【完結】王子の婚約者をやめて厄介者同士で婚約するんで、そっちはそっちでやってくれ

天冨七緒

文字の大きさ
上 下
106 / 177

舐めて治してやる

しおりを挟む
学園に戻る朝になっていた。
まだ眠っていたいが許されず、俺の腕の中で眠るエストレヤを見つめた。
一度許されてしまうとたがが外れたようにエストレヤの身体を求めていた頃に呆気なく戻ってしまった。
あれだけのことをしておきながら、外が明るくなるまで抱いた…。
どんな俺でも受け入れ求めてくるエストレヤに調子にのってしまい、寝たばかりだったが朝食のためエストレヤを起こした。

「んっんん…ァティ…」

「おはよっ…大丈夫か?」

「…ぅん……」

エストレヤは俺に何かを訴えるように視線を寄越した。

「エストレヤ?」

「アティィィ……キス…してくれないの?」

「…あぁ」

学園パーティー以前は目覚めたらキスしてたな。
隙有らばキスしてイチャついて、もしかしたら唇腫れてたのかもしれない。
ぷっくりと可愛いと思っていたが…あれって…。
可愛い唇のエストレヤに朝からそんなことを言われればまたしたくなるんだけど、エストレヤが求めているんだから良いんだよな?

覆い被さるようにするキスは逃げ場をなくしているので俺の好きなように出来るから好きだ。
存分にキスした後は首に移動して反応を見ながら胸にむしゃぶりつく。
数時間前までしていたので服は着ておらず簡単には胸に辿り着いてしまう。
唇が触れる度エストレヤの鼓動を感じる。

「アティ…遅れちゃうよ…。」

もっとイチャつきたくてこれからって時に止められるのは、小悪魔駆け引きめいたように見える。

…初めてエストレヤが憎くなった。
今はエストレヤから誘ったよな?なのに…。

「きゃんっぁ…アティ?」

エストレヤが可愛らしくもあるが憎くもあったので、仕返しとばかりに胸を噛んでいた。

「アティッ」

胸だけを執拗に攻め抗議のように名前を呼ばれたが無視し続け、赤く主張しだしても抱き締め逃げられないようにした。

逃げ場をなくしたエストレヤは助けを求めるように俺の頭を抱き締めていたが、耐えるために強く抱きしめれば余計自分を追い詰めるだけなのに…。

強く吸ったと思えば優しく舌で転がし、油断した時に突起を噛んで引っ張った。
何度も何度も繰り返した。
間近で見るエストレヤの胸が以前より膨らんだように見えるのは俺の勘違いじゃねぇだろ?

「ァ…ァティ」

漸く気持ちも収まったので胸を解放し、エストレヤを確認すると涙目で俺に抗議していた。

「…痛い…。」

「そんなに痛かったか?」

「ぅん。」

「ふっ、なら舐めて癒してやるよ。」

「…ぇっぁっだめっもっ大丈夫っぁっ。」

今度は転がすよう優しく舐め「アティィ」と俺を呼ぶのが嬉しい。
舐め終え確認すると先程よりも主張している胸に満足する。

「ここ可愛くなったな。」

揶揄うように言えば可愛らしく怒った表情をされ、プイッと顔を逸らし胸も隠されてしまった。
行動全部が可愛いな。

その後は二人とも服を着て食堂に向かった。
着替えている最中も気付いていたが、服の上からでもエストレヤの突起は目立っていた。
食堂へ向かう間もエストレヤの膨らんだ胸を摘まんで歩けば、使用人とすれ違うこともないのに俺にされていることを必死に隠そうとしていた。
エストレヤは拒絶の仕草や「だめ」「嫌」とは決して言わなかった。
食堂に入る前までは俺の好きなようにさせてくれるがそれは扉の前まで、扉を開けてしまえば胸から手を引いた。

扉を開けてもまだ誰もいなかった。

誰もとは父さんと母さんで使用人は既にテーブルセットも終え控えていたりと存在を消していた。

もうちょっとイチャつけたな。

二人が現れ食事になったが何となく察したことがあった。
両親の距離が…縮んでいるように感じる…もしかしたら、弟が出来るのもそう遠くないかも…そんな予感がする…多分きっと俺の予感は当たる。

「二人は今日学園に戻るんだな。」

「はい。」

「あの件は王族と話がついた。」

「………」

俺が再起不能となっている間、父さんが今回の件を処理してくれていた。
今回もだが、全面的にあちらに責任がある。
俺に対してもエストレヤに対しても。
エストレヤの件は、あの時謝罪させたがあれで終わりにしてよかったのだろうか?
もっと罰を与えないとあいつは今後も俺の居ないところでエストレヤに何か仕出かす可能性が有ったかも。

ん?

王族って言ったか?あいつではなく…王族?。
王族にあいつも入っているのか?
…なんかあいつ反省してないんじゃねぇの?

「王子は当分の間、学園を離れ王宮で過ごす事になった。」

「ふぅん…」

要は謹慎って事だな。
薬盛るような奴は退学になるのが普通だが、相手は王子…謹慎てのも結構頑張った方なんだよな?多分。

これで当分は静かに過ごせそうだな。
あいつって以前からこんなことしてたのか?
もっと早くに婚約解消するべきだったんじゃねぇの?
それか王位継承権の剥奪とかよ…向いてねぇだろあいつに王は…。

食事を終え、二人で一旦部屋に戻り学園に戻る荷物を手にした。
大した荷物はないが、香油が失くなりそうだったので多めに持っていくことにした。
馬車に乗り込むと両親や使用人が見送りに現れ、手を振り姿が見えなくなるとカーテンを閉めた。
カーテンを閉めた馬車の中の様子なんて言うまでもなくエストレヤの身体に触れていた。

「御者にバレないよう気をつけろよ。」

エストレヤに伝えるも言葉とは裏腹に敢えて激しく突いた。
やはり朝のキスのお強請りしておきながら一方的に止められたのを、俺はまだ根にもっていたらしい。
エストレヤは必死に口を押さえ堪えていたが、御者の真後ろの壁に押し付け喘がせた。

そうこうしているうち学園に着いてしまい、馬車を降りた。
御者を確認すると帽子で表情を隠し目を合わせようとしないことから、エストレヤの喘ぎ声は聞こえていたのだろう。
そんなこととは露知らずエストレヤは丁寧に「ありがとうございます」と御者に向かって感謝を述べていた。
侯爵家の使用人には言わないのだろうが、公爵家の馬車だったので伝えたようだ。
そう言うところは確りしてんだよな。
流石は侯爵家、教育が施されている。
あのおっさんが王子の第二夫人を目指せと言うくらいだから、ある程度は躾ていたのだろう。
おっさんには悪いが、大切に育てたエストレヤは俺がもらった。
御者は帽子を深くかぶり直しながら大きく頷いていた。
エストレヤの腰に腕を回しながら見せ付けるように二人で寮に戻り、疑問もなく俺の部屋へ行き風呂場に直行した。

エストレヤの身体を綺麗にするのは俺の役割で、エストレヤは喘ぎ声を風呂場中に響かせていたが挿入はしていない。
純粋に「綺麗」にする行為だった…エッチかどうかはエストレヤが決めることだが、俺は優しく…優しく…優しく洗ったに過ぎない。
浴槽に浸かっている間だけはエロい事をせずに抱き締めあい、風呂から上がりバスローブ姿で寛げばいつものように…。
しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。

重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。 あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。 よくある聖女追放ものです。

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。 1日2話ずつ投稿します。

【完結】失いかけた君にもう一度

暮田呉子
恋愛
偶然、振り払った手が婚約者の頬に当たってしまった。 叩くつもりはなかった。 しかし、謝ろうとした矢先、彼女は全てを捨てていなくなってしまった──。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

運命の番?棄てたのは貴方です

ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。 番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。 ※自己設定満載ですので気を付けてください。 ※性描写はないですが、一線を越える個所もあります ※多少の残酷表現あります。 以上2点からセルフレイティング

だから聖女はいなくなった

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」 レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。 彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。 だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。 キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。 ※7万字程度の中編です。

実家から絶縁されたので好きに生きたいと思います

榎夜
ファンタジー
婚約者が妹に奪われた挙句、家から絶縁されました。 なので、これからは自分自身の為に生きてもいいですよね? 【ご報告】 書籍化のお話を頂きまして、31日で非公開とさせていただきますm(_ _)m 発売日等は現在調整中です。

処理中です...