33 / 91
オマケの続き
皆が過保護過ぎる
しおりを挟む 犬も全身スッキリし、庭では庭師が殺虫剤を散布しているので屋敷内に移されている。
犬も先ほどまで暴れ吠え続けていて疲れたのか落ち着きを取り戻していた。
私はすっかり忘れていたがガウンの下は寝巻きなので、ジャネットに怒られながら着替えているが公爵は私が起きる前に仕事へ行っている。
私がきっと疲れているのだろうと使用人に伝え、起こさずに仕事に行ってしまっていたようだ。
公爵は呪いを気にして私との接触を控える傾向にあり、「食事も遠慮なく別々で構いませんから」と言われていたが、私から時間が合えば一緒に取る事を強引に約束していた…にも拘らず、私は寝坊した。
昨日も疲れて睡眠を優先してしまい一緒に食べられなかったのに、今日も公爵に会えなかった…
「私のバカっ」
何もすることがなく屋敷をうろうろしてしていると、犬が廊下を走っていた。
苦痛から解放されてた今は体を動かし足りないのか公爵家の長い廊下を男性の使用人が投げるボールを追いかけ行ったり来たりしている。
「あっ奥様…申し訳ありません。すぐにやめます」
使用人は私に気付き、犬との遊びをやめた。
私が「煩い」と苦情に来たと思ったのかもしれない。私ワガママ令嬢ですもんね…
「いいの、私も少し体を動かしたくて屋敷内を歩いているだけだから」
「でっては、奥様もやりますか?どうぞ」
使用人からボールを差し出される。
犬と遊ぶなんて初めての事でどうすれば良いのか悩みながらボールを受け取ってしまうと犬は「早くボールを投げて」と催促するように尻尾を振っている。
「い…行くよ?」
投げ方を知らない私のボールは、かなり手前で転がりで物足りなさを感じている犬が戻ってくる。
大きな犬が向かってくることに慣れていない私は、ボールを咥えて嬉しそうに駆けてくる犬に身体が硬直し後退る。私の予想に反して犬は賢く、私に飛びかかることはなく私の足元にボールを置いた。
「…優秀ですね」
「はいっそうなんです」
犬を褒められ、世話をしている使用人のが嬉しそうだ。
犬は飼い主に似るというが、世話をしている使用人にそっくりに見える。
ワンッ
私達が会話に夢中になってしまい、遊び足りない犬が催促してきた。
「今、投げるよ…あれ?」
犬は私の足元にボールを置いていたはずなのに、見当たらない…
周囲を探すとコロコロと転がっていた。
「おっと…奥様」
転がるボールを使用人が拾い、私に手渡した…
早くボールを投げてほしそうにする犬に負けて、再び下手な弧を描きボールが飛んでいく。
何度か繰り返すも私の投げ方は上達せずだった。
犬は文句など言わずに遊んでいるが、物足りないのでは?と思え使用人と変わった。
彼が投げるボールは速さも距離もあり、犬も楽しそうに見える。
彼らを眺めていると、慌てた様子のルーリが現れた。
「おっ…奥様っ」
「どうしたの、そんなに慌てて?」
「何ともないですか?お怪我は?ご気分は…?」
「えっ?なんともないけど…」
ルーリは、私が体調悪くして寝坊したと思っているのか過剰に心配している…それとも私が犬に襲われているように見えたのだろうか?
犬といるだけで、「お怪我は?」とは心配しすぎに感じる。もしかして、ルーリは過去に犬と嫌な思い出でもあるのだろうか?
