316 / 414
二章 ハーレムルート
噂 とばっちりのセドリック ハーヴィル
しおりを挟む
ハーヴィルが気になっている生徒、伯爵令息三人の会話。
「ハーヴィルって本当に凄いよな。」
「光魔法だろ?」
「湖で助けて貰ったあいつが至るところで吹聴してるからなぁ。」
「ペアになったのも大分前なのに未だに話してるよな。」
「今のペアが少し気の毒だけどな。」
「まぁな。ハーヴィルの今のペアは侯爵家の奴か…」
「以前は王子だったよな。」
「あぁ、突然変わったんだろ?」
「フィンコックだったよな…表向きはフィンコックからペアについて交代の打診をしたなんて強がってるみたいだけど、実際は王子が拒絶したんだろ?」
「んで、ハーヴィルが王子のペアに抜擢された。」
「その経緯もあって王子もハーヴィルにだけは気を配ってるっていうか、フィンコックから嫌がらせめいた事をされないか気にしてるようだったな。」
「えっ?でもこの前は一人にしてくれって言われてたんだろ?」
「それは体調が悪くて一人になりたいって意味だろ?」
「いや、俺その場に居たけどあれはハーヴィルに言ったんじゃなく、少し離れた場所にいたフィンコックに言ったんだと思う。」
「えっ?そうなの?フィンコックも居たのか?」
「あぁ、王子を追いかけてたんだろ?そんでハーヴィルに先を越され王子の「一人に~」って言った後フィンコックに視線を送っていたように見えたんだ。」
「それなら納得だわ。」
「だとするとハーヴィルも可哀想だな。」
「いや、ハーヴィルなら分かってくれるって思ったんじゃねぇ?」
「それが出来る程の信頼関係があるって事か…。」
「…まさか、王子…ハーヴィルを側室に迎え入れる気か?」
「………。」
「それ…あるかもな。」
「婚約申し込んでも無理かぁ…」
「…かなりの競争率だな…。」
本来であればハーヴィルは男爵家、伯爵家からの婚約の打診は断れるものではない。だが、彼は光魔法の使い手と言うことで入学早々かなり注目され、爵位を越えて婚約話が持ち上がっていると予想が出来る。決して早い者勝ちではなく、男爵もかなり吟味しているのだろう…。
以前までだったらこの程度に違いない。だが、ここに来て新たな展開が起きた。
総合大会のあの事故でハーヴィルの力が開花したのでは?と目撃した生徒達から広まり出したからだ。
そして、最近では王子と一緒にいるのを頻繁に目撃されだしたのだ。
主にハーヴィルから王子に接近しているんだが、王子も拒むことがなかった。
そのことで王族もハーヴィルの魔力について興味を持ち初めたんだろうと思っていた矢先、再びのフィンコックだった。
問題児、暴走貴族、いずれ「世界は僕のためにある」とか本気で言い出すんじゃないか?と言われていた自分勝手過ぎる令息。
今の学園では王子の次に権力のある家門だ。
婚約者が決まってから大人しくなったと思えば、また王子の周囲をうろちょろしだした。
今まで誰にでも平等で特別扱いなどしていなかった王子がハーヴィルに対してだけは特別のように見えたのだろう…自分も~と安易に行動に移し出したのだろう。
結果「一人にしてくれ」とハーヴィルを通して間接的に王子は言ったつもりでも、あのフィンコックに伝わっているのかは謎だった。
あれだけ他人を認めていない人間が間接的に言われたぐらいでは理解しないだろう…はっきりと直接言わなければあれには…。
だが、その日以来王子の体調に変化が見て取れた。
要因としてはフィンコックが王子から身を引いたことしか考えられない。そしてハーヴィルが王子を守るように隣を占領するようになっていた。
やはり、王子の体調を崩した原因はフィンコックだったようだ。
第三者から見れば明らかなことなのに本人だけは一切気付いていない。
それでもフィンコックが王子に付きまとうことがなくなったので俺達も安心した。
王子の事を思って等という感情ではなく、王族の直径である第一王子が倒れた等となれば確実に貴族は分裂し無駄な争いが起きる…いや無駄ではないが血が流れる等というのは避けられるのであれば避けたい事だ。
伯爵家とはいえ高位貴族に分類される者としては国の事を真剣に考えなければならない。
領地を預かる貴族としては当主になる前から次期国王や周囲の貴族に目を向けるのは当然だ。
フィンコック家は嫡男のドミニク様が継がれる。
シャルマンの方は婚約者達の何処かに嫁ぐのだろう…それだけが救いだ。
貴族社会に直接影響が出る程のことは出来ないだろう。
四人の婚約者に常に確りと監視して欲しいものだ。
ハーヴィルの話をしていたはずなのに、何故か話題はフィンコックになっていた。
「ハーヴィルって本当に凄いよな。」
「光魔法だろ?」
「湖で助けて貰ったあいつが至るところで吹聴してるからなぁ。」
「ペアになったのも大分前なのに未だに話してるよな。」
「今のペアが少し気の毒だけどな。」
「まぁな。ハーヴィルの今のペアは侯爵家の奴か…」
「以前は王子だったよな。」
「あぁ、突然変わったんだろ?」
「フィンコックだったよな…表向きはフィンコックからペアについて交代の打診をしたなんて強がってるみたいだけど、実際は王子が拒絶したんだろ?」
「んで、ハーヴィルが王子のペアに抜擢された。」
「その経緯もあって王子もハーヴィルにだけは気を配ってるっていうか、フィンコックから嫌がらせめいた事をされないか気にしてるようだったな。」
「えっ?でもこの前は一人にしてくれって言われてたんだろ?」
「それは体調が悪くて一人になりたいって意味だろ?」
「いや、俺その場に居たけどあれはハーヴィルに言ったんじゃなく、少し離れた場所にいたフィンコックに言ったんだと思う。」
「えっ?そうなの?フィンコックも居たのか?」
「あぁ、王子を追いかけてたんだろ?そんでハーヴィルに先を越され王子の「一人に~」って言った後フィンコックに視線を送っていたように見えたんだ。」
「それなら納得だわ。」
「だとするとハーヴィルも可哀想だな。」
「いや、ハーヴィルなら分かってくれるって思ったんじゃねぇ?」
「それが出来る程の信頼関係があるって事か…。」
「…まさか、王子…ハーヴィルを側室に迎え入れる気か?」
「………。」
「それ…あるかもな。」
「婚約申し込んでも無理かぁ…」
「…かなりの競争率だな…。」
本来であればハーヴィルは男爵家、伯爵家からの婚約の打診は断れるものではない。だが、彼は光魔法の使い手と言うことで入学早々かなり注目され、爵位を越えて婚約話が持ち上がっていると予想が出来る。決して早い者勝ちではなく、男爵もかなり吟味しているのだろう…。
以前までだったらこの程度に違いない。だが、ここに来て新たな展開が起きた。
総合大会のあの事故でハーヴィルの力が開花したのでは?と目撃した生徒達から広まり出したからだ。
そして、最近では王子と一緒にいるのを頻繁に目撃されだしたのだ。
主にハーヴィルから王子に接近しているんだが、王子も拒むことがなかった。
そのことで王族もハーヴィルの魔力について興味を持ち初めたんだろうと思っていた矢先、再びのフィンコックだった。
問題児、暴走貴族、いずれ「世界は僕のためにある」とか本気で言い出すんじゃないか?と言われていた自分勝手過ぎる令息。
今の学園では王子の次に権力のある家門だ。
婚約者が決まってから大人しくなったと思えば、また王子の周囲をうろちょろしだした。
今まで誰にでも平等で特別扱いなどしていなかった王子がハーヴィルに対してだけは特別のように見えたのだろう…自分も~と安易に行動に移し出したのだろう。
結果「一人にしてくれ」とハーヴィルを通して間接的に王子は言ったつもりでも、あのフィンコックに伝わっているのかは謎だった。
あれだけ他人を認めていない人間が間接的に言われたぐらいでは理解しないだろう…はっきりと直接言わなければあれには…。
だが、その日以来王子の体調に変化が見て取れた。
要因としてはフィンコックが王子から身を引いたことしか考えられない。そしてハーヴィルが王子を守るように隣を占領するようになっていた。
やはり、王子の体調を崩した原因はフィンコックだったようだ。
第三者から見れば明らかなことなのに本人だけは一切気付いていない。
それでもフィンコックが王子に付きまとうことがなくなったので俺達も安心した。
王子の事を思って等という感情ではなく、王族の直径である第一王子が倒れた等となれば確実に貴族は分裂し無駄な争いが起きる…いや無駄ではないが血が流れる等というのは避けられるのであれば避けたい事だ。
伯爵家とはいえ高位貴族に分類される者としては国の事を真剣に考えなければならない。
領地を預かる貴族としては当主になる前から次期国王や周囲の貴族に目を向けるのは当然だ。
フィンコック家は嫡男のドミニク様が継がれる。
シャルマンの方は婚約者達の何処かに嫁ぐのだろう…それだけが救いだ。
貴族社会に直接影響が出る程のことは出来ないだろう。
四人の婚約者に常に確りと監視して欲しいものだ。
ハーヴィルの話をしていたはずなのに、何故か話題はフィンコックになっていた。
22
お気に入りに追加
2,877
あなたにおすすめの小説

Promised Happiness
春夏
BL
【完結しました】
没入型ゲームの世界で知り合った理久(ティエラ)と海未(マール)。2人の想いの行方は…。
Rは13章から。※つけます。
このところ短期完結の話でしたが、この話はわりと長めになりました。

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。


身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!
冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。
「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」
前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて……
演技チャラ男攻め×美人人間不信受け
※最終的にはハッピーエンドです
※何かしら地雷のある方にはお勧めしません
※ムーンライトノベルズにも投稿しています

俺の親友がモテ過ぎて困る
くるむ
BL
☆完結済みです☆
番外編として短い話を追加しました。
男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ)
中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。
一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ)
……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。
て、お前何考えてんの?
何しようとしてんの?
……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。
美形策士×純情平凡♪

そんなの真実じゃない
イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———?
彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。
==============
人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

春を拒む【完結】
璃々丸
BL
日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。
「ケイト君を解放してあげてください!」
大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。
ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。
環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』
そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。
オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。
不定期更新になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる