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13.全身で受け入れる【捧げられし花テオエル】

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一昨日、はじめて顔を見て。
昨日、ミシュナンドールとの夕食会に同席したものの会話は許されず。
今日、今からシドイェスカとのおつとめにのぞむ。

今まで通り、うつ伏せで待つべきなのだろうか。
でも、テオエルがシドイェスカを受け入れていますということを示すなら、顔を見ながら抱かれるべきなのでは。
でもでも、シドイェスカは今までのような事務的な性交を望んでいるかもしれないし。
でもでもでも……。

悩んでいるうちに、寝室に人が入ってくる気配を感じた。

ベッドの上に裸で膝を抱えるテオエルと、ベッドのそばで戸惑うように立ち尽くすシドイェスカ。

しばしの沈黙の後、シドイェスカが動いた。

「……口づけを……しても、よいか……?」

それは今までの事務的な作業には付随しなかった行為。
シドイェスカの選んだ選択肢が、テオエルの中で傾いていた天秤と同じ方だったことに、テオエルは大きく胸を撫で下ろした。

「してください」

天蓋をくぐるシドイェスカを両腕を広げて迎える。美しい顔を強張らせながら、恐る恐る腕の中におさまってきた。正面からぎゅっと抱き合うと、満たされる心地がする。

ほお同士を擦り合わせ、鼻先を押し付けられ、傾けた顔が向かい合う。触れ合わせるだけの口づけをされた。
シドイェスカが緊張の面持ちで、テオエルの細い脚を撫でる。少しでも嫌がる素振りを見せたら、酷く傷つけてしまいそうな、危うい目をしていた。

大丈夫ですよ。
触ってくれて嬉しいです。
もっと撫でてください。
あなたの手は気持ちがいい。

目を細めて、全身で受け入れる。
好いところを撫でられたら、素直に感じてみせ。
こちらからも積極的にシドイェスカに触れる。
決して目を逸らさず、どんなに恥ずかしいことも嫌だとは絶対に口にしない。
繰り返しキスを強請り、拙い口づけを繰り返した。

「なんだこれは。何故……こんな、勃って……?」

シドイェスカがテオエルとのおつとめで自ら扱くことなく勃起するのは初めてだった。
動揺しているシドイェスカの目の前で、脚を大きく開いてみせる。

「僕のここで……シドイェスカ様を受け入れさせてください……」

両手で尻たぶを掴み、左右に開く。すっかり縦に割れた孔から、とろりと潤滑油が垂れ落ちた。
テオエルの痴態に誘われ、シドイェスカが自身の切っ先をあてがう。

「私を……受け入れてくれ……」





ぎしぎし、ベッドが軋む。

「あ……あぁっ……ん……っ、あぅ……!」
「は……っ、は……、……っ」

タイミングを合わせて、お互いに腰を振る。
荒い息を吐きながら、シドイェスカの両手がテオエルの腰を固定した。

「んっ……シドイェスカさ……まっ!」
「は、は……、あ……っく、」

上から圧し潰すように何度か繰り返しプレスされた後、ぐっと押し付けられたかと思うと、奥に種付けされた感覚が広がった。

「……テオエル」
「……シドイェスカ様……」

見つめ合い、どちらからともなく唇を重ねる。



シドイェスカのほおが、安堵故か微かに緩むのを、テオエルは確かに見た。
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