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俺のクラスは確か…

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エストレヤと別れDクラスへ向かうも、かなり注目を浴びていた。
エストレヤが俺のものだと印象付けるために態と目立つように振る舞い既成事実は作ったが同時に俺への注目度も上げてしまった。
後は婚約だよな~何かあれば手紙で知らせるようにって言われてたっけ?
連絡するか、エストレヤ イグニスと婚約するって。

…ヤベッ。
クラスには付いても席がわかんねぇ。
俺の席何処だ?

「なぁ、俺の席何処か分かる?」

近くにいた奴に尋ねた。
エストレヤよりかは大きいが俺より小さい、ダークブラウンの髪にグレーの瞳の奴。

「ぁっ、グラキエス様の席はあちらです。左から二番目の前から三番目です。」

「あぁ、どうも。」

長く会話するつもりもなく席に向かうも会話が続く。

「ぁっあの、記憶を失くされたのは本当ですか?」

上目遣いで聞いてくるのは背が低いから仕方ねぇのか…。
媚びてるように感じるのはコイツに悪いな、俺から聞いといて。

「んぁ?あぁ、みたいだな。」

「僕…デロベ オプトニールです。」

「んぁ、あぁそぅ」

同じクラスの奴だ覚えておくべきか…オプト…なんとか…聞いてなかった。

「もし何かあれば僕に聞いてくださいっ。」

「あぁ」

記憶をなくした人間に親切だな…記憶をなくしたから親切なのか?
オプト…ニール…ピンとこねぇ。
見渡す限り覚えてるような奴なんて一人もいねぇけど。
教えられた席に向かう。

「ずるいぞ」
「僕に聞いてください、僕は…」
「いやっ、僕に…」
「グラキエス様っ僕は…」

なんか煩ぇのが集ってきた。
なんだコイツ等?
…あっ、俺って金持ちだったっけ?
そう言うことな…。
面倒と感じコイツ等に応えることなく席に着いた。
それでも俺が声を掛けたことを目撃した人間が、たいした用もないのに声をかけてくる。
説明だったり学園について教えてくれんのは良いが、腕にまとわりついたり手を取られるのは鬱陶しい限りだ。
担任が現れ蜘蛛の子を散らすように消えはしたものの、獲物を狙うハンターの目で見られていたのは確かだ。
なんとなくだが、俺より小さい奴は近付き声をかけてくるがデカイ奴は遠巻きだったな。
授業の合間合間で代わる代わる来るのが目障りだ。
いい加減一人にさせろよ。
漸く昼食になったが、ここぞとばかりに「ご一緒しませんか?」「僕と一緒に」「僕が一番最初に声をかけたから僕だっ」と勝手な争いが生まれていた。
最終的には「グラキエス様大丈夫ですか?僕が寄り添いますよ?」と心配してる風で一歩リードしていると勘違いしている男がいる。
朝、俺が声を掛けてしまったオプトなんとかが引っ付いてきた。

「食堂の場所は分かってるから。」

無駄な争いをしている奴らを置き去りに、俺はBクラスへ向かった。
そこだけぽっかり穴が開いているように人が居らず見付けやすい。
今すぐにでも抱きしめたくなる後ろ姿だった。

「エストレヤ」

教室の後方の扉から声をかければ驚いた顔で振り向き、周囲の人間も同時に振り返るが、俺は一人にしか興味がなかった。

「ランチ行くぞっ」

「…はっはぃ」

パタパタと急いで俺のところに駆け寄る。
エストレヤの腰を抱き食堂に向かうも、その様子を周囲は驚きに満ちた目で見続けていた。
「気にしない」というのは無理だがエストレヤが側にいれば不快な視線にも耐えられた。
エストレヤを確認すれば、俺以上に視線を気にして小さいか身体を余計に小さくし俺の腕の中に収まっている。
今すぐエストレヤを抱きたい衝動に駆られるも食事を取っていない事が頭をよぎる。
俺だけなら構わないが、エストレヤも付き合わせることになる…。
俺の所為で居心地悪くさせてるのに、更に食事を抜かせるなんて出来ないな。
大人しく食堂に向かい席にエストレヤを座らせ待たせた。

「あの僕が…んっんっあむっんっんふっんぅぁんっん」

俺が二人分の食事を取りに行くと察知したのか「僕が取りに行く」と言いたそうな雰囲気だったので、キスに慣れていないエストレヤから強引に唇を奪った。呼吸を整えている間に離れれば、大人しく席で待っている。
立場的に?公爵家の俺に食事を取りに行かせることに躊躇いがあるんだろう。
んなもん、気にしなくて良いのに。

「お待たせっ。」

「ぃっいぇっ、ありがとうございます。」

周囲の視線と俺を使ってしまったことに耐えきれないって感じだな。

「御礼して欲しいなぁ。」

「…ぁっはぃっ」

素直に返事するエストレヤの頭の中には俺が今エロい事を考えてるなんて思ってないみたいだな。
こんな場所じゃなければ今すぐにでも裸にして噛み痕残すんだけどな。

「キスして」

「……ぇっ」

「エストレヤからキスして。」

注目されているのを利用し、周囲にも聞こえるようハッキリと伝えた。

「……」

「食事持ってきたご褒美が欲しい…くれよ。」

「…ご、ごほうび?」

「ちゃぁんと、「ご褒美」って言って俺にキスして。」

「ぼっ僕のキスは…ご褒美になるの?」

「ふっ、ご褒美だなっ。」

「………」

「エストレヤ、早く俺にご褒美くれよ。」

「…ぅんっ…」

下を向いて手を握りしめて気合いいれているのが分かる。
顔を上げれば、キスする前から顔を赤くしていた。

「……ごっ…ご褒美っ…ちゅっ」

触れるだけのエストレヤらしいキスだった…。
…なにも言わず笑顔でエストレヤに頷いた。
分かってたけど…足んねぇよ。
さっき教えたよな?もう忘れたのか俺とのキス。
エストレヤの頭を押さえて口に覆い被さった。
その際、食堂に悲鳴のような声が上がったが気にせず続けた。
止めようと俺の胸に手を付くエストレヤだが、全く抵抗になっていない。
唇が離れると再び呼吸を荒くしていた。
口を開けて呼吸する姿にエロさを感じてしまい、イタズラで首に噛みつけば焦りだした。

「ぁんっ、グ、グラキエスさまっ…だっめぇん」

エストレヤの焦った声を聞きながら首を舐め続けた。

ちゅっ

充分堪能し離れる間際にエストレヤがしたような可愛らしい…自分に可愛いとか気持ち悪ぃな…キスをした。

「ご褒美のお返し。」

耳元で囁き、席に座り食事を始める。
顔を真っ赤にさせながら、俺が噛んだ首を押さえているエストレヤに満足しながら放課後に思いを馳せた。

「………。」

いつまでも首を押さえているエストレヤをみていると…。
落ち着け俺…。

「…エストレヤ、食べないと夜持たないぞ。」

「…ぇっ…ぁ…」

俺の言葉の意味を正確に理解したのだろう、なんとも言えない表情で俺を見つめていた。

「ん?キスして欲しいのか?」

揶揄いの混じりに問いながら頭を撫でてやると、首を振られた。
あたふたしながら食事を始める姿に冷静さを奪われつつも、周囲の人間の視線で己を落ち着かせた。
あいつらとは違い俺を見ないように必死に食べるエストレヤにイタズラしたくなるのを押さえた。

…俺ってなんでこんなに浮かれてんだろ?
エストレヤが側にいんのが嬉しくて、色んなことをして困らせ俺を意識させて反応を確認したい。
好きな子をイジメるって感覚なのか?
食事を終え、教室には戻らず中庭でのんびりした。
当然エストレヤも一緒に。
中庭のペンチに座り、俺はエストレヤの椅子になっていた。
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