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四章 物語は終盤へ

目覚めれば…

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目覚めると恐ろしいほど、記憶がなかった。

フェロモンを全開に出してしまった気がする…のにレノックの性欲の方が勝っていたと思う…。

フェロモンが切れ記憶が正常になった三日目にも僕はレノックに抱かれ続け、声は枯れ腕を動かすことも出来ない中、受け入れ続けた。

これが彼の本気なのか、一年間溜め続けた性欲なのか分からない彼とのエッチに僕は全てを奪われた。

そして僕は自分の身体で分かることがあった。

妊娠してる…。

レノックは僕の身体に沢山キスして、まだしたそう…。
ごめんね、僕の体力がなくて。

獣人になったのにレノックの体力についていけないなんて…。

気怠い身体でレノックの頬を撫でて落ち着かせた。
僕の手に幸せそうに手を重ねる姿に愛おしさが込み上げる。
導くように求めれば唇が重なり…再び始まりそうに…。

「レノック?大切な話があるの。」

「何ですか?」

「…驚かないで聞いてほしいんだけど…僕ね…妊娠したと思うの…」

僕達は初めてなのに赤ちゃん出来たなんて知ったら、怖くなって逃げちゃうかな?
だけどね、三日間エッチして洗浄しないと僕の体は…妊娠しちゃうの。

「…俺の…子…」

「はい…僕って…その…妊娠しやすくて…」

獣人についてはまだ彼には黙っていた。
いつかは話さなきゃいけないことだけど…もう少しだけ…。

「本当にっ本当なんですねっ?」

「はいっ」

「すげぇ…嬉しい…です…ありがとうございますっ」

唇を塞がれたかと思えばキスは僕の身体に移動して、今は下腹部に何度もキスをしている。
こんなに突然だったにも関わらず受け入れるのを見ると彼もまた暖かい家族に憧れているのかも…。

「フィンコック様、何か欲しいものはありますか?」

「…お水…いただけますか?」

「はいっ待っていてください。」

僕も知らなかったけど、貴族はベルで使用人を呼ぶのに彼は急ぎ自分で取りに行ってくれた。
僕より逞しくて大人っぽく見えても年相応な姿を見ると可愛く思える。
慌てている中、パンツとズボンだけを履いてくれたのは良かった。
だけど背中にはぼくが付けたであろう引っ掻き傷が鮮明に残っていた。

僕ってあんな傷跡残しちゃってたんだ…もしかして皆にも付けてたりするのかな?

お水を持ったレノックと旦那様達が現れた。

水を飲ませてくれようと身体を起こされ、口元にコップが準備されるも飲めないくらい身体は疲れていた。
僕の様子から水が飲めないんだと察してくれたレノックが水を口に含み口移しで飲ませてくれた。

「…もっと」

水を貰ったのに僕の喉はまだ渇いていてキスが欲しいんじゃなく、純粋に水が欲しがった。

情事の痕を色濃く残す部屋で旦那様達に見られながら新たな婚約者と口移しで水を飲ませて貰い、彼に凭れると吸い込まれるように眠ってしまった。

多分だけど、僕はこの三日間レノックを求め?求められ続けたんだと思う。

僕の眠っている間にアレックスに診察されて赤ちゃんがいることが確定した。
僕のフェロモンを感じ取っていたので数日は部屋から出てこないのは想定済みで驚きはしたものの赤ちゃんが出来たことを理解してくれた。

スティーヴンだけはこれから一ヶ月僕を独占されることに不満があると怒っていた。

レノックは学園ではBクラス、魔力は多くAクラスでも通用するが器用ではないらしく使いこなせていないんだとか。
商人になるので、魔法より体力に重点を置いていたとか。
なので、アレックスとの魔力差を経験したことが有る僕としてはレノックとの魔力差は耐えられるだろうと判断された。

一週間レノックと二人きりで魔力を貰い続けていると、今までとは違い魔力が分裂しているような感覚だった。

お腹がぐるぐるとしだして…今までにない異変を感じ、急いでアレックスに見て貰うと二つの魔力の流れを感じたと。

それは双子を意味していた。

双子は初めてで楽しみでもあり、魔力を二人分と言うことで常にレノックに触れる生活をしていた。
レノックは本当に魔力を流すだけで、皆と違い常に下腹部をを温めるように魔力をくれる…。

もしかして皆僕にエッチな触り方をしていたのかな?

数日後には無事双子が生まれ、慌ただしい生活が始まった。
赤ちゃんを五人生んだが双子は違う大変さを味わっている。
二人は示し合わせたように同時に泣き出し僕が呼ばれるのでどちらに行くべきかを迷ってしまうと、ベテランの乳母に僕が叱られるという今までにない試練を迎えた。

そして双子の赤ちゃんはダークブランの髪色に瞳でまたしてもレノック似だった。
僕の遺伝子ってかなり弱いみたいで皆旦那様似でとっても可愛いっ。

名前はルーカスとレーン、可愛い双子。
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