「…奥様、そろそろお部屋に戻りませんか?」
「そうだね」
こんなにも心配してくれたルーリの言葉に従うことにした。
ルーリは過保護…いや、心配性なのかもしれない。
犬も先ほどまで暴れ吠え続けていて疲れたのか落ち着きを取り戻していた。
私はすっかり忘れていたがガウンの下は寝巻きなので、ジャネットに怒られながら着替えているが公爵は私が起きる前に仕事へ行っている。
私がきっと疲れているのだろうと使用人に伝え、起こさずに仕事に行ってしまっていたようだ。
公爵は呪いを気にして私との接触を控える傾向にあり、「食事も遠慮なく別々で構いませんから」と言われていたが、私から時間が合えば一緒に取る事を強引に約束していた…にも拘らず、私は寝坊した。
昨日も疲れて睡眠を優先してしまい一緒に食べられなかったのに、今日も公爵に会えなかった…
「私のバカっ」
何もすることがなく屋敷をうろうろしてしていると、犬が廊下を走っていた。
苦痛から解放されてた今は体を動かし足りないのか公爵家の長い廊下を男性の使用人が投げるボールを追いかけ行ったり来たりしている。
「あっ奥様…申し訳ありません。すぐにやめます」
使用人は私に気付き、犬との遊びをやめた。
私が「煩い」と苦情に来たと思ったのかもしれない。私ワガママ令嬢ですもんね…
「いいの、私も少し体を動かしたくて屋敷内を歩いているだけだから」
「でっては、奥様もやりますか?どうぞ」
使用人からボールを差し出される。
犬と遊ぶなんて初めての事でどうすれば良いのか悩みながらボールを受け取ってしまうと犬は「早くボールを投げて」と催促するように尻尾を振っている。
「い…行くよ?」
投げ方を知らない私のボールは、かなり手前で転がりで物足りなさを感じている犬が戻ってくる。
大きな犬が向かってくることに慣れていない私は、ボールを咥えて嬉しそうに駆けてくる犬に身体が硬直し後退る。私の予想に反して犬は賢く、私に飛びかかることはなく私の足元にボールを置いた。
「…優秀ですね」
「はいっそうなんです」
犬を褒められ、世話をしている使用人のが嬉しそうだ。
犬は飼い主に似るというが、世話をしている使用人にそっくりに見える。
ワンッ
私達が会話に夢中になってしまい、遊び足りない犬が催促してきた。
「今、投げるよ…あれ?」
犬は私の足元にボールを置いていたはずなのに、見当たらない…
周囲を探すとコロコロと転がっていた。
「おっと…奥様」
転がるボールを使用人が拾い、私に手渡した…
早くボールを投げてほしそうにする犬に負けて、再び下手な弧を描きボールが飛んでいく。
何度か繰り返すも私の投げ方は上達せずだった。
犬は文句など言わずに遊んでいるが、物足りないのでは?と思え使用人と変わった。
彼が投げるボールは速さも距離もあり、犬も楽しそうに見える。
彼らを眺めていると、慌てた様子のルーリが現れた。
「おっ…奥様っ」
「どうしたの、そんなに慌てて?」
「何ともないですか?お怪我は?ご気分は…?」
「えっ?なんともないけど…」
ルーリは、私が体調悪くして寝坊したと思っているのか過剰に心配している…それとも私が犬に襲われているように見えたのだろうか?
犬といるだけで、「お怪我は?」とは心配しすぎに感じる。もしかして、ルーリは過去に犬と嫌な思い出でもあるのだろうか?
「…奥様、そろそろお部屋に戻りませんか?」
「そうだね」
こんなにも心配してくれたルーリの言葉に従うことにした。
ルーリは過保護…いや、心配性なのかもしれない。
357
お気に入りに追加
6,632
あなたにおすすめの小説

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
本日、貴方を愛するのをやめます~王妃と不倫した貴方が悪いのですよ?~
なか
恋愛
私は本日、貴方と離婚します。
愛するのは、終わりだ。
◇◇◇
アーシアの夫––レジェスは王妃の護衛騎士の任についた途端、妻である彼女を冷遇する。
初めは優しくしてくれていた彼の変貌ぶりに、アーシアは戸惑いつつも、再び振り向いてもらうため献身的に尽くした。
しかし、玄関先に置かれていた見知らぬ本に、謎の日本語が書かれているのを見つける。
それを読んだ瞬間、前世の記憶を思い出し……彼女は知った。
この世界が、前世の記憶で読んだ小説であること。
レジェスとの結婚は、彼が愛する王妃と密通を交わすためのものであり……アーシアは王妃暗殺を目論んだ悪女というキャラで、このままでは断罪される宿命にあると。
全てを思い出したアーシアは覚悟を決める。
彼と離婚するため三年間の準備を整えて、断罪の未来から逃れてみせると……
この物語は、彼女の決意から三年が経ち。
離婚する日から始まっていく
戻ってこいと言われても、彼女に戻る気はなかった。
◇◇◇
設定は甘めです。
読んでくださると嬉しいです。
うそっ、侯爵令嬢を押し退けて王子の婚約者(仮)になった女に転生? しかも今日から王妃教育ですって?
天冨 七緒
恋愛
目覚めると王妃教育が始まる日。
婚約者の侯爵令嬢から、あの手この手で王子を奪った子爵令嬢に転生してしまいました。
子爵令嬢という立場では婚約者にはなれないので多少の教養を身に付けてから何処かの貴族に養子にという表向きの言葉を信じ今日から王妃教育が施されます。
実際は厳しくされ、逃げ出すよう仕向け王妃に気に入られている侯爵令嬢を婚約者に戻す計画のようです。
その後、子爵令嬢は王子を誑かした罪により自身に見合った職業、娼婦にされるという大人達の思惑。
目覚めるのが早ければ王子なんて手出さないのに。
手を出した後。
このままだと娼婦。
その道を避けるには、出来るだけ真面目に王妃教育をこなし王族の怒りをこれ以上買わないようにし静かに身を引く。
せめて追放ぐらいにしてくれたらその後は一人で生きていきます。
王宮では恥知らずの子爵令嬢を出迎える準備が整っていた。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。