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私は小説とは違うの
私は小説とは違うの 十二/十四
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エミーリアの婚約宣言に居合わせた生徒は困惑する。
平民が誰と婚約しようと勝手だが、相手が王族となれば話は違う。
二人の関係は入学当初から噂になっていた。
婚約を宣言するのも卒業パーティーの恒例行事。
年に一組は婚約や破棄を宣言する者が現れると語り継がれている。
今回は……平民……と、王子。
「アルドロヴァンディ王子、エミーリア様とのご婚約おめでとうございます。私はリンドフスキー令息とは婚約いたしませんが、お二人の幸せを遠くから願っております」
婚約を宣言されたので祝いの言葉を贈る。
「いや、私は彼女と婚約するつもりは無い」
ルドヴィークの言葉に全員が驚愕する。
「なっ……何を言っているんですか? 私達は婚約するんです」
誰よりもルドヴィークの言葉に驚愕したのは婚約を宣言したエミーリア。
「私は一度も君に婚約を申し込んだことは無い」
周囲の「ええ”っ」という声にもならない声が聞こえた気がした。
彼らの気持ちは私にも分かる。
あれだけ堂々とルドヴィークとの婚約を宣言したのだから、二人の間ではそこまで話し合いが行われているものと思ってしまう。
それが、女性の……平民の一方的な宣言となれば驚愕という言葉では言い表せない。
ルドヴィークの返事にエミーリアがどんな反応を示すのか彼女に視線が集中する。
「はい、今日されるんですよねっ」
彼女はこれから王子に婚約されると自信に満ち溢れている。
自信満々な彼女の発言に私達は本当にルドヴィークはこれから彼女に婚約を宣言するのではないかと思えてしまう。
「エミーリア……」
「はいっ」
「私は……貴方と婚約……」
「はいっ喜んでっ」
彼女はルドヴィークの言葉を最後まで聞かずに先走って返事をし喜びを表現している。
「エミーリア、最後まで聞いてくれ。勘違いさせて申し訳ないが、私は君と婚約するつもりは無い」
「……えっ? ルドヴィーク? どうしちゃったの? 私達は婚約するのよ? 」
「エミーリア。もう一度言うが、私は君と婚約するつもりは無い」
「ルドヴィーク、今さらどうしちゃったのよ。私達が婚約する事はこの世界の幸せなのよ」
「世界の幸せ……私はそうは思わない。君は自身の思い描く理想を押し付けているだけで誰も幸せになっていない」
「これから幸せになるのよっ。まず始めがオフェリアとベルナルトの婚約なの。長年誤解していた二人を婚約させた事で私は感謝され、カラフィアート侯爵家の養女となり王家に嫁ぐの。そうなればカラフィアート侯爵家とリンドフスキー侯爵家から支持を受け私達の立場は強固なものになるの。それが貴族達にも伝わり、誰も私達を批判したりしなくなるのよ」
彼女の言葉は到底理解し難いものだった。
入学当初から親密だったルドヴィークとの婚約は納得しても、関係が良好でない私とベルナルトの婚約は難しい。
更には侯爵令嬢と令息を従える宣言。
忘れてはいけないが、エミーリアは平民だ。
いくらルドヴィークの恋人だからと言っても、彼女は平民だ。
彼女の発言には誰もが呆気にとられてしまい、言葉を失う。
そんな状況でも、彼女だけは謎の自信に満ち溢れている。
「エミーリア」
「はいっ」
「君の想像力にはいつも驚かされていた」
「んふっ、いえ」
客観的に見ていると、エミーリアの突拍子もない考えに賛同は出来ない。
出来ないのだが、あまりの自信に自分達の方が間違っているのかもしれないと思ってしまう。
令嬢の自信は謎の説得力を生む。
「何度も言っているが、君の妄想に周囲を巻き込むな。私は君と婚約するつもりは無いし、カラフィアート嬢もベルナルトと婚約する予定はないとしている」
