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二章 ハーレムルート
負けた
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皆にはバレてないけど、後ろめたさは続いている。
僕は合意してないから浮気じゃないと思ってる…けど、身体は触られているのは事実。
それ以上のエッチなことは無いけど…皆はどう思うかな…。
もし皆が僕以外の人と仲良く?触れあっていたら僕は悲しいし苦しい…。
どうすればこの関係が終わるのか僕には分からない…。
もう皆に隠し事は辛いよ…。
「フィンコック様?」
「へ?」
不意に呼ばれ振り替えればエドの弟のエイダン様がいた。
「大丈夫ですか?フラフラしてますよ?」
「ぁっ大丈夫大丈夫…アハハ」
後ろから声をかけてしまう程僕はフラフラしてたのかな?
気を付けないと…。
「…兄さんと何か有りました?」
「ふぇっエド?何にもないよ?エドとは仲良しだよ?」
「なら他の婚約者ですか?」
「ん?皆とも仲良いよ?」
「………。」
エイダン様の真っ直ぐな目が怖くて…僕の嘘がバレてしまいそうで…怖かった。
ここで助けを求めるべきなのかもしれない…けど…巻き込みたくない…。
「…僕もぅ行くね?」
「…はぃ」
僕は逃げるようにその場を離れ、助けを求めるように人気の無い場所へ向かっていた。
「にゃぁにゃぁ」
猫の鳴き声…。
僕は直感であの猫さんだと気付いて鳴き声の方へと早足で向かった。
ガサガサ
猫さん…いたっ…けど、浮気中だった…しかも相手があの人…。
僕の登場に猫さんと彼の視線が僕に向いた。
「あっ…ごめんにゃさい…。」
「…こっちに来れば?それとも俺が怖い?」
「…なっ…こっこわ…くないもん」
僕は簡単に挑発され、挑むように彼らの輪に入った。
猫さんは彼にとても懐いていて撫でられると気持ち良さそうに自ら彼の手にすり寄っていた。
…むっ。
僕の目の前で浮気するなんて…。
「猫さん僕の方においでぇ。」
彼から猫さんを奪うように誘った。
猫さんは困ったように僕達を見比べていた。
言葉が分かるのかな?
あまりに猫さんが動かないので、彼が猫さんを押し出すように僕に譲ってくれた。
その姿だけで猫さんは僕よりも彼のがお気に入りなのを知ってしまった…。
「猫さん…とはいつから親しいの?」
猫さんとじゃれながら尋ねた。
きっと僕の方が猫さんとの時間は濃いはず…。
「ん~入学してすぐだったな…」
「………。」
負けた…。
比べ物になら無いくらい負けた。
最近の僕では太刀打ちできない程の時間。
入学って…最近この人が僕と同じ最高学年でCクラスだっていうのを知った。
と言うことは、彼らは三年の仲だと言うことに…。
僕なんて多く見積もって数週間。
完璧に負けている。
「むっ」
「なんだよ?俺と猫の時間を奪っていたのはフィンコックだろ?」
「へっ?」
「猫を見かけない日が続いて心配で探してたらフィンコックとじゃれてた。」
「…あっ…えっと…それはその…」
僕が浮気相手だったのか…知らなかったとはいえ申し訳ない。
「学園にいる奴なんて魔力持ちで、至るところに魔力が溢れている。そんな場所に猫がいるのは危険だ…それに…貴族は野良の動物の持つ病気を恐れたり見た目が汚い、匂いは臭いって事で暴力を振るう奴もいるからな。」
「そんなっ酷いっ。」
「あぁ…だから探してたんだよ…。」
「そうなんだ…」
彼って意外に優しかったんだ…猫に対してだけは。
ずっと怖い人だと思ってた。
もしかして、僕が猫さん奪っちゃったから怒ってたのかな?
「ん?…けど、貴方も…魔力持ちでしょ?」
「…俺は…魔力はそこまで多くない…時間をかけて慣れていったからな。」
猫さんが慣れるのにはかなりの時間が必要だったはず…。
それが今ではとっても懐いてるってことは信頼関係が有るのかな?
彼は…いい人なの?
猫さんはチラチラと彼をみていた…やっぱり少し…羨ましい。
今日は彼に触れられることはなく別れた。
そんな日もあるんだ…。
これからはもう大丈夫かも…。
怖いって思いも無くなった、猫さんのお友だちみたいだから。
これってどうなんだろう?
