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二章 ハーレムルート

噂 とばっちりのセドリック ハーヴィル

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ハーヴィルが気になっている生徒、伯爵令息三人の会話。

「ハーヴィルって本当に凄いよな。」

「光魔法だろ?」

「湖で助けて貰ったあいつが至るところで吹聴してるからなぁ。」

「ペアになったのも大分前なのに未だに話してるよな。」

「今のペアが少し気の毒だけどな。」

「まぁな。ハーヴィルの今のペアは侯爵家の奴か…」

「以前は王子だったよな。」

「あぁ、突然変わったんだろ?」

「フィンコックだったよな…表向きはフィンコックからペアについて交代の打診をしたなんて強がってるみたいだけど、実際は王子が拒絶したんだろ?」

「んで、ハーヴィルが王子のペアに抜擢された。」

「その経緯もあって王子もハーヴィルにだけは気を配ってるっていうか、フィンコックから嫌がらせめいた事をされないか気にしてるようだったな。」

「えっ?でもこの前は一人にしてくれって言われてたんだろ?」

「それは体調が悪くて一人になりたいって意味だろ?」

「いや、俺その場に居たけどあれはハーヴィルに言ったんじゃなく、少し離れた場所にいたフィンコックに言ったんだと思う。」

「えっ?そうなの?フィンコックも居たのか?」

「あぁ、王子を追いかけてたんだろ?そんでハーヴィルに先を越され王子の「一人に~」って言った後フィンコックに視線を送っていたように見えたんだ。」

「それなら納得だわ。」

「だとするとハーヴィルも可哀想だな。」

「いや、ハーヴィルなら分かってくれるって思ったんじゃねぇ?」

「それが出来る程の信頼関係があるって事か…。」

「…まさか、王子…ハーヴィルを側室に迎え入れる気か?」

「………。」

「それ…あるかもな。」

「婚約申し込んでも無理かぁ…」

「…かなりの競争率だな…。」

本来であればハーヴィルは男爵家、伯爵家からの婚約の打診は断れるものではない。だが、彼は光魔法の使い手と言うことで入学早々かなり注目され、爵位を越えて婚約話が持ち上がっていると予想が出来る。決して早い者勝ちではなく、男爵もかなり吟味しているのだろう…。
以前までだったらこの程度に違いない。だが、ここに来て新たな展開が起きた。

総合大会のあの事故でハーヴィルの力が開花したのでは?と目撃した生徒達から広まり出したからだ。

そして、最近では王子と一緒にいるのを頻繁に目撃されだしたのだ。

主にハーヴィルから王子に接近しているんだが、王子も拒むことがなかった。
そのことで王族もハーヴィルの魔力について興味を持ち初めたんだろうと思っていた矢先、再びのフィンコックだった。
問題児、暴走貴族、いずれ「世界は僕のためにある」とか本気で言い出すんじゃないか?と言われていた自分勝手過ぎる令息。

今の学園では王子の次に権力のある家門だ。

婚約者が決まってから大人しくなったと思えば、また王子の周囲をうろちょろしだした。
今まで誰にでも平等で特別扱いなどしていなかった王子がハーヴィルに対してだけは特別のように見えたのだろう…自分も~と安易に行動に移し出したのだろう。
結果「一人にしてくれ」とハーヴィルを通して間接的に王子は言ったつもりでも、あのフィンコックに伝わっているのかは謎だった。
あれだけ他人を認めていない人間が間接的に言われたぐらいでは理解しないだろう…はっきりと直接言わなければあれには…。

だが、その日以来王子の体調に変化が見て取れた。

要因としてはフィンコックが王子から身を引いたことしか考えられない。そしてハーヴィルが王子を守るように隣を占領するようになっていた。

やはり、王子の体調を崩した原因はフィンコックだったようだ。

第三者から見れば明らかなことなのに本人だけは一切気付いていない。
それでもフィンコックが王子に付きまとうことがなくなったので俺達も安心した。
王子の事を思って等という感情ではなく、王族の直径である第一王子が倒れた等となれば確実に貴族は分裂し無駄な争いが起きる…いや無駄ではないが血が流れる等というのは避けられるのであれば避けたい事だ。
伯爵家とはいえ高位貴族に分類される者としては国の事を真剣に考えなければならない。
領地を預かる貴族としては当主になる前から次期国王や周囲の貴族に目を向けるのは当然だ。
フィンコック家は嫡男のドミニク様が継がれる。
シャルマンの方は婚約者達の何処かに嫁ぐのだろう…それだけが救いだ。
貴族社会に直接影響が出る程のことは出来ないだろう。

四人の婚約者に常に確りと監視して欲しいものだ。

ハーヴィルの話をしていたはずなのに、何故か話題はフィンコックになっていた。
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