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飽きられたくない 捨てられたくない エストレヤ イグニス
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記憶喪失のグラキエス様。
もし記憶が戻ったら…僕は捨てられちゃうの?
そうなって欲しくないけど…そうなった時の事を考えると…。
「エストレヤ。」
僕を誘うように手を差し出される。
僕はこの手に逆らえない。
グラキエス様の手を取り、いつものように膝を跨いで座った。
僕の腰に両腕が回されグイッと引き寄せられ距離を縮まり、唇を重ねた。
いつまでも続いて欲しい。
僕は最低な願いをしてしまいそうになる。
グラキエス様の記憶が…。
「随分余裕だな?なに考えてるんだ?」
「へっ?」
「俺は余裕がないからエストレヤが全部受け止めてくれ?」
「あっ」
こっちの問題もあった。
だめ…なのに。
お父様が心配するくらい僕たちの関係は急すぎるのかもしれない。
「飽きられる」「捨てられる」お父様の言葉が頭にこびりついて離れない。
僕も考えないようにしていたけど、やっぱり皆そう思うんだ…。
止めないと…。
「だっめ…。」
「どうして?」
「んっ、だって…。」
「俺の事嫌いになっちゃった?それとも、触られたくない?」
「違うっそうじゃないのっ。」
「なら、侯爵に少しは控えろって言われたか?」
「えっ…あっと…。」
どうして分かっちゃったの?
何て応えていいのか迷う。
「そうなんだな。」
「…ぅん。」
いい返事が思い浮かばなかった。
「そんなの無理だろ…目の前に惚れた奴がいるのに我慢なんで出来るかよ。」
惚れた奴…きっと今はそこではないんだけど、その言葉が嬉しかった。
僕の事…忘れないでほしい。
「…だっけど…その…毎日だと…。」
「身体ツライか?」
「…ぅんん…平気。」
ちょっぴり嘘。
ツライと言うより、身体が重いというか…気怠いっていうのかな?
ベッドでゆっくりしていたくなるの…だけど、そんなこと言っちゃったらグラキエス様は「学園休もうぜ。」って言うと思うの。
僕の身体を心配してくれての言葉なのに、エッチな誘いって思っちゃうのは僕がエッチだからだと思う。
「なら良いだろ?」
「だめなの…。」
「どうして?」
「沢山し過ぎると…飽きちゃうから…。」
「エストレヤは俺に飽きてきたってこと?」
「えっえっえっちっちがっ僕じゃなくてグラキエス様がっ。」
「…俺がエストレヤにか?」
驚いた表情をされたが、僕の事…詰まらなくない?
「…ぅ…うん。」
「そんな事あるわけねぇだろ?」
「わっわかんないよ。」
「分かる、俺はエストレヤから離れらんねぇの…。」
離れ…僕もグラキエス様から離れられない。
「………。」
こてんと僕の肩にグラキエス様の頭が乗った。
「俺を疑うのか?」
頭を傾け甘えるように僕を見つめるグラキエス様。
グラキエス様の髪が擽ったいのに愛おしかった。
「…うんん。」
「なら、誓約書書くか?」
「えっ?」
誓約書?
「俺はエストレヤを生涯愛しぬく。例え万が一俺の記憶やエストレヤの身体との相性に不具合が生じたとしても、決して別れることはない…ってさ。」
記憶…。
それは記憶が戻っても僕を愛してくれるって事?
…でも誓約書なんて…無理矢理はいやだ…。
グラキエス様に強制したくない…。
「………。」
「書類で縛るのは嫌か?俺は全く気にならないが。」
「…僕は…グラキエス様の意思で…。」
「ん~…だったら、俺はこれからエストレヤ限定の奴隷になるってのは?」
「ぇっ?ドレイ?」
「そっ、ご主人様。」
「ご主人様…僕が?」
「そっ。」
「だめだよ。」
「どうしてですか?ご主人様。」
ご主人様呼びだけじゃなく、言葉使いまでも変わってしまった。
「だって、僕は侯爵家でグラキエス様は公爵家だから。」
「家門は関係ありません…私はエストレヤ様限定の奴隷です…何なりとご命令ください。」
「命令って…。」
「私にエッチな命令してください、ご主人様。」
「ぇっエッチな…。」
「私にどんなエッチして欲しいのか教えてください。」
「してほしいこと…。」
「はい、どのようなことでも致します。どのように俺に愛されたいですか?」
「愛され……なら…キ…ス…して。」
「畏まりました。」
ちゅっ
僕の願いが叶えられ…触れるだけの優しいキスをされた…。
もし記憶が戻ったら…僕は捨てられちゃうの?
そうなって欲しくないけど…そうなった時の事を考えると…。
「エストレヤ。」
僕を誘うように手を差し出される。
僕はこの手に逆らえない。
グラキエス様の手を取り、いつものように膝を跨いで座った。
僕の腰に両腕が回されグイッと引き寄せられ距離を縮まり、唇を重ねた。
いつまでも続いて欲しい。
僕は最低な願いをしてしまいそうになる。
グラキエス様の記憶が…。
「随分余裕だな?なに考えてるんだ?」
「へっ?」
「俺は余裕がないからエストレヤが全部受け止めてくれ?」
「あっ」
こっちの問題もあった。
だめ…なのに。
お父様が心配するくらい僕たちの関係は急すぎるのかもしれない。
「飽きられる」「捨てられる」お父様の言葉が頭にこびりついて離れない。
僕も考えないようにしていたけど、やっぱり皆そう思うんだ…。
止めないと…。
「だっめ…。」
「どうして?」
「んっ、だって…。」
「俺の事嫌いになっちゃった?それとも、触られたくない?」
「違うっそうじゃないのっ。」
「なら、侯爵に少しは控えろって言われたか?」
「えっ…あっと…。」
どうして分かっちゃったの?
何て応えていいのか迷う。
「そうなんだな。」
「…ぅん。」
いい返事が思い浮かばなかった。
「そんなの無理だろ…目の前に惚れた奴がいるのに我慢なんで出来るかよ。」
惚れた奴…きっと今はそこではないんだけど、その言葉が嬉しかった。
僕の事…忘れないでほしい。
「…だっけど…その…毎日だと…。」
「身体ツライか?」
「…ぅんん…平気。」
ちょっぴり嘘。
ツライと言うより、身体が重いというか…気怠いっていうのかな?
ベッドでゆっくりしていたくなるの…だけど、そんなこと言っちゃったらグラキエス様は「学園休もうぜ。」って言うと思うの。
僕の身体を心配してくれての言葉なのに、エッチな誘いって思っちゃうのは僕がエッチだからだと思う。
「なら良いだろ?」
「だめなの…。」
「どうして?」
「沢山し過ぎると…飽きちゃうから…。」
「エストレヤは俺に飽きてきたってこと?」
「えっえっえっちっちがっ僕じゃなくてグラキエス様がっ。」
「…俺がエストレヤにか?」
驚いた表情をされたが、僕の事…詰まらなくない?
「…ぅ…うん。」
「そんな事あるわけねぇだろ?」
「わっわかんないよ。」
「分かる、俺はエストレヤから離れらんねぇの…。」
離れ…僕もグラキエス様から離れられない。
「………。」
こてんと僕の肩にグラキエス様の頭が乗った。
「俺を疑うのか?」
頭を傾け甘えるように僕を見つめるグラキエス様。
グラキエス様の髪が擽ったいのに愛おしかった。
「…うんん。」
「なら、誓約書書くか?」
「えっ?」
誓約書?
「俺はエストレヤを生涯愛しぬく。例え万が一俺の記憶やエストレヤの身体との相性に不具合が生じたとしても、決して別れることはない…ってさ。」
記憶…。
それは記憶が戻っても僕を愛してくれるって事?
…でも誓約書なんて…無理矢理はいやだ…。
グラキエス様に強制したくない…。
「………。」
「書類で縛るのは嫌か?俺は全く気にならないが。」
「…僕は…グラキエス様の意思で…。」
「ん~…だったら、俺はこれからエストレヤ限定の奴隷になるってのは?」
「ぇっ?ドレイ?」
「そっ、ご主人様。」
「ご主人様…僕が?」
「そっ。」
「だめだよ。」
「どうしてですか?ご主人様。」
ご主人様呼びだけじゃなく、言葉使いまでも変わってしまった。
「だって、僕は侯爵家でグラキエス様は公爵家だから。」
「家門は関係ありません…私はエストレヤ様限定の奴隷です…何なりとご命令ください。」
「命令って…。」
「私にエッチな命令してください、ご主人様。」
「ぇっエッチな…。」
「私にどんなエッチして欲しいのか教えてください。」
「してほしいこと…。」
「はい、どのようなことでも致します。どのように俺に愛されたいですか?」
「愛され……なら…キ…ス…して。」
「畏まりました。」
ちゅっ
僕の願いが叶えられ…触れるだけの優しいキスをされた…。
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