「それは未来を知らないからです」
「君は未来を知っているというのか? 」
「はい。未来の私達は先程言ったようにオフェリアとベルナルトが婚約し、私がカラフィアート侯爵家の養女となり王家に嫁ぎ、ベルナルトとオフェリアは王家に尽くすのです。それに、ルドヴィークも私が助けたではありませんか」
「私がいつ助けられた? 」
「馬が暴走した時に私が助けました」
「それは、君が突然大声を上げたせいで驚いた馬が走りだしたんだ」
「確かに大声だったかもしれませんが、馬が暴れたのはそれが原因ではありません……他にもあるじゃないっほらっあの……展示用の絵画が無くなったのを発見したのも私です」
「それは展示場所の掃除をした際に、一時的に移動していた作品を戻し忘れた。その掃除をしていたのは君だろう」
「えっそんな……ほっ他にも新入生歓迎の花に問題があり急遽手配したのは私です。業者まで直接出向き、私が平民だから皆協力してくれたんですよ」
「花の保管所の水管理を怠ったのが原因だと分かっている。管理は誰がしていた? 」
「それは……私……ですが、それも私を陥れる為のものだと……」
「自身の失敗を全て他人に陥れられたと責任逃れしているようにしか見えない」
「どうして信じてくれないんですか? 私の責任じゃないのに……」
「以前嫌がらせを受けていたと言っていたな」
「……はぃ」
「私物の紛失や破損を訴えていたが、それも調査結果が出ている」
「あっ……それは……」
「それは……なんだ? 」
「その……紛失と破損は……私の勘違いでした」
「勘違い? 君は勘違いでカラフィアート嬢を犯人にしたのか? 」
「えっいや……その時は、そう思ったんです。色んな方から呼び出しを受け、皆さんカラフィアート様の名前を出されていたのでてっきりそうだと……ごめんなさい」
「では紛失と破損は何が原因だったんだ? 」
「……私の……不注意でした……」
彼女が自身の罪を認めたことで、今までの彼女の言葉は全て虚言なのだと思い始める。
「君は自身の不注意でありながら令嬢を犯人だと言ったのか? 」
「それは……ごめんなさい。私の早とちりでした」
「早とちりでは済まないぞ。相手は侯爵令嬢なんだ」
「それは差別発言です。私達は同じ学生です」
「あぁ、学生だ。だが、彼女は貴族であるのも事実。確固たる証拠もなく何故犯人だと決めつけた? 」
「それは、ごめんなさいって何度も謝っているじゃないですかっ」
入学当初あれほど親密だったルドヴィークがエミーリアに詰め寄る姿は意外でしかない。
「謝って済むことではない。君は人の話を聞かなすぎる」
「ルドヴィークだって私の話を聞いていないじゃない」
「話と言うのは、ベルナルトとカラフィアート嬢を婚約させ、カラフィアート侯爵の養女となり私と婚約するという妄想のことか」
「妄想ではありません。それが私達のハッピーエンドなんです」
「そんな未来、誰も望んでいない」
「どうしてっ、ルドヴィークは私の事を愛してないの? 」
「愛していない」
「……えっ? 」
面と向かって告げられた事でエミーリアは驚いた。
「一年の頃の君は、何事にもひた向きでそんな姿に惹かれていた時期はあった。だが二年になり君の発言に疑問を感じ、三年では自身の考えを貫く為に周囲を陥れる事までし始めた。今ではそんな君を愛するどころか、信用さえできない状態だ」
「……そんな……」
「もう一度はっきり言う。私は君と婚約するつもりは無い。それと、貴族の婚約に口出しする権利は君には無い。勘違いするな」
ルドヴィークが再度二つの婚約がない事を宣言する。
「皆、騒がせてしまったね。パーティーを始めよう」
あまりの出来事に本来は卒業生を祝うパーティーだということを忘れてしまっていた。
先程の事を振り払うよう、ルドヴィークは生徒達に宣言する。
会場内で座り込むエミーリアを認識しつつも、誰も振れない。
ルドヴィークの言葉通り、音楽が流れ卒業パーティーが始まる。
そしていつの間にかエミーリアの姿は消えていた。
平民が誰と婚約しようと勝手だが、相手が王族となれば話は違う。
二人の関係は入学当初から噂になっていた。
婚約を宣言するのも卒業パーティーの恒例行事。
年に一組は婚約や破棄を宣言する者が現れると語り継がれている。
今回は……平民……と、王子。
「アルドロヴァンディ王子、エミーリア様とのご婚約おめでとうございます。私はリンドフスキー令息とは婚約いたしませんが、お二人の幸せを遠くから願っております」
婚約を宣言されたので祝いの言葉を贈る。
「いや、私は彼女と婚約するつもりは無い」
ルドヴィークの言葉に全員が驚愕する。
「なっ……何を言っているんですか? 私達は婚約するんです」
誰よりもルドヴィークの言葉に驚愕したのは婚約を宣言したエミーリア。
「私は一度も君に婚約を申し込んだことは無い」
周囲の「ええ”っ」という声にもならない声が聞こえた気がした。
彼らの気持ちは私にも分かる。
あれだけ堂々とルドヴィークとの婚約を宣言したのだから、二人の間ではそこまで話し合いが行われているものと思ってしまう。
それが、女性の……平民の一方的な宣言となれば驚愕という言葉では言い表せない。
ルドヴィークの返事にエミーリアがどんな反応を示すのか彼女に視線が集中する。
「はい、今日されるんですよねっ」
彼女はこれから王子に婚約されると自信に満ち溢れている。
自信満々な彼女の発言に私達は本当にルドヴィークはこれから彼女に婚約を宣言するのではないかと思えてしまう。
「エミーリア……」
「はいっ」
「私は……貴方と婚約……」
「はいっ喜んでっ」
彼女はルドヴィークの言葉を最後まで聞かずに先走って返事をし喜びを表現している。
「エミーリア、最後まで聞いてくれ。勘違いさせて申し訳ないが、私は君と婚約するつもりは無い」
「……えっ? ルドヴィーク? どうしちゃったの? 私達は婚約するのよ? 」
「エミーリア。もう一度言うが、私は君と婚約するつもりは無い」
「ルドヴィーク、今さらどうしちゃったのよ。私達が婚約する事はこの世界の幸せなのよ」
「世界の幸せ……私はそうは思わない。君は自身の思い描く理想を押し付けているだけで誰も幸せになっていない」
「これから幸せになるのよっ。まず始めがオフェリアとベルナルトの婚約なの。長年誤解していた二人を婚約させた事で私は感謝され、カラフィアート侯爵家の養女となり王家に嫁ぐの。そうなればカラフィアート侯爵家とリンドフスキー侯爵家から支持を受け私達の立場は強固なものになるの。それが貴族達にも伝わり、誰も私達を批判したりしなくなるのよ」
彼女の言葉は到底理解し難いものだった。
入学当初から親密だったルドヴィークとの婚約は納得しても、関係が良好でない私とベルナルトの婚約は難しい。
更には侯爵令嬢と令息を従える宣言。
忘れてはいけないが、エミーリアは平民だ。
いくらルドヴィークの恋人だからと言っても、彼女は平民だ。
彼女の発言には誰もが呆気にとられてしまい、言葉を失う。
そんな状況でも、彼女だけは謎の自信に満ち溢れている。
「エミーリア」
「はいっ」
「君の想像力にはいつも驚かされていた」
「んふっ、いえ」
客観的に見ていると、エミーリアの突拍子もない考えに賛同は出来ない。
出来ないのだが、あまりの自信に自分達の方が間違っているのかもしれないと思ってしまう。
令嬢の自信は謎の説得力を生む。
「何度も言っているが、君の妄想に周囲を巻き込むな。私は君と婚約するつもりは無いし、カラフィアート嬢もベルナルトと婚約する予定はないとしている」
「それは未来を知らないからです」
「君は未来を知っているというのか? 」
