400 / 414
四章 物語は終盤へ
四日目
しおりを挟む
王子の腕の中で目覚め、それから王子と共に朝食を頂いた。
使用人が食事を運んでくれた際、魔力のある人と至近距離で会話が出来るまで王子は回復していた。
聞くつもりはなかったが「セド…ク………様」と聞こえ、きっとセドリック ハーヴィル様の事で報告を受けているんだと理解した。
王子の反応は首を振って拒否していた。
王子の様子で僕はもう用済みだと判断できた。
食事もそこまで多くはないが昨日よりも頂いているように見え、顔色も悪くない。
魔道具もダメでハーヴィル様との事は僕には出来ないが、王子が回復したのなら僕はもう帰っても良いよね?
食事を終え帰る事を仄めかしてみた。
「帰る前に父に挨拶をいいか?」
「はい」
そうだね、泊めてもらったのにご家族の方に挨拶なく帰るのは失礼だよね。
忙しい王様の予定に合わせ午後にご挨拶する時間を頂き、それまでは王子の部屋にお邪魔していた。
王子の体調が戻ったのを知ってか、何度も使用人が様子を見に来ていた。
「いや、会うつもりはない。」
どんな会話かは聞き取れなかったが王子の言葉だけはハッキリと聞こえた。
「会うつもりはない」って、やっぱりハーヴィル様?
僕が判断することじゃないけど、魔力酔いが解決していないなら急ぐのはよくないと思う…。
また、体調を崩しちゃうよ…。
「…どうした?」
「へっあっいえ…その…」
しまった…。
つい心配で王子様の事見すぎちゃった…。
「…言ってくれ。」
「あっえっと…無理しないでください。」
「…ん?」
「その…無理して会ってしまうと折角体調が回復したのに、また…」
悪くなっちゃう。
ハーヴィル様には申し訳ないけど、魔力酔いが解決していない今会うべきじゃないと思う…って僕が言うべきじゃなかったのかも…。
「…一緒に居てくれるのか?」
「僕…ですか?」
魔力酔いが起きたらって事だよね?
魔力のある人がお世話が出来ないならお世話できるのは魔力の無い僕だけ…。
「あぁ」
「…はぃ」
倒れてしまったら僕がお世話します…ですが、倒れないことを祈ります。
「なら、もう少しこの部屋に居てくれ。」
「はい」
やっぱりハーヴィル様が王子に会いたいって来ちゃってるんだ。
もしここまで来ちゃったら僕が対応するべきだよね。
緊張する…。
ハーヴィル様がここまでくるとは思わないけど…偶然会っちゃったりしたら…。
そうならない為の僕だよね?
誰もこの部屋に来ませんように…。
こんこんこん
来たっ。
ノックを聞いた瞬間身体がビクッと反応してしまった…。
「失礼いたします。」
部屋に訪れたのはハーヴィル様ではなく使用人だった。
「王妃様より、火急の要件が入ってしまった為に待たせてしまうと思うので少し時間をずらしてほしいとのことです。」
「ぁっ、僕は構いません。」
「ありがとうございます、こちら隣国から取り寄せた紅茶です。王妃様からのお詫びだそうです。」
忙しい王族に合わせるのは当然なので僕としては不満などはないが、緊張する時間が長引いてしまった。
長く居ればハーヴィル様が来るのでは?と不安が増す。
…もしや、火急の要件ってハーヴィル様だったりするのかな?
王子の体調不良の原因がハーヴィル様の光属性というのは王様達も報告を受けているはずだから…。
ここまでハーヴィル様が来るってことはないかな?
…けど、油断大敵だよね?
僕はいつ来るか分からないハーヴィル様に神経を尖らせていたので、自分を落ち着かせるために王妃様の紅茶と一緒に用意されたクッキーを頂いた。
使用人が食事を運んでくれた際、魔力のある人と至近距離で会話が出来るまで王子は回復していた。
聞くつもりはなかったが「セド…ク………様」と聞こえ、きっとセドリック ハーヴィル様の事で報告を受けているんだと理解した。
王子の反応は首を振って拒否していた。
王子の様子で僕はもう用済みだと判断できた。
食事もそこまで多くはないが昨日よりも頂いているように見え、顔色も悪くない。
魔道具もダメでハーヴィル様との事は僕には出来ないが、王子が回復したのなら僕はもう帰っても良いよね?
食事を終え帰る事を仄めかしてみた。
「帰る前に父に挨拶をいいか?」
「はい」
そうだね、泊めてもらったのにご家族の方に挨拶なく帰るのは失礼だよね。
忙しい王様の予定に合わせ午後にご挨拶する時間を頂き、それまでは王子の部屋にお邪魔していた。
王子の体調が戻ったのを知ってか、何度も使用人が様子を見に来ていた。
「いや、会うつもりはない。」
どんな会話かは聞き取れなかったが王子の言葉だけはハッキリと聞こえた。
「会うつもりはない」って、やっぱりハーヴィル様?
僕が判断することじゃないけど、魔力酔いが解決していないなら急ぐのはよくないと思う…。
また、体調を崩しちゃうよ…。
「…どうした?」
「へっあっいえ…その…」
しまった…。
つい心配で王子様の事見すぎちゃった…。
「…言ってくれ。」
「あっえっと…無理しないでください。」
「…ん?」
「その…無理して会ってしまうと折角体調が回復したのに、また…」
悪くなっちゃう。
ハーヴィル様には申し訳ないけど、魔力酔いが解決していない今会うべきじゃないと思う…って僕が言うべきじゃなかったのかも…。
「…一緒に居てくれるのか?」
「僕…ですか?」
魔力酔いが起きたらって事だよね?
