【完結】王子の婚約者をやめて厄介者同士で婚約するんで、そっちはそっちでやってくれ

リーヴェス アフェーレ

公爵と侯爵が出ていった後も、父と私は無言のまま部屋に居続けた。

「リーヴェス。」

「はい」

「…自分がどれ程の罪を犯したのか理解しているのか？」

「…はぃ」

「分かっていない゛。」

父は私の言葉を遮るように声を荒げた。

「…私は…」

「お前の事だ、先程の話し合いも理解できていないだろうからハッキリ伝える。アティランとの婚約の可能性は無い。例え今の婚約者と解消なろうと、お前が新たな婚約者に選ばれることは有りはしない。媚薬を盛られた相手がまともな判断などできるはずがないだろうが、何故分からないんだ。勘違いしているようだが公爵も侯爵もお前の話しを鵜呑みになどしていない。今回の事で、二家門からの支持は失くなったと思いなさい。」

「なっ何を言っているんですか？二人は私の言葉を…」

「止めろ、いい加減にしないか。黙認していたが、今回の件は見過ごせない。置かれた現状を理解するまで学園に通うことを禁ずる。…こうなる前にどうして…時間は沢山有っただろうが、今まで何をしていた？」

「…それはっ」

「あの平民を妾にでもするつもりだったのか？」

…っ。
平民の事も伝わっているのか？
だが私はあれを妾にすることもなければ、やましい関係でも無い。
あれが勝手に引っ付いているだけなのだから。

「あっあれはっ」

「学園パーティーで二年連続平民とダンスをしたようだな。」

「………っ」

知られてる…。

「アティランにはダンスもエスコートもしなかったな。」

「………」

反論なんて出来なかった。
全て事実だから…。

「それなのに婚約者に戻りたい？ふざけるなっ、長年グラキエス公爵家を愚弄しておきながらよくそんな言葉を言えたなっ。アティランが何も意義を申し立てないことを良いことに好き勝手しおって。王族の行いなど調べなくとも伝わってくる。公爵が今まで我慢していたのは、アティランが国の為に生きると決意していたからだ。その思いを叶えるべく何も言ってこなかったんだ、本来であれば婚約解消ではなく破棄を申し立てられていてもおかしくない。そんな事も理解できないのかお前はっ。」

「………」

「私はアティランを大事にしろと伝えた事を覚えているか？」

「………」

「暫くは部屋から出るな。」

…父は振り向く事なく部屋を出ていった。

私は…そんなに悪いことをしていたのか？
私だけが悪いのか？