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二章 ハーレムルート
放課後…
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放課後になり猫さんがいる庭に向かえば既に彼がいた。
ライ達三人は校舎から、僕たちの事を離れて確認している…。
寮に戻るまで猫さんは彼が抱っこしていて、とても大人しい。
彼に顎をこちょこちょされてる猫は気持ち良さそうに目を細目眠ってしまいそうだ。
アドルフの魔力量は分からないけど赤ちゃんの頃は多くの者は微々たる量しかなく、成長毎に魔力量も増えるようだった。
ごく稀に生まれた瞬間から膨大な魔力を持って生まれる子もいるが、そういう場合制御できず屋敷を壊す恐れもある為に魔道具で封じてしまうとか。
無いのも大変だが、有りすぎるのもやはり危険らしい。
アドルフが生まれて魔力が暴走なんてことはない、きっとライと同じくらいの魔力量になるだろうと聞いた。
僕に似て魔力が無い場合は獣人の可能性があるが、アレックスが見たところ微量の魔力を感じたので、魔力に関してはライ似だろうと言われ安心した。
魔法の国ではやはり魔法は使いたいと思うはず。
もし使えないと分かったらきっと僕の事を恨むだろう…。
そんな思いをさせなくてよかった。
考え事をしていたら、寮についていた。
まだ部屋に入ることはせず、騎士の方には全員僕の部屋に移ってもらい、勿論乳母にもそうしてもらった。
確認の為に聞いたら乳母はかなりの魔力量をお持ちだとかで、凄い方だったらしい。
お父様はアドルフの為にとてつもなく優秀な方を乳母に招いてくれていた。
部屋にはアドルフだけになり、僕は急いで猫さんと彼を部屋に案内した。
アドルフは目覚めていて僕の作った人形の尻尾を握っていて、可愛い姿に頬が緩んでしまう。
「うふふ僕の赤ちゃんのアドルフだよ?可愛いでしょ?」
「…ほとんどサンチェスターだな…」
やっぱり、誰が見てもライ似で、大好きな人に似て良かった。
「うん、ライに似てるでしょ?ふふふ、可愛い。ねぇ、アドルフ?」
「…その…赤ん坊が握ってる黒いの何だ?」
「ん?人形の事?猫の人形だよ?僕が作ったの。可愛いでしょ?」
僕の力作の猫の人形。
「………ぶっ…あはははは、これ猫っ?猫?猫かよ?」
シリクレッチ様は急に声をだして笑いだした。
猫かよって、どういう意味?
見たまんま猫でしょ?
猫以外に何に見えるって言うの?
「…むっ、何処からどう見ても猫でしょ?皆はちゃんと猫って分かってくれたよ。」
「いや、これは無理だろっひひひー苦しい。笑ひ過ぎて苦ひい。」
苦しいと言いながらシリクレッチ様は涙まで浮かべて笑っていた。
「ん゛ーバカバカバカっ、猫を置いて出ていけー。」
「…悪かったよ…そんな大声だしたら猫も赤ん坊もビックリすんだろ?」
「…くっ…」
僕も大声をだしてしまった…悔しいが彼の言う通りだ。
「ほら、アドルフ?本物の猫だぞ?」
アドルフの目は猫に夢中で、猫もアドルフを見つめていた。
大丈夫かな?
喧嘩になったりしない?
猫はアドルフの頭や手の匂いを嗅ぎまくっていて、アドルフは手をグパーしながら反応を見せていた。
喧嘩や危ない行動はなくお互い自己紹介出来たようだった。
「んふふ、仲良くなれそうだね?」
「あぁ」
猫と赤ちゃんって最強の組み合わせだよね。
いつまでも見ていられる。
「ねぇ、また連れてきてくれる?」
「…良いのか?」
「だめ?…だよね。」
やっぱり猫さんにとっても自由に出来ない場所は好きじゃないよね…。
「…フィンコックはさぁ、俺の事どう思ってる?」
この質問はきっと人としてではなく婚約者としてだよね?
「…どう?…わっわかんない…まだ知らないことが多すぎて…。」
判断材料が無さすぎる…。
「ならお互いの事を知ったら、俺にもチャンスはあるか?」
「…わかんない…ごめんなさい。」
今すぐに答えを出せない自分の優柔不断さが嫌になる。
「…真剣に考えてはくれるんだよな?」
「…はぃ」
真剣には考えなくちゃいけないことだと思うから…。
「それだけで十分だ。ありがとうなっ」
「…ぅん」
本当にこれで良かったのかな?
「…フィンコック」
「ん?」
顔を彼に向けると「ちゅっ」と軽く唇が触れてしまった。
あっと思い離れると、悪戯好きの少年の様な笑みを浮かべた彼がいた。
ライ達三人は校舎から、僕たちの事を離れて確認している…。
寮に戻るまで猫さんは彼が抱っこしていて、とても大人しい。
彼に顎をこちょこちょされてる猫は気持ち良さそうに目を細目眠ってしまいそうだ。
アドルフの魔力量は分からないけど赤ちゃんの頃は多くの者は微々たる量しかなく、成長毎に魔力量も増えるようだった。
ごく稀に生まれた瞬間から膨大な魔力を持って生まれる子もいるが、そういう場合制御できず屋敷を壊す恐れもある為に魔道具で封じてしまうとか。
無いのも大変だが、有りすぎるのもやはり危険らしい。
アドルフが生まれて魔力が暴走なんてことはない、きっとライと同じくらいの魔力量になるだろうと聞いた。
僕に似て魔力が無い場合は獣人の可能性があるが、アレックスが見たところ微量の魔力を感じたので、魔力に関してはライ似だろうと言われ安心した。
魔法の国ではやはり魔法は使いたいと思うはず。
もし使えないと分かったらきっと僕の事を恨むだろう…。
そんな思いをさせなくてよかった。
考え事をしていたら、寮についていた。
まだ部屋に入ることはせず、騎士の方には全員僕の部屋に移ってもらい、勿論乳母にもそうしてもらった。
確認の為に聞いたら乳母はかなりの魔力量をお持ちだとかで、凄い方だったらしい。
お父様はアドルフの為にとてつもなく優秀な方を乳母に招いてくれていた。
部屋にはアドルフだけになり、僕は急いで猫さんと彼を部屋に案内した。
アドルフは目覚めていて僕の作った人形の尻尾を握っていて、可愛い姿に頬が緩んでしまう。
「うふふ僕の赤ちゃんのアドルフだよ?可愛いでしょ?」
「…ほとんどサンチェスターだな…」
やっぱり、誰が見てもライ似で、大好きな人に似て良かった。
「うん、ライに似てるでしょ?ふふふ、可愛い。ねぇ、アドルフ?」
「…その…赤ん坊が握ってる黒いの何だ?」
「ん?人形の事?猫の人形だよ?僕が作ったの。可愛いでしょ?」
僕の力作の猫の人形。
「………ぶっ…あはははは、これ猫っ?猫?猫かよ?」
シリクレッチ様は急に声をだして笑いだした。
猫かよって、どういう意味?
見たまんま猫でしょ?
猫以外に何に見えるって言うの?
「…むっ、何処からどう見ても猫でしょ?皆はちゃんと猫って分かってくれたよ。」
「いや、これは無理だろっひひひー苦しい。笑ひ過ぎて苦ひい。」
苦しいと言いながらシリクレッチ様は涙まで浮かべて笑っていた。
「ん゛ーバカバカバカっ、猫を置いて出ていけー。」
「…悪かったよ…そんな大声だしたら猫も赤ん坊もビックリすんだろ?」
「…くっ…」
僕も大声をだしてしまった…悔しいが彼の言う通りだ。
「ほら、アドルフ?本物の猫だぞ?」
アドルフの目は猫に夢中で、猫もアドルフを見つめていた。
大丈夫かな?
喧嘩になったりしない?
猫はアドルフの頭や手の匂いを嗅ぎまくっていて、アドルフは手をグパーしながら反応を見せていた。
喧嘩や危ない行動はなくお互い自己紹介出来たようだった。
「んふふ、仲良くなれそうだね?」
「あぁ」
猫と赤ちゃんって最強の組み合わせだよね。
いつまでも見ていられる。
「ねぇ、また連れてきてくれる?」
「…良いのか?」
「だめ?…だよね。」
やっぱり猫さんにとっても自由に出来ない場所は好きじゃないよね…。
「…フィンコックはさぁ、俺の事どう思ってる?」
この質問はきっと人としてではなく婚約者としてだよね?
「…どう?…わっわかんない…まだ知らないことが多すぎて…。」
判断材料が無さすぎる…。
「ならお互いの事を知ったら、俺にもチャンスはあるか?」
「…わかんない…ごめんなさい。」
今すぐに答えを出せない自分の優柔不断さが嫌になる。
「…真剣に考えてはくれるんだよな?」
「…はぃ」
真剣には考えなくちゃいけないことだと思うから…。
「それだけで十分だ。ありがとうなっ」
「…ぅん」
本当にこれで良かったのかな?
「…フィンコック」
「ん?」
顔を彼に向けると「ちゅっ」と軽く唇が触れてしまった。
あっと思い離れると、悪戯好きの少年の様な笑みを浮かべた彼がいた。
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