魔力のある人がお世話が出来ないならお世話できるのは魔力の無い僕だけ…。
「あぁ」
「…はぃ」
倒れてしまったら僕がお世話します…ですが、倒れないことを祈ります。
「なら、もう少しこの部屋に居てくれ。」
「はい」
やっぱりハーヴィル様が王子に会いたいって来ちゃってるんだ。
もしここまで来ちゃったら僕が対応するべきだよね。
緊張する…。
ハーヴィル様がここまでくるとは思わないけど…偶然会っちゃったりしたら…。
そうならない為の僕だよね?
誰もこの部屋に来ませんように…。
こんこんこん
来たっ。
ノックを聞いた瞬間身体がビクッと反応してしまった…。
「失礼いたします。」
部屋に訪れたのはハーヴィル様ではなく使用人だった。
「王妃様より、火急の要件が入ってしまった為に待たせてしまうと思うので少し時間をずらしてほしいとのことです。」
「ぁっ、僕は構いません。」
「ありがとうございます、こちら隣国から取り寄せた紅茶です。王妃様からのお詫びだそうです。」
忙しい王族に合わせるのは当然なので僕としては不満などはないが、緊張する時間が長引いてしまった。
長く居ればハーヴィル様が来るのでは?と不安が増す。
…もしや、火急の要件ってハーヴィル様だったりするのかな?
王子の体調不良の原因がハーヴィル様の光属性というのは王様達も報告を受けているはずだから…。
ここまでハーヴィル様が来るってことはないかな?
…けど、油断大敵だよね?
僕はいつ来るか分からないハーヴィル様に神経を尖らせていたので、自分を落ち着かせるために王妃様の紅茶と一緒に用意されたクッキーを頂いた。
12
お気に入りに追加
2,865
あなたにおすすめの小説
うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。
春雨
BL
前世を思い出した俺。
外の世界を知りたい俺は過保護な親兄弟から自由を求めるために逃げまくるけど失敗しまくる話。
愛が重すぎて俺どうすればいい??
もう不良になっちゃおうか!
少しおばかな主人公とそれを溺愛する家族にお付き合い頂けたらと思います。
説明は初めの方に詰め込んでます。
えろは作者の気分…多分おいおい入ってきます。
初投稿ですので矛盾や誤字脱字見逃している所があると思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。
※(ある日)が付いている話はサイドストーリーのようなもので作者がただ書いてみたかった話を書いていますので飛ばして頂いても大丈夫だと……思います(?)
※度々言い回しや誤字の修正などが入りますが内容に影響はないです。
もし内容に影響を及ぼす場合はその都度報告致します。
なるべく全ての感想に返信させていただいてます。
感想とてもとても嬉しいです、いつもありがとうございます!
5/25
お久しぶりです。
書ける環境になりそうなので少しずつ更新していきます。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
やめて抱っこしないで!過保護なメンズに囲まれる!?〜異世界転生した俺は死にそうな最弱プリンスだけど最強冒険者〜
ゆきぶた
BL
異世界転生したからハーレムだ!と、思ったら男のハーレムが出来上がるBLです。主人公総受ですがエロなしのギャグ寄りです。
短編用に登場人物紹介を追加します。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
あらすじ
前世を思い出した第5王子のイルレイン(通称イル)はある日、謎の呪いで倒れてしまう。
20歳までに死ぬと言われたイルは禁呪に手を出し、呪いを解く素材を集めるため、セイと名乗り冒険者になる。
そして気がつけば、最強の冒険者の一人になっていた。
普段は病弱ながらも執事(スライム)に甘やかされ、冒険者として仲間達に甘やかされ、たまに兄達にも甘やかされる。
そして思ったハーレムとは違うハーレムを作りつつも、最強冒険者なのにいつも抱っこされてしまうイルは、自分の呪いを解くことが出来るのか??
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
お相手は人外(人型スライム)、冒険者(鍛冶屋)、錬金術師、兄王子達など。なにより皆、過保護です。
前半はギャグ多め、後半は恋愛思考が始まりラストはシリアスになります。
文章能力が低いので読みにくかったらすみません。
※一瞬でもhotランキング10位まで行けたのは皆様のおかげでございます。お気に入り1000嬉しいです。ありがとうございました!
本編は完結しましたが、暫く不定期ですがオマケを更新します!
【完結】白い塔の、小さな世界。〜監禁から自由になったら、溺愛されるなんて聞いてません〜
N2O
BL
溺愛が止まらない騎士団長(虎獣人)×浄化ができる黒髪少年(人間)
ハーレム要素あります。
苦手な方はご注意ください。
※タイトルの ◎ は視点が変わります
※ヒト→獣人、人→人間、で表記してます
※ご都合主義です、あしからず
俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします
椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう!
こうして俺は逃亡することに決めた。
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
【完結】僕の異世界転生先は卵で生まれて捨てられた竜でした
エウラ
BL
どうしてこうなったのか。
僕は今、卵の中。ここに生まれる前の記憶がある。
なんとなく異世界転生したんだと思うけど、捨てられたっぽい?
孵る前に死んじゃうよ!と思ったら誰かに助けられたみたい。
僕、頑張って大きくなって恩返しするからね!
天然記念物的な竜に転生した僕が、助けて育ててくれたエルフなお兄さんと旅をしながらのんびり過ごす話になる予定。
突発的に書き出したので先は分かりませんが短い予定です。
不定期投稿です。
本編完結で、番外編を更新予定です。不定期です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる