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噂に引き寄せられて 生徒B
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俺はイグニス様とグラキアス様のキスを目撃しない日は無いだろうと言うくらい見てきた。
たまたまだ、たまたま。
彼らは必ず朝の食堂、別れの教室前、昼休みの中庭、放課後の個別室で必ずキスをする。
そこに居合わせると見ることが出来る。
俺はいつも時間通りに行動したいので、食堂、教室前、中庭は目撃してしまう。
個別室は今まで見たことはなかった…が、今日初めて見てしまった。
噂で個別室は恋人達の部屋と聞いていたが見に行くことなんてしない。
本当ならばここを通ることはなかったが、いつも通る廊下が急遽補修工事が入り遠回りせざるを得なかった。
今まで興味もなく噂は知っていても確かめようとは考えていなかったのに、偶然通りかかり微かに喘ぎ声のようなものが聞こえると好奇心が押さえられなくなった。
恋人同士の二人きりの時間を覗くなんて貴族としてあるまじき行為。
いけないと自身に言い聞かせるも、足が扉に近付いて行ってしまう。
止められない己の弱さが憎い。
気がつけばドアノブに手を掛け扉を開いていた。
隙間から見える光景は、裸のイグニス様と上半身裸のグラキアス様だった。
イグニス様は普段美しい顔だが力強い目が印象的で人によってはキツイ印象を与えてしまう。
それでもグラキアス様と一緒にいると蕩けたような表情をするので、隠れファンが多数いた。
俺は…ファンとまでは言わないが、やはり見てしまうと目が離せななかった。
そんなイグニス様が今は、快感に支配され恍惚とした表情を見せている。
胸にグラキアス様の頭を抱えながら喘ぎ声を上げていた。
グラキアス様の動きにイグニス様の小さな身体も上下し、見えない下半身がどういう状態なのか理解させられた。
「あぁんアティイもっとぉんっんっんっんぁんんっ激しぃっんんっんすきぃ」
普段のイグニス様から考えられないような言葉が聞こえた。
覗いてはいけない、ここから離れなければいけない。
頭の片隅にはあるが、全く足が動かない。
俺の下半身は完全に二人に反応していた。
グラキアス様はイグニス様の足を抱え更に奥へと突き進んで行った。
「あぁんんんん゛ん゛ん゛ん゛ん゛…んやっだっだめぇんん」
喘ぎ声からしてイグニス様がイッタのだと知る。
それでもグラキアス様は動き続けていた。
俺はいつまで見るんだ?と自問自答しながら見続け、グラキアス様がイッタのを確認すると石のように動かなかった足が動くようになった。
静かに扉を閉め、早足でその場を離れた。
用件を済ませ、個別室を通らないよう更に遠回りをして寮に戻った。
部屋に入り扉を閉めたのと同時にズボンとパンツを下ろし、自身を扱き始め扉に凭れ自身を追い詰めていく。
瞼を閉じると先程の個別室の光景が思い浮かび、イグニス様の声が頭の中で何度も繰り返される。
「イグニス様ぁ」
俺はイグニス様と口にしている自分に気付いていなかった。
その日から俺は自慰行為をする際、必ずあの時のイグニス様を思い出すようになってしまった。
俺はいつの間にか好みが変わっていた。
赤髪だったり、意思の強そうな瞳、少し口が悪い奴そんな奴を見ると興奮し口説いていた。
残念なことに、好みの奴にはライバルが多く存在していた。
俺と同じように「自分だけのイグニス様」を得ようとする奴らが急激に増え、卒業までの残り僅かな時間で口説き落とそうと皆が躍起になっていた。
たまたまだ、たまたま。
彼らは必ず朝の食堂、別れの教室前、昼休みの中庭、放課後の個別室で必ずキスをする。
そこに居合わせると見ることが出来る。
俺はいつも時間通りに行動したいので、食堂、教室前、中庭は目撃してしまう。
個別室は今まで見たことはなかった…が、今日初めて見てしまった。
噂で個別室は恋人達の部屋と聞いていたが見に行くことなんてしない。
本当ならばここを通ることはなかったが、いつも通る廊下が急遽補修工事が入り遠回りせざるを得なかった。
今まで興味もなく噂は知っていても確かめようとは考えていなかったのに、偶然通りかかり微かに喘ぎ声のようなものが聞こえると好奇心が押さえられなくなった。
恋人同士の二人きりの時間を覗くなんて貴族としてあるまじき行為。
いけないと自身に言い聞かせるも、足が扉に近付いて行ってしまう。
止められない己の弱さが憎い。
気がつけばドアノブに手を掛け扉を開いていた。
隙間から見える光景は、裸のイグニス様と上半身裸のグラキアス様だった。
イグニス様は普段美しい顔だが力強い目が印象的で人によってはキツイ印象を与えてしまう。
それでもグラキアス様と一緒にいると蕩けたような表情をするので、隠れファンが多数いた。
俺は…ファンとまでは言わないが、やはり見てしまうと目が離せななかった。
そんなイグニス様が今は、快感に支配され恍惚とした表情を見せている。
胸にグラキアス様の頭を抱えながら喘ぎ声を上げていた。
グラキアス様の動きにイグニス様の小さな身体も上下し、見えない下半身がどういう状態なのか理解させられた。
「あぁんアティイもっとぉんっんっんっんぁんんっ激しぃっんんっんすきぃ」
普段のイグニス様から考えられないような言葉が聞こえた。
覗いてはいけない、ここから離れなければいけない。
頭の片隅にはあるが、全く足が動かない。
俺の下半身は完全に二人に反応していた。
グラキアス様はイグニス様の足を抱え更に奥へと突き進んで行った。
「あぁんんんん゛ん゛ん゛ん゛ん゛…んやっだっだめぇんん」
喘ぎ声からしてイグニス様がイッタのだと知る。
それでもグラキアス様は動き続けていた。
俺はいつまで見るんだ?と自問自答しながら見続け、グラキアス様がイッタのを確認すると石のように動かなかった足が動くようになった。
静かに扉を閉め、早足でその場を離れた。
用件を済ませ、個別室を通らないよう更に遠回りをして寮に戻った。
部屋に入り扉を閉めたのと同時にズボンとパンツを下ろし、自身を扱き始め扉に凭れ自身を追い詰めていく。
瞼を閉じると先程の個別室の光景が思い浮かび、イグニス様の声が頭の中で何度も繰り返される。
「イグニス様ぁ」
俺はイグニス様と口にしている自分に気付いていなかった。
その日から俺は自慰行為をする際、必ずあの時のイグニス様を思い出すようになってしまった。
俺はいつの間にか好みが変わっていた。
赤髪だったり、意思の強そうな瞳、少し口が悪い奴そんな奴を見ると興奮し口説いていた。
残念なことに、好みの奴にはライバルが多く存在していた。
俺と同じように「自分だけのイグニス様」を得ようとする奴らが急激に増え、卒業までの残り僅かな時間で口説き落とそうと皆が躍起になっていた。
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