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第一章「冒険者編」
第十七話「ルナの新装備」
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〈翌朝〉
誰かが俺を揺すっている。誰だろう……こんなに朝早くから。目を開けてみると、目の前には見知らぬ女性が立っていた。
「起きてよ……サシャ」
「え? 誰……?」
「ルナだよ……」
一糸まとわぬ姿の女性の体に釘付けになった。豊かに盛り上がる胸に白く美しい肌。身長は百六十センチ程だろうか。背中からは白い翼が生えている。まさか、本当にルナなのか? 翼が生えているのだから、人間では無い事は確かだ。人生で見た事も無いほどの美少女として成長を遂げたのだな。
ルナは俺を抱きしめると、彼女の豊かな胸が俺の顔に触れた。恥ずかしすぎる……体は大人だが、ルナはまだ生まれたばかりの子供だ。羞恥心がないのだろう。ルナは俺の顔に豊かな胸を押し付け、強く抱きしめると、俺の唇に唇を重ねた。
「ルナだよ……サシャ……大好き……」
「ルナ……」
俺は暫くルナを抱きしめながら彼女と口づけをしていた。人生で初めて女性を抱きしめ、口づけをした。俺はこの子に恋をしているのだろうか。ルナは愛情を表現するために口づけをしているのだろう。彼女には俺に対する恋愛感情はないと思う。まだ恋愛という言葉も知らないだろうからな。
それから俺はルナに服を渡すと、ルナは不思議そうに服を見つめた。まだ服を着る事の意味すら分からないのだろう。俺はルナの体を見ないように服を着させると、ルナは嬉しそうに微笑んだ。本当に美しく成長したんだな……。
「ルナ……?」
「キング。おはよう」
キングは成長したルナを見て腰を抜かした。愕然とした表情を浮かべ、スケルトン達を起こすと、スケルトン達は成長したルナを抱きしめた。姿は違うが、仲間だと認識しているのだろう。
それから俺達は朝食を食べるために一階に降りた。朝食を簡単に済ませると、キング達には引き続き廃坑内の魔物の討伐をお願いした。俺はルナとユニコーンを連れて町の周りの散歩でもしよう。ルナの見た目は十五歳程だろうか、既に成人の女性の様に見えるが、精神はまだ幼いからな。これから一般常識を教えたり、言葉を教えなければならない。更に忙しい毎日に忙しくなりそうだ……。
俺はルナとユニコーンを連れて露店街に向かった。旅に出る前にルナの装備を整える必要があるからだ。まずはルナのための武器を買う。軽くて殺傷力の高い物を選ぶつもりだ。ルナは翼を使って自在に空を飛べる訳だから、彼女の敏捷性を活かせる武器を選ばなければならない。
それから防具や日用品も必要だろう。旅に必要な食料や馬車なども買う必要がある。ゲルストナーから借りたお金で必要な物を買い揃えよう。まずは装備を買うために、シャーローンさんの店に向かう事にした。
ユニコーンにルナを乗せて町を歩くだけでも随分目立つ。ルナの容姿に見とれる男も随分多く。ユニコーンが珍しいのか、辺りには人だかりが出来ている。シャーローンさんの店の前でユニコーンを待たせ、ルナと共に店内に入る。
「いらっしゃい。今日は何を探しているんだね?」
「こんにちは。実は旅の支度のために来たのですが、この子のための武器と防具、それから俺が装備する防具を買おうと思いまして」
「そうか。直ぐに用意しよう!」
「いつもありがとうございます」
しばらくしてシャーローンさんはルナのための防具を持ってきた。デザインが統一されているセット装備だ。足の先から膝までを覆い隠すグリーヴと、ガントレット、それからメイル。デザインは白銀をベースにして金の装飾が施されている。
防具の名前は疾風のライトグリーヴ、疾風のライトガントレット、疾風のライトメイルだ。疾風装備は全てマジックアイテムなのだとか。移動速度や攻撃速度などを増加させる効果があるらしい。
それからシャーローンさんは俺の装備も持ってきてくれた。守護のライトグリーヴ、守護のライトメイル。どうやら俺の装備もルナの防具と同じ素材で作られた物らしい。ガントレットは父の遺品のグラディエーターのガントレットを使う。シャーローンさんが持ってきた装備をルナに着せてみた。
「これがルナの新しい装備だよ」
「サシャ、体が軽いよ!」
「ああ。それが疾風のマジックアイテムの効果だ」
「シャーローンさん。どうやらルナと疾風の装備は相性が良いみたいです。この装備に決めました」
「そうかい、そいつは良かった!」
シャーローンさんの説明によると、同一の効果を持つマジックアイテムを三点以上装備すると、マジックアイテムの効果が増幅するのだとか。ガントレットも守護の効果を持つマジックアイテムにすれば、更に防御力を上げる事が出来るらしい。
父のガントレットは、シャーローンさんの提案により、首飾りに作り変える事にした。ガントレットを溶かし、効果をそのままで首飾りに作り直す事も出来るらしく、仕上がりは三日後になると説明を受けた。それから俺はルナのための武器を選ぶ事にした。広い店内をルナと一緒に見て回る。
「ルナ、軽くて使いやすそうな武器を選んでごらん」
「わかったわ」
