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19.
しおりを挟むその日は、朝から使用人がバタバタと忙しなく動いていた。
「おまえと、おまえと……おまえ」
着飾らせたペット達を吟味して、3人ピックアップしたアテォロは、ついて来るよう告げてペットルームを出た。何にかはわからないが選ばれた3人に入ってしまった瀬野は、無言で後を追う。廊下を歩きながら、ルタは今何をしているかな……と、娘のように思っている少女に思いを馳せた。
連れて来られて以来の、屋敷の外。玄関前に停められた長い車に乗せられ、瀬野はシートに身を預けて目を閉じた。
連れて行かれたのは、とあるホテルの会場だった。
様々な容姿の人外生物と、着飾った人間達が入り乱れる。人外生物達はそれぞれ交流しながら、連れている人間を見せ合うような素振りをした。
ペットを3人連れたアテォロも、次々と声をかけられる。
値踏みするような視線が、瀬野の頭の天辺からつま先までを不快に舐め回した。
「*****」
「***、**ーー****」
「****ー****、*ーー」
なにやら盛り上がっている飼い主のそばで、方々から刺さる視線を総スルーして、遠くを見据える。微動だにせず無言で立っている瀬野とは対照的に、共に連れて来られた他の2人は、きょろきょろ会場内を見回して、何やら言葉を交わしていた。
「セノ、ご指名だ」
会話を切り上げたアテォロが、行けと言う風に親指を立てて振る。指された先で、赤いボディの人外生物が待ち構えていた。
腕を取られて、会場内の半個室に連れ込まれる。何が起こっているのかわからないまま、身を固くして様子をうかがっていると、瀬野を連れ込んだ赤い人外生物が股間を露出した。
「*****」
座り込んだ瀬野の口へ、ぐいぐい下腹部を押し付けてくる。まだ何もしていないのに緩く頭をもたげた男性器が、唇に擦り付けられた。
咥えろーーそう、言われているのだ。
瀬野は床の上で固く拳を握った。視線だけで、会場内を見回す。あちこちの半個室で、同じような状況に陥っている人外生物と人間が散見された。フェラチオどころか、すでに挿入にまで至っている組もいる。1対1でなく、複数で絡み合うものもいた。
そういうパーティーってことかよ……!
眉間にしわを寄せ、心内で吐き捨てる。
心底嫌だ。軽蔑する。本当に、まじで、嫌すぎる。
しかし、瀬野には、従う以外の選択肢がなかった。
「*ー**、***」
せめてもの抵抗に、焦らすようにゆったりと口を開ける。開ききるのを待ち切れないとばかりに、途中で亀頭を含まされた。大きく口を開いて迎え入れると、褒めているのか頭を撫でられる。
「***ー*、****」
頭を固定され、オナホールでも使うように身勝手に腰を振られても、瀬野は生理的な涙を浮かべながら耐えた。
ルタが、こんな目に遭わずに済むのなら。
こんな地獄に、ルタが身を堕とさずに済むのなら。
何が、最悪の結果に繋がるかわからない。
脅しは、実行しなければ意味がない。
ルタには瀬野の人質として、極上の価値がある。
彼女を守るためなら、瀬野は、なんだって。なんだって。
「***ッ゛!」
勢いよく突き入れられ、喉の奥でぶちまけられた。どろりとした精液を、数回に分けて飲み下す。
「**~」
口を開けて余さず飲み込んだことを確認させると、人外生物は喜んでわちゃわちゃ瀬野を撫で回した。
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