【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

四章 物語は終盤へ

幸せ

あれからライは頻繁に王子と連絡を取り合い、リックが内容を検証している。

エドは弟のエヴァン様に学園の様子を聞いている…ペア授業時に誰がどんな反応したのかを詳しくとそれでどんな人物が近付いているのかを。

アレックスは魔法省にも顔を出しながら学園の教師を続けている…ある人物を監視しながら。

スティーヴンはレイモンド王子がら連絡がくる度に不満を隠さず顔にだして「あいつは利用すれば良いんだ」って罵りながらも「そんなに動いて王妃に気付かれんじゃねぇの？大丈夫なのかよ？」と心配していたりもする。

レノックは町の人達と人脈を作りながら商人として着実に成長しつつ、サンチェスター領内の動きには詳しくなっていた。
お母様の方も男爵夫人として生活していた時は人との会話を制限されていたらしいが、今では相手が平民だとか気にすることなく楽しそうに言葉を交わしていてかなりの情報通になっていた。

一方僕はといえば、八人の子供達のお世話で毎日がお祭り騒ぎで外出することなく引きこもり状態だ。
多くの方のお茶会やパーティーの招待状は来るものの全てをお断りしている。
周囲を警戒しているわけではないが、八人の子供達を置いて行くことは出来ないし僕を呼んでくれた方達の事を残念ながら誰一人記憶になかった。
貴族にとって社交は大事なのだが僕には難しく、逃げていた…が、子供達の為にも参加するべきでは？と旦那さん達に相談したところ「行く必要ない」と声を揃えて断られた。

それからアデルバード様やフランクリン様が沢山来てくれるようになったのと同時に僕への招待は無くなった。
きっと僕が招待を断るのが伝わって誘われなくなったんだと思う…。
断っておきながら来なくなると寂しいなんて僕って我が儘だな…。

うんん、これで良いんだ。

ベンジャミンの存在が知られてしまえば危険が増す。
魔法で髪の色を変えることも出来るが、幼い内に日常的に魔法に触れていると魔力酔いを起こし成長してからも敏感でいる可能性もあるらしい。
なので、屋敷に安易に人を招くこともないし外出もなるべく避けている。

百年前の獣人も沢山の旦那さんにこんな風に護ってもらっていたんだと思う。
窮屈に感じてしまえば辛いかもしれないが、僕は大好きな旦那様達とその赤ちゃん達に囲まれて幸せな日常を過ごしてる。



おわ