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二章 ハーレムルート

最悪の秘密

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平穏な日常を過ごしていたはずなのに僕は突然知らない人に空き教室に連れ込まれてしまった。

「ぁっぁの…」

「フィンコックはさぁ…あれ…王子とはどんな関係なの?」

「おっ王子様?」

「そっ」

この人は僕のことが嫌いというより王子に興味があるのかな?
もしかしてハーヴィル様の為に王子に付きまとう僕を?

「王子様とはなんの関係もありません?」

「…あんなところで胸舐められていたのに、なんの関係もないの?」

「………」

あんなところ…見られてたっ。

この人は今僕を脅そうとしているんだ…。

「胸…感じてたよね?」

「きゃっん…やっんんっ」

突然男に胸を鷲掴みされ男を押し返しても力では敵わなかった。
目の前の人はライやエドよりかは小さいがリックと同じくらいで、僕とは全然体格が違う。

「フィンコックって…子供産んだのか?」

「…っ…」

学生が子供を産んだなんて貴族社会では噂のまとになる…ましてやそれがシャルマンだった場合は尚更皆面白半分に騒ぎ立てるに違いない。

「ふぅん」

「…もぅ…やめて…」

男は僕の胸から手を離さないどころがずっと揉んで揄しんでいた。

「なぁ、俺にも舐めさせて。」

「へっやっそれは…だめ…」

「なんで?それで王子を落としたんだろう?」

「違う…そうじゃないの、あの時は…。」

「…あの時は何?」

「………」

何て言おう…王子が魔力酔いで空腹で倒れて母乳を~なんて言えない。
知らない人に王子の秘密を喋ったりして事件になったら…。
どうしよう…。

「なんだよ?」

「…ぼ…僕が…」

「ん?」

「…胸が…張って…苦しくて…助けて貰った…の…」

「………ふぅん」

「………」

信じてくれたかな?

「俺は産んだことないから分からないがそうなのかもな…」

「ぅっうん…そうなのっ王子様が助けてくれただけで、その後は無いから…」

お願い僕の嘘を信じて。

「なら、俺にも飲ませて。」

「…へっ?」

「それで王子との関係は黙っててやるから、飲ませて。」

「…のむ?」

飲むって母乳をだよね?
非常事態でもなく同意した上で飲んで貰うの?
始めて会った人に…。

「気持ち良さそうな顔してたよな?」

「してないっ」

「自分の顔見えないからだろ?」

「…そんなっ」

「まぁあのフィンコックが出産してたって話したら皆驚くだろうな…それだけでも良い話題にはなるよな…それにやっぱり獣人の噂は本当だったんだな?」

「………」

「じゃなきゃこんな簡単に短時間で子は出来ないからな。いくら子を宿しやすい体質でも、ちょっと無理があるよな。」

獣人についても…。

どうしよう…どうしよう…どうしよう…。
もう混乱しすぎてまともに考えられない。

「バレたくないんだろ?」

彼は断定していないが、赤ちゃんを産んだとこと僕が獣人であることも知られたくない秘密だというのを認識していた。

「…ぃ…言わないで…くれますか?」

この台詞を吐く時は…負けた時。

「あぁ」

「…分かりました…」

震える手でジャケットの前を開きシャツのボタンを外し、僕は相手から顔を背けて胸を露にした。

「ん~なぁ「僕の母乳飲んで」って俺にお願いして。」

「…っ…」

男の要求に従いたくはないが、僕には逃げ道がなかった。

「ぼ…くの…ぼ乳…のっ…んで…」

「ふふ」

腰に腕を回され胸を口で覆われた。

ライ…アレックス…エド…リック…アドルフ…ごめんなさい。

僕には皆に知られたくない最悪の秘密が出来てしまった。
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