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リーヴェス アフェーレ

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校外学習から数日立つと王宮にもアティランの属性について話が上がってきた。
元々優秀な二属性持ちだったのに火属性まで開花し、魔法の具現化にも成功し魔法省の人間達が興奮した様子で会話しているのが聞こえた。
盗み聞きするつもりはなくとも、あれだけ大きな声を出せば嫌でも聞こえる。
アティランが婚約者から抜け王宮務めも拒否していると噂になっていた為、魔法省が躍起になり出してアティランを率いれようとしていた。
今のところは記憶障害を理由に断られているが諦めるつもりはないと…。

アティランは記憶喪失になっても優秀だった。

優秀であれば側近になっても良いのでは?
王宮務めは拒否されたと聞いているが、諦めたくはない。

私の側にいてほしい。

その思いで公爵に手紙を送った。
これからはアティランがずっと側にいてくれると思うと、口許が緩んでしまう。
記憶の失ったアティランは感情豊かになり、エロティックで魅力的だ。
今のアティランにキスされたら私もあいつのように骨抜きにされてしまうだろう。

「アティランの…キス」

思わず唇に触れていた。
アティランに触れられたい。
あの綺麗な指で身体を撫でられたら、どんなに気持ちが良いだろうか。
肌と肌が触れ合い身体全体でアティランを感じたい。
アティランが相手なら私が子供を生むのに…。

早く公爵からの返事が来ないだろうが。

数日後公爵からの返事が来た。
胸を高鳴らせながら封を開けた。
生徒会も退会し教室も違い会う機会がほぼゼロになったが漸く会えるようになる。
これからは積極的に会話をしよう。
誕生日には贈り物をして、パーティーでは私がアティランをエスコートする。
そうだダンスもしよう。
今まで一緒にダンスもしたことなかったな。
きっとアティランはダンスも完璧なんだろう。
ダンスの後は控え室で二人きりになろう。
中庭ではアティランがあいつを乗せていたな…。
私がアティランに乗りたいが、身体が大きいから…アティランは私に乗ってくれるだろうか?
見るのは不快だが中庭での二人の光景…膝の上に乗せ唇を重ね合う姿は勉強になった。
アティランの初めてのキスは奪われたが、これからのアティランの唇は私のものだ。
あんなに身体を密着して座る座り方を知らなかったが、あんな風に座ったら興奮してしまう。
私の興奮が伝われば、きっとアティランもその気になってくれるはず。
アティラン…アティラン…アティラン。
未来に思いを馳せながら公爵からの手紙に目を通した。

「………」

何故だ?
理解できない。
いや、理解したくない。
何故なら、側近候補は辞退すると書いてあった。

王子の側近だぞ?

なりたくてもなれるものじゃない。
なのに何故?
その日から眠り方を忘れてしまった。
どうやったら眠れるんだ?
眠ろうとすると、中庭の二人の姿が脳裏に浮かび目が覚めてしまう。

「何故こうも上手く行かないっ」
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