可憐な少女よりガチムチおじさんが圧倒的に性被害に遭う恐ろしい世界に迷い込んだ

25.

ルタは引っ張りだこだった。
あらゆる世界のあらゆる言語をあっという間に習得し、使いこなすルタは、警察や保護施設に保護された人間との意思疎通に重宝され、連日ユルシィと共に彼の職場へと出勤していく。

ぽつんと自宅に残された瀬野は、人間のひとり歩きは危ない、特に瀬野のような容姿の人間は性的に狙われやすいからと、外出することもできず、引きこもって家事をこなし、与えられた携帯端末のゲームアプリで暇を潰しつつ、同居人達の帰りを待つ日々だ。

ひとり悶々と考えこむ時間だけは、捨てるほどあった。

「あぁあ゛あ～～～………」

深くため息を吐く。頭を抱える。
あれからユルシィは、定期的に瀬野を抱いた。発散しないと、瀬野が苦しむことをわかっているからだ。

「もう一生こうなのか……？」

今も徐々に身体が火照ってきている。

『レサロヌ゙』

抱かれる時にユルシィが必ず口にする言葉が、脳内で再生された。

『レサロヌ゙っ』

疼く尻の奥を誤魔化すように、下着の中に手を入れた。

『かわいい』

ユルシィは時折、日本語でも伝えてくる。

『かわいい、かわいい』

緩く反応している肉の茎を、掴んで、上下に扱く。

『かわいい、セノ』

ヤってる間のことなんて、ほとんど覚えていないのに。
これだけははっきりくっきり、声の調子から滲み出る感情まで鮮明に思い出せる。

『かわいい、ね、セノ』

あんなに愛しいでいっぱいにしといて、なぜか、ユルシィはキスだけはしない。

…………なんで。どうして……？



「…………やっぱ、時間は無駄にあると余計なこと考えてよくねえな……」

手のひらに吐き出した白濁を濁った目で眺めながら、瀬野は独り言ちた。