刺激が強い。
彼女はそのまま湯船に浸かると、水分を吸った白いタオルが透けて、胸の形がはっきりと浮かび上がった。クーデルカは俺を抱きしめると、彼女の豊かな胸が俺の体に触れた。目のやり場がないな……ルナとクーデルカ、二人の美少女と風呂に入れるのは幸せだが、緊張して気が休まらない。
俺は今日もクーデルカの体を洗う事になった。タオルに石鹸を付けて、クーデルカの豊満な体をくまなく洗う。恥ずかしさを堪えながら、クーデルカの体を見ないように天井を見上げている。
「サシャ、そんなに目を逸らしたら嫌よ。私はサシャのものなんだから。好きにしていいよの」
「好きにするって……そんな……」
クーデルカは無言で俺の首に腕を回すと、自分の胸に抱き寄せた。俺の顔がクーデルカの豊かな胸に触れている。なんとも言えない幸せを感じるが、あまりにも恥ずかしい。女性経験が無い俺にとっては刺激が強すぎる。
「サシャ。私も抱きしめてあげる!」
ルナはクーデルカの真似をして自分の胸に俺の顔を押し付けると、クーデルカは俺の体を後ろから抱きしめた。二人の体温を感じているうちに、俺はあまりにも恥ずかしくなって浴室から逃げ出してしまった。
彼女達との風呂は魔物との戦闘よりも緊張するな。それからルナとクーデルカの髪を乾かし、ブラシを掛けてからルナを着替えさせえる。
「サシャ! 本読んで」
と言ってルナは俺に本を渡した。今日の本は「召喚士と魔物の関係」だ。読み聞かせする本の内容は関係なく、ルナとキングはただ新しい言葉を聞く事が楽しいみたいだ。それに、彼等は一度聞いた内容は決して忘れない。元々かなり知能が高いのだろう。二人に言葉を覚えさせるにも、夜の時間にはなるべく本を読んで聞かせる事にしている。
ルナとキングはもう眠くなってしまったのだろうか、読み聞かせを聞いている内に眠ってしまったみたいだ。キングを抱き上げてベッドに寝かせ、ルナの体に毛布を掛ける。
「ルナは先に眠ってしまったようね」
「そうだね。きっと疲れていたんだろう」
「俺達も寝るとするか……」
「そうしましょう。サシャ、腕枕して頂戴」
俺はクーデルカに腕枕をし、彼女を抱きしめながら眠りに就いた。
それから二週間ほど馬車を走らせた。魔物や盗賊の襲撃を受けながら旅を続けると、俺達はついにアルテミス王国に到着した。
「そうだね。俺もクリスタルと同じ気持ちだよ。俺は十五歳の誕生日の日に冒険の旅に出たけど、まさかこんなに良い仲間に恵まれるとは……運が良かったのかな。騎士団のメンバーは俺の宝物さ。もちろんクリスタルもね」
「私も師匠に出会えて本当に良かったです! いつも皆に守って貰っていますが、いつか強くなったら、私が皆の事を守るんです」
「今の調子で訓練を続けていれば、きっと仲間を守れる召喚士になれるよ! クリスタルはいつも頑張っているからね」
「ありがとうございます……師匠!」
俺は久しぶりにクリスタルの頭を撫でた。すると、彼女は嬉しそうに俺の体に抱き着いてきた。心地良い魔力を感じる。クーデルカがクリスタルを抱き上げ、自分の膝に座らせると、彼女はクリスタルの頭を撫でた。まるで母親と子供だな。年齢はあまり変わらないだろうが、クーデルカは魂の状態で長く生き続けている。実際の年齢は肉体の年齢よりも遥かに高い。以前、クーデルカの歳を聞いた事があるが、「体の年齢は十八歳くらい。精神の年齢は秘密」と誤魔化された事がある。
「クリスタル。あなたは良くやってるわ。」
「ありがとう、クーデルカ」
「あなたはきっと偉大な召喚士になる。サシャも追い越せるかもしれない」
「私はそのために師匠の弟子になりました。いつか必ず最高の召喚士になってみせます」
「楽しみにしているわね」
「はい!」
暫くすると、ルナとアイリーンが稽古を終えて戻ってきた。アイリーンは葡萄酒を一口飲むと、俺の膝に頭を乗せて眠りに就いた。彼女も随分疲れているのだろう。普段は弱音を吐く事は一切ないが、アイリーンは旅の途中で仲間を盗賊に皆殺しにされている。俺がアイリーンの事を守っていかなければならないんだ。
アイリーンをベッドに寝かせてから、俺はルナを連れて浴室に入った。ルナの翼を入念に洗い、二人で湯船に浸かると、クーデルカがタオルを巻いて浴室に入ってきた。やはりクーデルカの体つきは刺激が強い。
