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しおりを挟む「いいぞ、最高の締め具合だ」
後孔を広げるために挿れられていた触手が引き抜かれる。その刺激にも感じてしまって、瀬野はびくんっと跳ねた。足先が、宙を掻く。全身が、ぐっしょりと汗で湿っていた。
「まだ終わりじゃないぞ。ここからが本番だろう」
ベッドに仰向けに転がされ、絡みついていた触手がざわざわと引いていく。
何を考えることもできない真っ白な頭で、瀬野は『それ』を視界におさめた。
『それ』は、アテォロの身体を構成する触手の中でも、異彩を放っていた。
赤黒く、びきびきと血管が浮いた怒張。体格の良い瀬野と比べても明らかに差がわかるほど、太く、長大で、グロテスクだ。
すでに3度射精している瀬野と違い、一度も精を吐き出していない彼のイチモツは、先走りを垂らして今か今かと瀬野を征服する時を待っている。
「…………あ、」
脚を左右に開かれ、いまだ本番に使われたことのないそこへ先端を押し当てられて、引きつった声が漏れた。
「あ……ぁ……や、」
「ふふ」
軽く押し込まれて、僅かに食い込んだと思ったら、離される。
「ゃ……あ、」
「押し込まずとも、ひとりでに飲み込みそうだ」
「ん゛ん……っ、ん!」
入口にくっつけては離されるのを何度も繰り返されると、窄まりとアテォロの怒張の間に体液と混ざり合ったローションが糸を引いた。
瀬野は両腕を交差して顔を隠し、下唇を色が変わるほど噛み締めた。
「やらしい身体だ」
言い終わるのと同時に、ぐっと肉輪が押し開かれた。あっけない程簡単に、恐ろしさを感じるほどのイチモツを、ずぶずぶ飲み込んでいく。ほとんど痛みがないことさえも、瀬野の心を苦しめた。
先端が最奥を突く。
きゅうう……と、瀬野の意思とは関係なく締め付けて、生理的な反射であるとわかっていながら死にたくなる。
「はじめて犯された気分はどうだ?」
「さっさとひとの身体使ってオナってイけよくそっ!」
「はは。すでに3度も私にイかされているわりに威勢がいい」
ずるるるぅっと、内壁を擦りあげながら怒張が引き抜かれる。快感がぶわっと全身に広がった。毛穴が広がって、どっと汗が噴き出す。ずちゅんっ! 入っていた質量を失って閉じかけた肉筒を、勢いよく押し広げて奥まで貫かれる。
ずるるるぅっ、ずちゅんっ!
ずるるるぅっ、ずちゅんっ!
ずるるるぅっ、ばちゅんっ!
ずるるるぅっ……ーーどちゅんっ!!!
「あ゛!!!」
奥の奥まで犯されて、せめてもと声を噛み殺すことすら許されない。一度放たれてしまったら、もうどんなに頑張っても押しとどめることはできなくて。
「あ! あァ゛っ! あっ!」
どす、どす、どす、どす、どすーー
「や゛! あ、ぁ゛、ん! ヤ!」
一定のスパンで抽挿を繰り返される。
「はは。おまえも感じているじゃないか」
「ん゛……っ、く……! んん゛っ」
「これじゃ私のオナニーとは言えないな」
アナルを凌辱されるリズムで、勃起した陰茎が瀬野の腹の上を前後に振れる。勢いのない垂れ流すような4度目の射精によって、吐き出された体液が揺れるたびに飛び散った。
「はあ……イく。出すぞ。そのまま締めろ」
ぐぽぐぽぐぽぐぽーー
ラストスパートとばかりに自分の性感だけを高める動きで抜き差しを繰り返した後、ぐっと奥に押し挿されて、中に吐き出される感覚が広がった。
「…………ぁ……」
自分でも喉から出たことに気づかないような、小さな小さな声だった。
犯されて、尻の奥に射精されたという事実を、瀬野は茫然と感じていた。
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