男子校に入学しても絶対そっち側には行かないって思っていたのに、助けてくれた先輩が気になってます

天冨 七緒

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変わらない関係

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三回目のお泊まりで先輩は独り暮らしではなく一応お父さんと一緒に住んでいることを教えてくれた。

先輩が小学生の時に離婚してお父さんに引き取られたらしい。
お母さんは他の男の人と出ていった。
それ以来会ってはいないと。
お父さんの方も最近は家に帰って来ず、女の人の所に居るんだろうって。
たまに連絡がくるから生きてはいるはず。

そんな風に家族を言う先輩は普通に見えるけど、寂しさから目を背けているだけできっと寂しいと感じてるはず。

「俺はずっと側にいますよ」   

「お前もいずれ離れてくよ」

俺から顔を反らし瞼を閉じる。
俺を拒絶し始めている。

「そんなことありません。俺の両親は今でもラブラブで浮気なんてあり得ないような人たちです。俺はそんな二人の血を継いでいるので一筋です。安心して俺を好きになってください」

「……もう、寝るぞ」

「……はい」

無理やり会話を終わらせれてしまった。
あまり触れて欲しくないところを無遠慮にズカズカと踏み荒らしてしまったかもと後になって反省した。

先輩がずっとを信じない理由がようやくわかった。
俺なら離れないのに。
きっと先輩は信じてくれないだろうな。
俺は先輩にバレないようひっそり泣いた。


一ヶ月近くそんな関係が続いている。
俺達の関係は全く変わらない。
先輩のバイトが休みの日にはお邪魔してHして、お昼もわりと一緒にいる。
その間、先輩は色んな人に告白されてる。
誰とも付き合っては無いけど、多分俺以外ともそういうことはしてると思う。
なんとなくそんな雰囲気を感じとるとあの空き部屋には近づかないようにしているから。

功刀にも先輩と付き合っているのかを聞かれた。
正直に付き合ってないと答えるも、少々不服そうに見える。
けどそれ以上は聞いては来なかった。
多分気を遣ってくれている。

先生の手伝い等で先輩の所へ行くのが遅れた。
五分十分遅れただけで空き部屋には先客がいた。
先輩はその人とキスしていた。
数cmの隙間から先輩と視線が会うも先輩はその人とのキスを続けていた。
俺に見られても動じること無く寧ろわざと俺から視線を外さなかったようにも感じた。
こんなに毎日のように来ても先輩は変わらず誰でもいい。
俺じゃなくても。
その場を離れても扉が開くような音は聞こえなかった。
苦しくて苦しくて泣いていた。


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