彼女はそのまま湯船に浸かると、水分を吸った白いタオルが透けて、胸の形がはっきりと浮かび上がった。クーデルカは俺を抱きしめると、彼女の豊かな胸が俺の体に触れた。目のやり場がないな……ルナとクーデルカ、二人の美少女と風呂に入れるのは幸せだが、緊張して気が休まらない。
俺は今日もクーデルカの体を洗う事になった。タオルに石鹸を付けて、クーデルカの豊満な体をくまなく洗う。恥ずかしさを堪えながら、クーデルカの体を見ないように天井を見上げている。
「サシャ、そんなに目を逸らしたら嫌よ。私はサシャのものなんだから。好きにしていいよの」
「好きにするって……そんな……」
クーデルカは無言で俺の首に腕を回すと、自分の胸に抱き寄せた。俺の顔がクーデルカの豊かな胸に触れている。なんとも言えない幸せを感じるが、あまりにも恥ずかしい。女性経験が無い俺にとっては刺激が強すぎる。
「サシャ。私も抱きしめてあげる!」
ルナはクーデルカの真似をして自分の胸に俺の顔を押し付けると、クーデルカは俺の体を後ろから抱きしめた。二人の体温を感じているうちに、俺はあまりにも恥ずかしくなって浴室から逃げ出してしまった。
彼女達との風呂は魔物との戦闘よりも緊張するな。それからルナとクーデルカの髪を乾かし、ブラシを掛けてからルナを着替えさせえる。
「サシャ! 本読んで」
と言ってルナは俺に本を渡した。今日の本は「召喚士と魔物の関係」だ。読み聞かせする本の内容は関係なく、ルナとキングはただ新しい言葉を聞く事が楽しいみたいだ。それに、彼等は一度聞いた内容は決して忘れない。元々かなり知能が高いのだろう。二人に言葉を覚えさせるにも、夜の時間にはなるべく本を読んで聞かせる事にしている。
ルナとキングはもう眠くなってしまったのだろうか、読み聞かせを聞いている内に眠ってしまったみたいだ。キングを抱き上げてベッドに寝かせ、ルナの体に毛布を掛ける。
「ルナは先に眠ってしまったようね」
「そうだね。きっと疲れていたんだろう」
「俺達も寝るとするか……」
「そうしましょう。サシャ、腕枕して頂戴」
俺はクーデルカに腕枕をし、彼女を抱きしめながら眠りに就いた。
それから二週間ほど馬車を走らせた。魔物や盗賊の襲撃を受けながら旅を続けると、俺達はついにアルテミス王国に到着した。
0
お気に入りに追加
1,403
あなたにおすすめの小説
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。
ハズレ職業のテイマーは【強奪】スキルで無双する〜最弱の職業とバカにされたテイマーは魔物のスキルを自分のものにできる最強の職業でした〜
平山和人
ファンタジー
Sランクパーティー【黄金の獅子王】に所属するテイマーのカイトは役立たずを理由にパーティーから追放される。
途方に暮れるカイトであったが、伝説の神獣であるフェンリルと遭遇したことで、テイムした魔物の能力を自分のものに出来る力に目覚める。
さらにカイトは100年に一度しか産まれないゴッドテイマーであることが判明し、フェンリルを始めとする神獣を従える存在となる。
魔物のスキルを吸収しまくってカイトはやがて最強のテイマーとして世界中に名を轟かせていくことになる。
一方、カイトを追放した【黄金の獅子王】はカイトを失ったことで没落の道を歩み、パーティーを解散することになった。
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
婚約破棄をされた悪役令嬢は、すべてを見捨てることにした
アルト
ファンタジー
今から七年前。
婚約者である王太子の都合により、ありもしない罪を着せられ、国外追放に処された一人の令嬢がいた。偽りの悪業の経歴を押し付けられ、人里に彼女の居場所はどこにもなかった。
そして彼女は、『魔の森』と呼ばれる魔窟へと足を踏み入れる。
そして現在。
『魔の森』に住まうとある女性を訪ねてとある集団が彼女の勧誘にと向かっていた。
彼らの正体は女神からの神託を受け、結成された魔王討伐パーティー。神託により指名された最後の一人の勧誘にと足を運んでいたのだが——。
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる