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四章 物語は終盤へ
家族会議
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どうしてだろう…こういう日に限って家族の皆が揃ってしまった…。
ごめんなさいエルマー様…。
旦那様に囲まれて気まずいですよね…だって…僕は気まずいですから…。
ライ、アレックス、エド、リック、スティーヴンを前にすると何もなければ心強いが…今はとても後ろめたい…。
僕はまた旦那様を増やそうとしているし、それを皆も気付いている。
こんな日の食事は喉を通らない。
「シャルの夫のライアン サンチェスターだ。今は当主補佐この領地を納めている。」
誰よりも先に口を開いたのはライだった。
その後はアレックス、エド、リック、スティーヴンが名乗り僕の夫と主張した。
日本であれば理解できない光景だが皆は納得している。
そして、旦那様達は次の旦那様候補を見極めていた。
「俺の名前はレノック エルマー、男爵家の次男です。商人をしている家系ですが、俺は家を出るつもりなので平民になります。だからって皆さんに養ってもらおうとは思っていません。俺は一から商人になるつもりで、フィンコック様を利用するつもりはありません。」
「当然だっ」
シリクレッチ様の声を潜めるわけでもない言葉が過ぎていった。
「学年が違えば知っている情報も少ないと思うが、シャルを狙う貴族は多数存在する。重婚もその為と言える、理由を知ってしまえば離婚も簡単には出来ないし、裏切ることは俺達が許さない。」
ライが代表して彼の本心を探ってくれた。
「俺は、フィンコック様を裏切ることも離婚も考えていません。フィンコック様の為であれば命を懸けても構いません。」
どうして皆命を懸けたがるの?そんなの僕は求めてないよ?
僕は無様にでも皆で生き延びる方法を選んで欲しい。
悪者になったとしても皆と一緒なら構わないのに…。
「…エルマー…貴方はルゥといつから婚約したいと思っていたんですか?」
「…一年の終わり頃に伝えました。」
あっ…僕が隠していたのがバレた…。
「「「「………。」」」」
アレックスの質問に対してエルマー様より他の皆の方が構えてしまっていた。
エルマー様と出会ったのは確かライとペア継続後だったよね…出会った順番とかは関係なくても、婚約を考えると…。
「ぁっ」
「どうした?」
「…あっいえ…なんでも…。」
思わず声が出てしまったが、一番に婚約を申し込んでくれたのってエルマー様だった。学年が違うから先伸ばしにしてしまったが…もしかしたら僕の初めての旦那様はエルマー様だったんじゃ…。
「エルマー君がペア一年拒絶したのは…」
「はい、フィンコック様に誓いをたてました。」
「えっ?」
アレックスの言葉に耳を疑った…だって…。
そんなの僕、聞いてないよ?
皆が確認するように僕を見るが、僕は何一つ知らないので首を振るしか出来なかった。
「俺が勝手にしたことです。俺の本気を知ってもらいたかったので。」
「…そんなっ。」
男の人で思春期?で去年まで授業では定期的にしていたのに突然一年間禁欲だなんて…辛いはず。
それを我慢するなんてっ…。
「…一年。」
「本気かよ…。」
「………。」
「…あぁそぅ…。」
皆も一年間の禁欲が辛いのがわかるみたい。
「これって認めるしかないのか?」
スティーヴン様の諦めつつ確認する姿を見て皆もエルマー様を受け入れることに納得せざるを得ないように見えた。
「俺達はシャルを愛してる、困らせたい訳じゃない。なので最低限のルールがある。俺達といる時はシャルを独り占めしない、夫も子供達全員平等である、夜は必ず誰かしらがシャルと一緒に居ること一人にはさせない、順番は守る。当然互いの足は引っ張らないこと、これ等は最低限だ。守れるのか?」
「はいっ守ります。」
「…なら…俺は認める。」
目を瞑りながらライは頷いてくれた。
「何でだよっ」
シリクレッチ様は彼を否定した。
「俺達は貴族だ、王族から召集があった時拒否は出来ない。その時シャルを命懸けで守ってくらる人間は必要だ。平民だから動けることもある…それに商人って事は他国にもそれなりに人脈はあるんだろ?」
「はい。」
「万が一国を脱出となった時、情報を持っている奴が側にいた方がいい。」
「任せてください。独り立ちすると決めてから準備はしていたので多少はあります。」
エルマー様の瞳には力強さがあり、嘘を吐いているようには見えなかった。
「…しかたねぇなっ」
「そうだね。」
エドもリックも了承してくれた。
「私はルゥが納得しているのなら構いませんよ。」
「そうかよっ…順番…遠退くのかょ…」
アレックスは大人で…スティーヴンは納得するも子供みたいにいじけてるのが可愛かった。
「皆…ありがとうっ。」
今日からエルマー様とのお試し婚約期間が始まった。
一応、お互いを知り合ってから…合わないと感じたら婚約話は無効にすると言うことに決定した。
ごめんなさいエルマー様…。
旦那様に囲まれて気まずいですよね…だって…僕は気まずいですから…。
ライ、アレックス、エド、リック、スティーヴンを前にすると何もなければ心強いが…今はとても後ろめたい…。
僕はまた旦那様を増やそうとしているし、それを皆も気付いている。
こんな日の食事は喉を通らない。
「シャルの夫のライアン サンチェスターだ。今は当主補佐この領地を納めている。」
誰よりも先に口を開いたのはライだった。
その後はアレックス、エド、リック、スティーヴンが名乗り僕の夫と主張した。
日本であれば理解できない光景だが皆は納得している。
そして、旦那様達は次の旦那様候補を見極めていた。
「俺の名前はレノック エルマー、男爵家の次男です。商人をしている家系ですが、俺は家を出るつもりなので平民になります。だからって皆さんに養ってもらおうとは思っていません。俺は一から商人になるつもりで、フィンコック様を利用するつもりはありません。」
「当然だっ」
シリクレッチ様の声を潜めるわけでもない言葉が過ぎていった。
「学年が違えば知っている情報も少ないと思うが、シャルを狙う貴族は多数存在する。重婚もその為と言える、理由を知ってしまえば離婚も簡単には出来ないし、裏切ることは俺達が許さない。」
ライが代表して彼の本心を探ってくれた。
「俺は、フィンコック様を裏切ることも離婚も考えていません。フィンコック様の為であれば命を懸けても構いません。」
どうして皆命を懸けたがるの?そんなの僕は求めてないよ?
僕は無様にでも皆で生き延びる方法を選んで欲しい。
悪者になったとしても皆と一緒なら構わないのに…。
「…エルマー…貴方はルゥといつから婚約したいと思っていたんですか?」
「…一年の終わり頃に伝えました。」
あっ…僕が隠していたのがバレた…。
「「「「………。」」」」
アレックスの質問に対してエルマー様より他の皆の方が構えてしまっていた。
エルマー様と出会ったのは確かライとペア継続後だったよね…出会った順番とかは関係なくても、婚約を考えると…。
「ぁっ」
「どうした?」
「…あっいえ…なんでも…。」
思わず声が出てしまったが、一番に婚約を申し込んでくれたのってエルマー様だった。学年が違うから先伸ばしにしてしまったが…もしかしたら僕の初めての旦那様はエルマー様だったんじゃ…。
「エルマー君がペア一年拒絶したのは…」
「はい、フィンコック様に誓いをたてました。」
「えっ?」
アレックスの言葉に耳を疑った…だって…。
そんなの僕、聞いてないよ?
皆が確認するように僕を見るが、僕は何一つ知らないので首を振るしか出来なかった。
「俺が勝手にしたことです。俺の本気を知ってもらいたかったので。」
「…そんなっ。」
男の人で思春期?で去年まで授業では定期的にしていたのに突然一年間禁欲だなんて…辛いはず。
それを我慢するなんてっ…。
「…一年。」
「本気かよ…。」
「………。」
「…あぁそぅ…。」
皆も一年間の禁欲が辛いのがわかるみたい。
「これって認めるしかないのか?」
スティーヴン様の諦めつつ確認する姿を見て皆もエルマー様を受け入れることに納得せざるを得ないように見えた。
「俺達はシャルを愛してる、困らせたい訳じゃない。なので最低限のルールがある。俺達といる時はシャルを独り占めしない、夫も子供達全員平等である、夜は必ず誰かしらがシャルと一緒に居ること一人にはさせない、順番は守る。当然互いの足は引っ張らないこと、これ等は最低限だ。守れるのか?」
「はいっ守ります。」
「…なら…俺は認める。」
目を瞑りながらライは頷いてくれた。
「何でだよっ」
シリクレッチ様は彼を否定した。
「俺達は貴族だ、王族から召集があった時拒否は出来ない。その時シャルを命懸けで守ってくらる人間は必要だ。平民だから動けることもある…それに商人って事は他国にもそれなりに人脈はあるんだろ?」
「はい。」
「万が一国を脱出となった時、情報を持っている奴が側にいた方がいい。」
「任せてください。独り立ちすると決めてから準備はしていたので多少はあります。」
エルマー様の瞳には力強さがあり、嘘を吐いているようには見えなかった。
「…しかたねぇなっ」
「そうだね。」
エドもリックも了承してくれた。
「私はルゥが納得しているのなら構いませんよ。」
「そうかよっ…順番…遠退くのかょ…」
アレックスは大人で…スティーヴンは納得するも子供みたいにいじけてるのが可愛かった。
「皆…ありがとうっ。」
今日からエルマー様とのお試し婚約期間が始まった。
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