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面倒なのが襲来
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「何をしているんだっ」
エストレヤと二人で幸せに寛いでいれば、怒鳴り声をあげながら近付いてくる男がいた。
「んぁ?」
確認すれば元婚約者の金髪野郎だった。
今日は一人か?
引っ付いてたピンク頭はどうした?
「ぁっ」
エストレヤは小さな声と共に身体を起こし、俺から離れようとしている。
「なにしてんだよ?」
「王子が来たから僕は…」
絶対爵位で生まれ生きてきた人間は王子を優先するのは身体に染み付いてるよな。
こんな金髪野郎…。
「気にすんなよ、エストレヤはこのまま。」
ぎゅっと抱きしめ、腕の中に閉じ込め目を瞑った。
俺の腕に捕らえられたのにどうにか抜け出せないかモゾモゾしていた。
「何してんだよ、逃げれば教室でお前を抱くからな。」
そう脅せばエストレヤは無抵抗となり静かに俺の腕に収まった。
「何している二人とも、早く離れろ。」
「んぁ?何でだよ?」
あぁ、こいつがいたんだっけ…。
「アティラン゛ここは学園だ、そんな事は許されない。」
なんでそんなにイラついてんだよ。
「学園で浮気してる奴に言われたくねぇよ。」
相手が反論できないような言葉を選んだ。
「…私は今は一人だっ。」
「あっ、婚約解消したもんなぁ」
「なっ…あれは…」
金髪の顔が一瞬悲哀に満ちた表情をした。
「俺たち他人なんだから関係ないだろ?」
「他…人…関係っ…」
婚約解消ってことはそう言うことだろ。
なに驚いてんだよ?
「それとよぉ、なんで俺の名前呼んでんの?」
「えっ?」
顔の整った金髪が脱け殻のようになった。
「俺たちは元婚約者で今は他人なんだ、気安く俺の名前を呼ぶな。」
「…ぁ…婚約解消は…本気なのか?」
こいつ…なんも聞かされてないのか?
堂々と浮気するくらいだから、重要な話し合いとか興味ねぇんだろうな。
「はぁ?本気もなにも、婚約解消成立してんだろうが。」
「………」
俺の腕の中で存在を消すように静かにしているエストレヤが可愛くて堪らない。
「エストレヤ」
耳元で囁けばビクッと反応し、視線が合う。
俺と金髪との会話に居場所を無くしていたんだろうな。
気まずい空気にしてごめんな。
「俺の事名前で呼べよ。」
「ぇっ」
「……何を言ってるんだっ、侯爵家の者が公爵家を気安く呼んでいいはずないだろうがっ」
まだいたのかコイツ。
エストレヤと会話してんのに入ってくんなよ。
「お前何言ってんだ?「学園でまで爵位を持ち出すな。」って俺に言ったの誰だよ?」
俺が記憶喪失になり一番始めにお前が言った言葉だ。
それは俺も同意見だと思う。
貴族って頑固っつうか融通が聞かないっつうか真面目すぎるよな。
「…そっれはっ」
おぉっ、お綺麗な顔が歪んでるな。
そんな悔しいなら突っ掛かってくんなよ。
お前はあのピンク頭とイチャついてろよ。
「エストレヤ」
「はぃっんっんぁんっ」
顎を取り口を塞いだ。
「いつか名前で呼べよ…ベッドの中で。」
「ぁっ」
エッチな雰囲気を出せば初心者のエストレヤにも伝わった。
俺たちがイチャついている間に金髪野郎の姿は去っていた。
「んっちゅっんあむっんふぅんっんちゅっ」
「そろそろ教室行くか?」
「ぅん」
エストレヤを教室に送り俺は自身の教室に戻った。
授業の合間合間にエストレヤとの婚約についての手紙を書き上げた。
放課後エストレヤを迎えに行く前に急いで事務局に俺の家…屋敷?に手紙を届けてもらった。
エストレヤと二人で幸せに寛いでいれば、怒鳴り声をあげながら近付いてくる男がいた。
「んぁ?」
確認すれば元婚約者の金髪野郎だった。
今日は一人か?
引っ付いてたピンク頭はどうした?
「ぁっ」
エストレヤは小さな声と共に身体を起こし、俺から離れようとしている。
「なにしてんだよ?」
「王子が来たから僕は…」
絶対爵位で生まれ生きてきた人間は王子を優先するのは身体に染み付いてるよな。
こんな金髪野郎…。
「気にすんなよ、エストレヤはこのまま。」
ぎゅっと抱きしめ、腕の中に閉じ込め目を瞑った。
俺の腕に捕らえられたのにどうにか抜け出せないかモゾモゾしていた。
「何してんだよ、逃げれば教室でお前を抱くからな。」
そう脅せばエストレヤは無抵抗となり静かに俺の腕に収まった。
「何している二人とも、早く離れろ。」
「んぁ?何でだよ?」
あぁ、こいつがいたんだっけ…。
「アティラン゛ここは学園だ、そんな事は許されない。」
なんでそんなにイラついてんだよ。
「学園で浮気してる奴に言われたくねぇよ。」
相手が反論できないような言葉を選んだ。
「…私は今は一人だっ。」
「あっ、婚約解消したもんなぁ」
「なっ…あれは…」
金髪の顔が一瞬悲哀に満ちた表情をした。
「俺たち他人なんだから関係ないだろ?」
「他…人…関係っ…」
婚約解消ってことはそう言うことだろ。
なに驚いてんだよ?
「それとよぉ、なんで俺の名前呼んでんの?」
「えっ?」
顔の整った金髪が脱け殻のようになった。
「俺たちは元婚約者で今は他人なんだ、気安く俺の名前を呼ぶな。」
「…ぁ…婚約解消は…本気なのか?」
こいつ…なんも聞かされてないのか?
堂々と浮気するくらいだから、重要な話し合いとか興味ねぇんだろうな。
「はぁ?本気もなにも、婚約解消成立してんだろうが。」
「………」
俺の腕の中で存在を消すように静かにしているエストレヤが可愛くて堪らない。
「エストレヤ」
耳元で囁けばビクッと反応し、視線が合う。
俺と金髪との会話に居場所を無くしていたんだろうな。
気まずい空気にしてごめんな。
「俺の事名前で呼べよ。」
「ぇっ」
「……何を言ってるんだっ、侯爵家の者が公爵家を気安く呼んでいいはずないだろうがっ」
まだいたのかコイツ。
エストレヤと会話してんのに入ってくんなよ。
「お前何言ってんだ?「学園でまで爵位を持ち出すな。」って俺に言ったの誰だよ?」
俺が記憶喪失になり一番始めにお前が言った言葉だ。
それは俺も同意見だと思う。
貴族って頑固っつうか融通が聞かないっつうか真面目すぎるよな。
「…そっれはっ」
おぉっ、お綺麗な顔が歪んでるな。
そんな悔しいなら突っ掛かってくんなよ。
お前はあのピンク頭とイチャついてろよ。
「エストレヤ」
「はぃっんっんぁんっ」
顎を取り口を塞いだ。
「いつか名前で呼べよ…ベッドの中で。」
「ぁっ」
エッチな雰囲気を出せば初心者のエストレヤにも伝わった。
俺たちがイチャついている間に金髪野郎の姿は去っていた。
「んっちゅっんあむっんふぅんっんちゅっ」
「そろそろ教室行くか?」
「ぅん」
エストレヤを教室に送り俺は自身の教室に戻った。
授業の合間合間にエストレヤとの婚約についての手紙を書き上げた。
放課後エストレヤを迎えに行く前に急いで事務局に俺の家…屋敷?に手紙を届けてもらった。
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