「はい。未来の私達は先程言ったようにオフェリアとベルナルトが婚約し、私がカラフィアート侯爵家の養女となり王家に嫁ぎ、ベルナルトとオフェリアは王家に尽くすのです。それに、ルドヴィークも私が助けたではありませんか」
「私がいつ助けられた? 」
「馬が暴走した時に私が助けました」
「それは、君が突然大声を上げたせいで驚いた馬が走りだしたんだ」
「確かに大声だったかもしれませんが、馬が暴れたのはそれが原因ではありません……他にもあるじゃないっほらっあの……展示用の絵画が無くなったのを発見したのも私です」
「それは展示場所の掃除をした際に、一時的に移動していた作品を戻し忘れた。その掃除をしていたのは君だろう」
「えっそんな……ほっ他にも新入生歓迎の花に問題があり急遽手配したのは私です。業者まで直接出向き、私が平民だから皆協力してくれたんですよ」
「花の保管所の水管理を怠ったのが原因だと分かっている。管理は誰がしていた? 」
「それは……私……ですが、それも私を陥れる為のものだと……」
「自身の失敗を全て他人に陥れられたと責任逃れしているようにしか見えない」
「どうして信じてくれないんですか? 私の責任じゃないのに……」
「以前嫌がらせを受けていたと言っていたな」
「……はぃ」
「私物の紛失や破損を訴えていたが、それも調査結果が出ている」
「あっ……それは……」
「それは……なんだ? 」
「その……紛失と破損は……私の勘違いでした」
「勘違い? 君は勘違いでカラフィアート嬢を犯人にしたのか? 」
「えっいや……その時は、そう思ったんです。色んな方から呼び出しを受け、皆さんカラフィアート様の名前を出されていたのでてっきりそうだと……ごめんなさい」
「では紛失と破損は何が原因だったんだ? 」
「……私の……不注意でした……」
彼女が自身の罪を認めたことで、今までの彼女の言葉は全て虚言なのだと思い始める。
「君は自身の不注意でありながら令嬢を犯人だと言ったのか? 」
「それは……ごめんなさい。私の早とちりでした」
「早とちりでは済まないぞ。相手は侯爵令嬢なんだ」
「それは差別発言です。私達は同じ学生です」
「あぁ、学生だ。だが、彼女は貴族であるのも事実。確固たる証拠もなく何故犯人だと決めつけた? 」
「それは、ごめんなさいって何度も謝っているじゃないですかっ」
入学当初あれほど親密だったルドヴィークがエミーリアに詰め寄る姿は意外でしかない。
「謝って済むことではない。君は人の話を聞かなすぎる」
「ルドヴィークだって私の話を聞いていないじゃない」
「話と言うのは、ベルナルトとカラフィアート嬢を婚約させ、カラフィアート侯爵の養女となり私と婚約するという妄想のことか」
「妄想ではありません。それが私達のハッピーエンドなんです」
「そんな未来、誰も望んでいない」
「どうしてっ、ルドヴィークは私の事を愛してないの? 」
「愛していない」
「……えっ? 」
面と向かって告げられた事でエミーリアは驚いた。
「一年の頃の君は、何事にもひた向きでそんな姿に惹かれていた時期はあった。だが二年になり君の発言に疑問を感じ、三年では自身の考えを貫く為に周囲を陥れる事までし始めた。今ではそんな君を愛するどころか、信用さえできない状態だ」
「……そんな……」
「もう一度はっきり言う。私は君と婚約するつもりは無い。それと、貴族の婚約に口出しする権利は君には無い。勘違いするな」
ルドヴィークが再度二つの婚約がない事を宣言する。
「皆、騒がせてしまったね。パーティーを始めよう」
あまりの出来事に本来は卒業生を祝うパーティーだということを忘れてしまっていた。
先程の事を振り払うよう、ルドヴィークは生徒達に宣言する。
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