13 / 21
13.全身で受け入れる【捧げられし花テオエル】
しおりを挟む一昨日、はじめて顔を見て。
昨日、ミシュナンドールとの夕食会に同席したものの会話は許されず。
今日、今からシドイェスカとのおつとめにのぞむ。
今まで通り、うつ伏せで待つべきなのだろうか。
でも、テオエルがシドイェスカを受け入れていますということを示すなら、顔を見ながら抱かれるべきなのでは。
でもでも、シドイェスカは今までのような事務的な性交を望んでいるかもしれないし。
でもでもでも……。
悩んでいるうちに、寝室に人が入ってくる気配を感じた。
ベッドの上に裸で膝を抱えるテオエルと、ベッドのそばで戸惑うように立ち尽くすシドイェスカ。
しばしの沈黙の後、シドイェスカが動いた。
「……口づけを……しても、よいか……?」
それは今までの事務的な作業には付随しなかった行為。
シドイェスカの選んだ選択肢が、テオエルの中で傾いていた天秤と同じ方だったことに、テオエルは大きく胸を撫で下ろした。
「してください」
天蓋をくぐるシドイェスカを両腕を広げて迎える。美しい顔を強張らせながら、恐る恐る腕の中におさまってきた。正面からぎゅっと抱き合うと、満たされる心地がする。
ほお同士を擦り合わせ、鼻先を押し付けられ、傾けた顔が向かい合う。触れ合わせるだけの口づけをされた。
シドイェスカが緊張の面持ちで、テオエルの細い脚を撫でる。少しでも嫌がる素振りを見せたら、酷く傷つけてしまいそうな、危うい目をしていた。
大丈夫ですよ。
触ってくれて嬉しいです。
もっと撫でてください。
あなたの手は気持ちがいい。
目を細めて、全身で受け入れる。
好いところを撫でられたら、素直に感じてみせ。
こちらからも積極的にシドイェスカに触れる。
決して目を逸らさず、どんなに恥ずかしいことも嫌だとは絶対に口にしない。
繰り返しキスを強請り、拙い口づけを繰り返した。
「なんだこれは。何故……こんな、勃って……?」
シドイェスカがテオエルとのおつとめで自ら扱くことなく勃起するのは初めてだった。
動揺しているシドイェスカの目の前で、脚を大きく開いてみせる。
「僕のここで……シドイェスカ様を受け入れさせてください……」
両手で尻たぶを掴み、左右に開く。すっかり縦に割れた孔から、とろりと潤滑油が垂れ落ちた。
テオエルの痴態に誘われ、シドイェスカが自身の切っ先をあてがう。
「私を……受け入れてくれ……」
ぎしぎし、ベッドが軋む。
「あ……あぁっ……ん……っ、あぅ……!」
「は……っ、は……、……っ」
タイミングを合わせて、お互いに腰を振る。
荒い息を吐きながら、シドイェスカの両手がテオエルの腰を固定した。
「んっ……シドイェスカさ……まっ!」
「は、は……、あ……っく、」
上から圧し潰すように何度か繰り返しプレスされた後、ぐっと押し付けられたかと思うと、奥に種付けされた感覚が広がった。
「……テオエル」
「……シドイェスカ様……」
見つめ合い、どちらからともなく唇を重ねる。
シドイェスカのほおが、安堵故か微かに緩むのを、テオエルは確かに見た。
160
お気に入りに追加
123
あなたにおすすめの小説
生贄として捧げられたら人外にぐちゃぐちゃにされた
キルキ
BL
生贄になった主人公が、正体不明の何かにめちゃくちゃにされ挙げ句、いっぱい愛してもらう話。こんなタイトルですがハピエンです。
人外✕人間
♡喘ぎな分、いつもより過激です。
以下注意
♡喘ぎ/淫語/直腸責め/快楽墜ち/輪姦/異種姦/複数プレイ/フェラ/二輪挿し/無理矢理要素あり
2024/01/31追記
本作品はキルキのオリジナル小説です。
第二王子に転生したら、当て馬キャラだった。
秋元智也
BL
大人気小説『星降る夜の聖なる乙女』のゲーム制作に
携わる事になった。
そこで配信前のゲームを不具合がないか確認する為に
自らプレイしてみる事になった。
制作段階からあまり寝る時間が取れず、やっと出来た
が、自分達で不具合確認をする為にプレイしていた。
全部のエンディングを見る為に徹夜でプレイしていた。
そして、最後の完全コンプリートエンディングを前に
コンビニ帰りに事故に遭ってしまう。
そして目覚めたら、当て馬キャラだった第二王子にな
っていたのだった。
攻略対象の一番近くで、聖女の邪魔をしていた邪魔な
キャラ。
もし、僕が聖女の邪魔をしなかったら?
そしたらもっと早くゲームは進むのでは?
しかし、物語は意外な展開に………。
あれ?こんなのってあり?
聖女がなんでこうなったんだ?
理解の追いつかない展開に、慌てる裕太だったが……。
隣国王子に快楽堕ちさせれた悪役令息はこの俺です
栄円ろく
BL
日本人として生を受けたが、とある事故で某乙女ゲームの悪役令息に転生した俺は、全く身に覚えのない罪で、この国の王子であるルイズ様に学園追放を言い渡された。
原作通りなら俺はこの後辺境の地で幽閉されるのだが、なぜかそこに親交留学していた隣国の王子、リアが現れて!?
イケメン王子から与えられる溺愛と快楽に今日も俺は抗えない。
※後編がエロです
【R18】奴隷に堕ちた騎士
蒼い月
BL
気持ちはR25くらい。妖精族の騎士の美青年が①野盗に捕らえられて調教され②闇オークションにかけられて輪姦され③落札したご主人様に毎日めちゃくちゃに犯され④奴隷品評会で他の奴隷たちの特殊プレイを尻目に乱交し⑤縁あって一緒に自由の身になった両性具有の奴隷少年とよしよし百合セックスをしながらそっと暮らす話。9割は愛のないスケベですが、1割は救済用ラブ。サブヒロインは主人公とくっ付くまで大分可哀想な感じなので、地雷の気配を感じた方は読み飛ばしてください。
※主人公は9割突っ込まれてアンアン言わされる側ですが、終盤1割は突っ込む側なので、攻守逆転が苦手な方はご注意ください。
誤字報告は近況ボードにお願いします。無理やり何となくハピエンですが、不幸な方が抜けたり萌えたりする方は3章くらいまでをおススメします。
※無事に完結しました!
処女姫Ωと帝の初夜
切羽未依
BL
αの皇子を産むため、男なのに姫として後宮に入れられたΩのぼく。
七年も経っても、未だに帝に番われず、未通(おとめ=処女)のままだった。
幼なじみでもある帝と仲は良かったが、Ωとして求められないことに、ぼくは不安と悲しみを抱えていた・・・
『紫式部~実は、歴史上の人物がΩだった件』の紫式部の就職先・藤原彰子も実はΩで、男の子だった!?というオメガバースな歴史ファンタジー。
歴史や古文が苦手でも、だいじょうぶ。ふりがな満載・カッコ書きの説明大量。
フツーの日本語で書いています。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
くっころ勇者は魔王の子供を産むことになりました
あさきりゆうた
BL
BLで「最終決戦に負けた勇者」「くっころ」、「俺、この闘いが終わったら彼女と結婚するんだ」をやってみたかった。
一話でやりたいことをやりつくした感がありますが、時間があれば続きも書きたいと考えています。
21.03.10
ついHな気分になったので、加筆修正と新作を書きました。大体R18です。
21.05.06
なぜか性欲が唐突にたぎり久々に書きました。ちなみに作者人生初の触手プレイを書きました。そして小説タイトルも変更。
21.05.19
最終話を書きました。産卵プレイ、出産表現等、初めて表現しました。色々とマニアックなR18プレイになって読者ついていけねえよな(^_^;)と思いました。
最終回になりますが、補足エピソードネタ思いつけば番外編でまた書くかもしれません。
最後に魔王と勇者の幸せを祈ってもらえたらと思います。
23.08.16
適当な表紙をつけました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる