死んだら妹が設定だけ練って本文は冒頭で挫折した創作BL小説の世界だった

第３章

28.ラスボス

“尾野寺寅次”の居場所を情報開示請求によって特定し、非公認の掃除屋がラララララナラナ全域の守りを固める間に、公認掃除屋の戦闘員が総出で乗り込んだ。

浄化能力持ち三名はいざという時に駆けつけられる距離で非公認の掃除屋二名と待機。

どんよりとした曇り空のもと、御幸は皆の無事を祈った。






これまでに見たことのない巨大なドラゴンが、雷を連れて滑空する。
取り押さえられた尾野寺寅次の、最後の抵抗だった。

公認掃除屋のメンバー達が、次々にマリキを展開して攻撃する。
無数の光の矢が、空に向けて放たれた。

『＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊！！』

ドラゴンが咆哮をあげ、旋回する。
口を開けたかと思うと、光が徐々に収束して、強烈な破壊力を持った光線になった。
全員、即座に回避する。
マリキの使用によって、毒素が撒き散るのが視認できた。

「ここも危険です。離れましょう」

御幸達についてくれている非公認の掃除屋が、退避を促す。
ここにいても邪魔にしかならないので、素直に従った。






「大丈夫でしょうか」
「心配ですね」

浄化能力持ちの中年男性と少年が、避難した建物の一室を、落ち着かない様子であっちへ行ったりこっちへ来たりしている。
御幸は窓際に椅子を動かして、腰を据えた。
ここからでは、戦闘の様子は見えない。
それでも、ひたすら、曇り空に目を凝らした。