ルナは数ある武器の中からレイピアのコーナーで立ち止まった。壁には何本ものレイピアが掛かっている。ルナは一振りのレイピアを手に取った……。
誰かが俺を揺すっている。誰だろう……こんなに朝早くから。目を開けてみると、目の前には見知らぬ女性が立っていた。
「起きてよ……サシャ」
「え? 誰……?」
「ルナだよ……」
一糸まとわぬ姿の女性の体に釘付けになった。豊かに盛り上がる胸に白く美しい肌。身長は百六十センチ程だろうか。背中からは白い翼が生えている。まさか、本当にルナなのか? 翼が生えているのだから、人間では無い事は確かだ。人生で見た事も無いほどの美少女として成長を遂げたのだな。
ルナは俺を抱きしめると、彼女の豊かな胸が俺の顔に触れた。恥ずかしすぎる……体は大人だが、ルナはまだ生まれたばかりの子供だ。羞恥心がないのだろう。ルナは俺の顔に豊かな胸を押し付け、強く抱きしめると、俺の唇に唇を重ねた。
「ルナだよ……サシャ……大好き……」
「ルナ……」
俺は暫くルナを抱きしめながら彼女と口づけをしていた。人生で初めて女性を抱きしめ、口づけをした。俺はこの子に恋をしているのだろうか。ルナは愛情を表現するために口づけをしているのだろう。彼女には俺に対する恋愛感情はないと思う。まだ恋愛という言葉も知らないだろうからな。
それから俺はルナに服を渡すと、ルナは不思議そうに服を見つめた。まだ服を着る事の意味すら分からないのだろう。俺はルナの体を見ないように服を着させると、ルナは嬉しそうに微笑んだ。本当に美しく成長したんだな……。
「ルナ……?」
「キング。おはよう」
キングは成長したルナを見て腰を抜かした。愕然とした表情を浮かべ、スケルトン達を起こすと、スケルトン達は成長したルナを抱きしめた。姿は違うが、仲間だと認識しているのだろう。
それから俺達は朝食を食べるために一階に降りた。朝食を簡単に済ませると、キング達には引き続き廃坑内の魔物の討伐をお願いした。俺はルナとユニコーンを連れて町の周りの散歩でもしよう。ルナの見た目は十五歳程だろうか、既に成人の女性の様に見えるが、精神はまだ幼いからな。これから一般常識を教えたり、言葉を教えなければならない。更に忙しい毎日に忙しくなりそうだ……。
俺はルナとユニコーンを連れて露店街に向かった。旅に出る前にルナの装備を整える必要があるからだ。まずはルナのための武器を買う。軽くて殺傷力の高い物を選ぶつもりだ。ルナは翼を使って自在に空を飛べる訳だから、彼女の敏捷性を活かせる武器を選ばなければならない。
それから防具や日用品も必要だろう。旅に必要な食料や馬車なども買う必要がある。ゲルストナーから借りたお金で必要な物を買い揃えよう。まずは装備を買うために、シャーローンさんの店に向かう事にした。
ユニコーンにルナを乗せて町を歩くだけでも随分目立つ。ルナの容姿に見とれる男も随分多く。ユニコーンが珍しいのか、辺りには人だかりが出来ている。シャーローンさんの店の前でユニコーンを待たせ、ルナと共に店内に入る。
「いらっしゃい。今日は何を探しているんだね?」
「こんにちは。実は旅の支度のために来たのですが、この子のための武器と防具、それから俺が装備する防具を買おうと思いまして」
「そうか。直ぐに用意しよう!」
「いつもありがとうございます」
しばらくしてシャーローンさんはルナのための防具を持ってきた。デザインが統一されているセット装備だ。足の先から膝までを覆い隠すグリーヴと、ガントレット、それからメイル。デザインは白銀をベースにして金の装飾が施されている。
防具の名前は疾風のライトグリーヴ、疾風のライトガントレット、疾風のライトメイルだ。疾風装備は全てマジックアイテムなのだとか。移動速度や攻撃速度などを増加させる効果があるらしい。
それからシャーローンさんは俺の装備も持ってきてくれた。守護のライトグリーヴ、守護のライトメイル。どうやら俺の装備もルナの防具と同じ素材で作られた物らしい。ガントレットは父の遺品のグラディエーターのガントレットを使う。シャーローンさんが持ってきた装備をルナに着せてみた。
「これがルナの新しい装備だよ」
「サシャ、体が軽いよ!」
「ああ。それが疾風のマジックアイテムの効果だ」
「シャーローンさん。どうやらルナと疾風の装備は相性が良いみたいです。この装備に決めました」
「そうかい、そいつは良かった!」
シャーローンさんの説明によると、同一の効果を持つマジックアイテムを三点以上装備すると、マジックアイテムの効果が増幅するのだとか。ガントレットも守護の効果を持つマジックアイテムにすれば、更に防御力を上げる事が出来るらしい。
父のガントレットは、シャーローンさんの提案により、首飾りに作り変える事にした。ガントレットを溶かし、効果をそのままで首飾りに作り直す事も出来るらしく、仕上がりは三日後になると説明を受けた。それから俺はルナのための武器を選ぶ事にした。広い店内をルナと一緒に見て回る。
「ルナ、軽くて使いやすそうな武器を選んでごらん」
「わかったわ」
ルナは数ある武器の中からレイピアのコーナーで立ち止まった。壁には何本ものレイピアが掛かっている。ルナは一振りのレイピアを手に取った……。
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