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浮かれすぎ注意報
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どんだけ浮かれてんだよ。
ちゃんとローファーは履いて帰って来てるのに、どうして制服とか忘れるかなぁ。
こんな事、人生で初めてだよ。
こんなの絶対態とだって思われる。
本当やだ。
俺そんな事しないのに。
何してんだよ俺っ。
連絡の手段も無いし今回は鍵もないから、マンションの前で先輩が帰ってくるの待ってないとだよ。
あれ?俺先輩に鍵返したっけ?
記憶にない。
先輩から鍵を預かり使用して部屋で眠ってしまい、そのままエッチに雪崩れ込みイチャイチャしながらまったりしてバイトに向かう先輩と二人で出てきた。
その時先輩は、鍵を掛けてたからきっと先輩が鍵持ってるんだよね?
んー?
悩んでいても解決しないから、ひたすら先輩を待つしかないよね。
いつも通りなら十時十五分過ぎには帰ってくるはず。
先輩の部屋の電気は点いてないからまだだよね。
寝ちゃってたら今日は諦めて、明日の朝来るしかない。
お願い先輩、早く帰ってきて。
…先輩まだかな。
前もこんな事したな。
マンションの塀に凭れてひたすら先輩の帰りを待つの。
あの日の事を思い出しそう。
「何してんの?」
聞きなれた声に沈んでいた気持ちが浮上する。
どのくらい待ったかなんてわかんない。
そんなのどうでも良い。
「先輩っ、良かったぁ」
嬉しくて抱きついてしまった。
遅い時間とは言え、外なので直ぐ様離れた。
「ん?」
「俺、先輩の部屋に制服とか鞄全部忘れてきた」
先輩にすがり付き、きっと情けない顔で見ていたはず。
俺を見る先輩は疑ってはないが困惑しているように思える。
「…携帯」
「鞄の中、そもそも俺先輩の連絡先知らない」
多分、先輩も俺たちが連絡先を交換してないのを今気付いた顔だった。
「…鍵は?」
「?先輩が持ってるんじゃ」
「あれは、芯に渡したまんま」
「そうなの?」
「あぁ」
「なら、鍵開いてるの?」
「閉めただろ」
確かに、先輩が鍵を閉めたの覚えてる。
「うん…どう言うこと?」
先輩の鍵を借りて開けた鍵はまだ俺が持っていて、先輩はちゃんと鍵を掛けて家を出ている。
なら鍵は先輩が持っているのに、先輩は俺に鍵を渡したままだと言う。
え、何?どう言うこと?なぞなぞ?
「俺のは有る」
俺のはあるということは
「なら、あれは…おれの?」
答えを探るように先輩を確認する。
「まぁ、そうだな」
「やったぁー」
当たった。
え、そうなの?あの鍵は俺のなの?
あっ嬉しい。
「んでその鍵は?」
「…多分、鞄の中」
そうよね、今はクイズを楽しんでいる時ではない。
俺のどんくささを確認しなければならない時間だ。
「…」
「ごめんなさい」
「…まぁいい、行くぞ」
「はい」
促されるまま大人しく先輩の後に着いていく。
沈黙が耐えられない。
「ねぇ、態とじゃないからね」
「ああ」
「本当だよ」
「ああ」
俯いたまま会話を進める。
先輩はきっと呆れてるんだと思う。
こんな事で嫌われたりは無いよね?
多少ウザがられても。
本当にウッカリなんだよ。
今日は大人しくすぐ帰りますから。
制服と鍵と鞄と携帯と鍵。
鍵が一番大事、もう忘れない絶対に。
「ん」
扉を開け、先に入るよう促してくれた。
「お、お邪魔します」
俺は先に失礼して、先輩の部屋で制服を回収してリビングで鞄と鍵を確認した。
任務完了の為帰還すべく、玄関へ戻るも途中の廊下で足止めを食った。
「帰るのか?」
「?はい」
ちゃんとローファーは履いて帰って来てるのに、どうして制服とか忘れるかなぁ。
こんな事、人生で初めてだよ。
こんなの絶対態とだって思われる。
本当やだ。
俺そんな事しないのに。
何してんだよ俺っ。
連絡の手段も無いし今回は鍵もないから、マンションの前で先輩が帰ってくるの待ってないとだよ。
あれ?俺先輩に鍵返したっけ?
記憶にない。
先輩から鍵を預かり使用して部屋で眠ってしまい、そのままエッチに雪崩れ込みイチャイチャしながらまったりしてバイトに向かう先輩と二人で出てきた。
その時先輩は、鍵を掛けてたからきっと先輩が鍵持ってるんだよね?
んー?
悩んでいても解決しないから、ひたすら先輩を待つしかないよね。
いつも通りなら十時十五分過ぎには帰ってくるはず。
先輩の部屋の電気は点いてないからまだだよね。
寝ちゃってたら今日は諦めて、明日の朝来るしかない。
お願い先輩、早く帰ってきて。
…先輩まだかな。
前もこんな事したな。
マンションの塀に凭れてひたすら先輩の帰りを待つの。
あの日の事を思い出しそう。
「何してんの?」
聞きなれた声に沈んでいた気持ちが浮上する。
どのくらい待ったかなんてわかんない。
そんなのどうでも良い。
「先輩っ、良かったぁ」
嬉しくて抱きついてしまった。
遅い時間とは言え、外なので直ぐ様離れた。
「ん?」
「俺、先輩の部屋に制服とか鞄全部忘れてきた」
先輩にすがり付き、きっと情けない顔で見ていたはず。
俺を見る先輩は疑ってはないが困惑しているように思える。
「…携帯」
「鞄の中、そもそも俺先輩の連絡先知らない」
多分、先輩も俺たちが連絡先を交換してないのを今気付いた顔だった。
「…鍵は?」
「?先輩が持ってるんじゃ」
「あれは、芯に渡したまんま」
「そうなの?」
「あぁ」
「なら、鍵開いてるの?」
「閉めただろ」
確かに、先輩が鍵を閉めたの覚えてる。
「うん…どう言うこと?」
先輩の鍵を借りて開けた鍵はまだ俺が持っていて、先輩はちゃんと鍵を掛けて家を出ている。
なら鍵は先輩が持っているのに、先輩は俺に鍵を渡したままだと言う。
え、何?どう言うこと?なぞなぞ?
「俺のは有る」
俺のはあるということは
「なら、あれは…おれの?」
答えを探るように先輩を確認する。
「まぁ、そうだな」
「やったぁー」
当たった。
え、そうなの?あの鍵は俺のなの?
あっ嬉しい。
「んでその鍵は?」
「…多分、鞄の中」
そうよね、今はクイズを楽しんでいる時ではない。
俺のどんくささを確認しなければならない時間だ。
「…」
「ごめんなさい」
「…まぁいい、行くぞ」
「はい」
促されるまま大人しく先輩の後に着いていく。
沈黙が耐えられない。
「ねぇ、態とじゃないからね」
「ああ」
「本当だよ」
「ああ」
俯いたまま会話を進める。
先輩はきっと呆れてるんだと思う。
こんな事で嫌われたりは無いよね?
多少ウザがられても。
本当にウッカリなんだよ。
今日は大人しくすぐ帰りますから。
制服と鍵と鞄と携帯と鍵。
鍵が一番大事、もう忘れない絶対に。
「ん」
扉を開け、先に入るよう促してくれた。
「お、お邪魔します」
俺は先に失礼して、先輩の部屋で制服を回収してリビングで鞄と鍵を確認した。
任務完了の為帰還すべく、玄関へ戻るも途中の廊下で足止めを食った。
「帰るのか?」
「?はい」
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