僕が彼を受け入れちゃっていたら、これはもう立派な浮気だよね…。
猫さんと仲良い彼を嫌えなくなっている…。
そして今日もまたあの部屋へ向かっている。
部屋に入れば彼は既にソファに座って僕を待っていた。
今日もきっと足の間に座れってことなんだろうけど、前ほど恐怖はない。
猫さんに優しい人って知っちゃったからかな?
「…早く座れよ?」
「…うんっ」
僕は彼の足の間に座ると、後ろから抱きしめられる。
「…なぁフィンコック…俺も婚約者になって良い?」
「…ん?…どういう…事?」
彼の言葉の意味を理解できなかった…。
婚約者って言葉の意味は知っているよ?
ただ何故彼がそんな発言をするのか僕には理解できなかった。
僕達って今、どんな関係なの?
僕って脅迫?されてるんじゃなかったっけ?
「俺も…フィンコックと婚約してぇ…」
「ぇ?なに…言って…」
僕は今…口説かれてるの?
「俺もフィンコックの家族になりたい…」
家族…。
彼の言葉は本気なんだろうか?
僕、冗談とかよく分かんない…。
僕は何かに利用されようとしてるの?
公爵家を脅す何かとか?
だめ、全然答えが見つからない。
彼の真意を確認するためについ振り返ってしまった。
「………。」
彼の顔がとても近く、真剣な表情に冗談ではない事を理解したと同時にこの状況がよくないと直感した。
後頭部を押さえられ「キスされる」と思い、身体を捩り彼の胸を押し返すもびくともしない。
「んぁっ…」
彼の唇と重なっていた…というより唇を押し付けられた。
唇で挟み込むようにされるも、舌が入って来ることはなかった。
「なぁ、俺もフィンコックと一緒にいたい…駄目か?」
駄目…。
なんか、想像もしていなかったことで頭が追い付かない。
今、僕は婚約を求められているんだよね?
彼の寂しそうな瞳にキッパリと拒絶の言葉が出ない…。
「本気で考えて欲しい…」
「………。」
もっと早く皆に相談していたら…。
僕は合意してないから浮気じゃないと思ってる…けど、身体は触られているのは事実。
それ以上のエッチなことは無いけど…皆はどう思うかな…。
もし皆が僕以外の人と仲良く?触れあっていたら僕は悲しいし苦しい…。
どうすればこの関係が終わるのか僕には分からない…。
もう皆に隠し事は辛いよ…。
「フィンコック様?」
「へ?」
不意に呼ばれ振り替えればエドの弟のエイダン様がいた。
「大丈夫ですか?フラフラしてますよ?」
「ぁっ大丈夫大丈夫…アハハ」
後ろから声をかけてしまう程僕はフラフラしてたのかな?
気を付けないと…。
「…兄さんと何か有りました?」
「ふぇっエド?何にもないよ?エドとは仲良しだよ?」
「なら他の婚約者ですか?」
「ん?皆とも仲良いよ?」
「………。」
エイダン様の真っ直ぐな目が怖くて…僕の嘘がバレてしまいそうで…怖かった。
ここで助けを求めるべきなのかもしれない…けど…巻き込みたくない…。
「…僕もぅ行くね?」
「…はぃ」
僕は逃げるようにその場を離れ、助けを求めるように人気の無い場所へ向かっていた。
「にゃぁにゃぁ」
猫の鳴き声…。
僕は直感であの猫さんだと気付いて鳴き声の方へと早足で向かった。
ガサガサ
猫さん…いたっ…けど、浮気中だった…しかも相手があの人…。
僕の登場に猫さんと彼の視線が僕に向いた。
「あっ…ごめんにゃさい…。」
「…こっちに来れば?それとも俺が怖い?」
「…なっ…こっこわ…くないもん」
僕は簡単に挑発され、挑むように彼らの輪に入った。
猫さんは彼にとても懐いていて撫でられると気持ち良さそうに自ら彼の手にすり寄っていた。
…むっ。
僕の目の前で浮気するなんて…。
「猫さん僕の方においでぇ。」
彼から猫さんを奪うように誘った。
猫さんは困ったように僕達を見比べていた。
言葉が分かるのかな?
あまりに猫さんが動かないので、彼が猫さんを押し出すように僕に譲ってくれた。
その姿だけで猫さんは僕よりも彼のがお気に入りなのを知ってしまった…。
「猫さん…とはいつから親しいの?」
猫さんとじゃれながら尋ねた。
きっと僕の方が猫さんとの時間は濃いはず…。
「ん~入学してすぐだったな…」
「………。」
負けた…。
比べ物になら無いくらい負けた。
最近の僕では太刀打ちできない程の時間。
入学って…最近この人が僕と同じ最高学年でCクラスだっていうのを知った。
と言うことは、彼らは三年の仲だと言うことに…。
僕なんて多く見積もって数週間。
完璧に負けている。
「むっ」
「なんだよ?俺と猫の時間を奪っていたのはフィンコックだろ?」
「へっ?」
「猫を見かけない日が続いて心配で探してたらフィンコックとじゃれてた。」
「…あっ…えっと…それはその…」
僕が浮気相手だったのか…知らなかったとはいえ申し訳ない。
「学園にいる奴なんて魔力持ちで、至るところに魔力が溢れている。そんな場所に猫がいるのは危険だ…それに…貴族は野良の動物の持つ病気を恐れたり見た目が汚い、匂いは臭いって事で暴力を振るう奴もいるからな。」
「そんなっ酷いっ。」
「あぁ…だから探してたんだよ…。」
「そうなんだ…」
彼って意外に優しかったんだ…猫に対してだけは。
ずっと怖い人だと思ってた。
もしかして、僕が猫さん奪っちゃったから怒ってたのかな?
「ん?…けど、貴方も…魔力持ちでしょ?」
「…俺は…魔力はそこまで多くない…時間をかけて慣れていったからな。」
猫さんが慣れるのにはかなりの時間が必要だったはず…。
それが今ではとっても懐いてるってことは信頼関係が有るのかな?
彼は…いい人なの?
猫さんはチラチラと彼をみていた…やっぱり少し…羨ましい。
今日は彼に触れられることはなく別れた。
そんな日もあるんだ…。
これからはもう大丈夫かも…。
怖いって思いも無くなった、猫さんのお友だちみたいだから。
これってどうなんだろう?
僕が彼を受け入れちゃっていたら、これはもう立派な浮気だよね…。
猫さんと仲良い彼を嫌えなくなっている…。
そして今日もまたあの部屋へ向かっている。
部屋に入れば彼は既にソファに座って僕を待っていた。
今日もきっと足の間に座れってことなんだろうけど、前ほど恐怖はない。
猫さんに優しい人って知っちゃったからかな?
「…早く座れよ?」
「…うんっ」
僕は彼の足の間に座ると、後ろから抱きしめられる。
「…なぁフィンコック…俺も婚約者になって良い?」
「…ん?…どういう…事?」
彼の言葉の意味を理解できなかった…。
婚約者って言葉の意味は知っているよ?
ただ何故彼がそんな発言をするのか僕には理解できなかった。
僕達って今、どんな関係なの?
僕って脅迫?されてるんじゃなかったっけ?
「俺も…フィンコックと婚約してぇ…」
「ぇ?なに…言って…」
僕は今…口説かれてるの?
「俺もフィンコックの家族になりたい…」
家族…。
彼の言葉は本気なんだろうか?
僕、冗談とかよく分かんない…。
僕は何かに利用されようとしてるの?
公爵家を脅す何かとか?
だめ、全然答えが見つからない。
彼の真意を確認するためについ振り返ってしまった。
「………。」
彼の顔がとても近く、真剣な表情に冗談ではない事を理解したと同時にこの状況がよくないと直感した。
後頭部を押さえられ「キスされる」と思い、身体を捩り彼の胸を押し返すもびくともしない。
「んぁっ…」
彼の唇と重なっていた…というより唇を押し付けられた。
唇で挟み込むようにされるも、舌が入って来ることはなかった。
「なぁ、俺もフィンコックと一緒にいたい…駄目か?」
駄目…。
なんか、想像もしていなかったことで頭が追い付かない。
今、僕は婚約を求められているんだよね?
彼の寂しそうな瞳にキッパリと拒絶の言葉が出ない…。
「本気で考えて欲しい…」
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