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二章 ハーレムルート
セドリック ハーヴィルについて
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セドリック ハーヴィルという生徒について…。
彼は男爵家で爵位は貴族の中で一番低いが、そんなハンデをものともしない強みがあった。
それは彼が珍しい光属性の持ち主ということ。
入学し属性検査で判明して以来、彼の存在は目立っていた。
光魔法もだが彼自身の可愛らしさが多くの人の心を惹き付けた。
誰に対しても優しく笑顔に癒されると噂だった。
ペアになった幸運な者達は「彼とペアを変わりたくない」と周囲に漏らしていたが継続されることはなかった。
それは互いに同じ気持ちではないからだ。
媚薬の検査においても彼はその他大勢とは違った反応を見せた。
催淫効果までとはいわないが自白の効果が出で、その後はすぐに眠ってしまった。
それだけでも十分といえた。
その事もあり、次第にハーヴィルのペアの相手は高位貴族に絞られていった。
きっと光魔法を高位貴族に取り入れるために裏取引があったに違いない。
彼と同じ立場の者達は男爵程度の人間が高位貴族とばかりペアになるのはおかしいと囁き、ペアが可能な者達はどうにか彼をものに出来ないかご機嫌とりになりだした。
そしてある日突然事態は急変した。
男爵である彼のペアが王子に変更。
その事実に様々な憶測が飛び交っていた。
王子のペアに問題があり急遽変更になった。
王子がペア交代を希望した。
王族が光魔法を望んだ。
教師が王族に媚を売った。
男爵家が金を積んだ。
はっきりいってしまうと全てが考えられた。
特に一番初めの王子のペアに問題ありなんて、同学年の者で知らない人間はいないだろう。
過激で苛烈、我が儘で手を焼くだけでなぐ公爵家という後ろ楯を持っている。
誰も彼には逆らうことが出来なかったし手懐けるなんてもっての他、関わらないのが一番だと結論を出していた。
彼自身に問題がなければもっと早くに王子のペアになっていたのに最終学年まで待たされたのだから、本人自身にその事に気付き性格を見直してほしいという教師からの無言のアピールだったに違いない。
それでも彼は全く変わることがなく、自分を貫き通した。
ここまで来ると天晴れでもあった。
それなのにある日突然なんの前触れもなく彼は変わった。
信じられないくらいの変わり様は王子とのペアが白紙になっても暴れる処か喜んでいるようにさえ感じ取れた。
そしてその裏で犠牲…幸運を掴んだのがセドリック ハーヴィルだった。
誰もがなりたい王子のペアにフィンコックの後押しでなった男。
王子のペアが光魔法が使えるとはいえ男爵家という不釣り合いな相手でも、誰も彼に文句など言えなかった。
彼自身はそんなつもりなくても、彼に文句を言えばフィンコックが出てくるのでは?とひっそりと恐れられていた…というより、どうにかしてでも彼を陥れたい人間がフィンコックを利用してハーヴィルの印象操作を図っていたが、大会で彼に思い知らされた。
なんと彼と過去にペアになったことがあるものが優勝争いをし始めたのだ。
ミットシュルディガーはハーヴィルの前にシャルマンとペアだったが三回目を与えられなかった男だ。
その当時はシャルマンに拒絶されたことで周囲に酷い言われようだったがハーヴィルとペアになった瞬間彼の優しさに惚れてしまい、今ではハーヴィルに夢中だ。
夢中になりすぎて勉強や訓練を疎かにしていたはず…なのに魔法大会で優勝争いをして見せた。
しかもかなりの大技を繰り広げ見るものを圧巻していた。
そして総合大会の最終日に起きた事故。
魔法が封じられている場所でハーヴィルは魔法を使い、倒れた人間を救った。
…まさに奇跡のような光景だった。
彼に心酔している者はより深く彼の虜になっていた。
特にあの時湖で溺れた男はハーヴィルしか見えていなかった。
あの時の状況を一部始終目撃した者達が「溺れたお前を湖に飛び込んで助けたのはフィンコック様だ、最低限お礼だけでも言いに行くべきだ。」と告げても一切信じようとはせず、目覚めた時に目の前にいたハーヴィルだけに助けられたと感謝し続けていた。
寧ろお前達はあの性悪に言わされてんだろ?としか思っていないようだった。
彼はハーヴィルの熱狂的な信者だ。
彼は男爵家で爵位は貴族の中で一番低いが、そんなハンデをものともしない強みがあった。
それは彼が珍しい光属性の持ち主ということ。
入学し属性検査で判明して以来、彼の存在は目立っていた。
光魔法もだが彼自身の可愛らしさが多くの人の心を惹き付けた。
誰に対しても優しく笑顔に癒されると噂だった。
ペアになった幸運な者達は「彼とペアを変わりたくない」と周囲に漏らしていたが継続されることはなかった。
それは互いに同じ気持ちではないからだ。
媚薬の検査においても彼はその他大勢とは違った反応を見せた。
催淫効果までとはいわないが自白の効果が出で、その後はすぐに眠ってしまった。
それだけでも十分といえた。
その事もあり、次第にハーヴィルのペアの相手は高位貴族に絞られていった。
きっと光魔法を高位貴族に取り入れるために裏取引があったに違いない。
彼と同じ立場の者達は男爵程度の人間が高位貴族とばかりペアになるのはおかしいと囁き、ペアが可能な者達はどうにか彼をものに出来ないかご機嫌とりになりだした。
そしてある日突然事態は急変した。
男爵である彼のペアが王子に変更。
その事実に様々な憶測が飛び交っていた。
王子のペアに問題があり急遽変更になった。
王子がペア交代を希望した。
王族が光魔法を望んだ。
教師が王族に媚を売った。
男爵家が金を積んだ。
はっきりいってしまうと全てが考えられた。
特に一番初めの王子のペアに問題ありなんて、同学年の者で知らない人間はいないだろう。
過激で苛烈、我が儘で手を焼くだけでなぐ公爵家という後ろ楯を持っている。
誰も彼には逆らうことが出来なかったし手懐けるなんてもっての他、関わらないのが一番だと結論を出していた。
彼自身に問題がなければもっと早くに王子のペアになっていたのに最終学年まで待たされたのだから、本人自身にその事に気付き性格を見直してほしいという教師からの無言のアピールだったに違いない。
それでも彼は全く変わることがなく、自分を貫き通した。
ここまで来ると天晴れでもあった。
それなのにある日突然なんの前触れもなく彼は変わった。
信じられないくらいの変わり様は王子とのペアが白紙になっても暴れる処か喜んでいるようにさえ感じ取れた。
そしてその裏で犠牲…幸運を掴んだのがセドリック ハーヴィルだった。
誰もがなりたい王子のペアにフィンコックの後押しでなった男。
王子のペアが光魔法が使えるとはいえ男爵家という不釣り合いな相手でも、誰も彼に文句など言えなかった。
彼自身はそんなつもりなくても、彼に文句を言えばフィンコックが出てくるのでは?とひっそりと恐れられていた…というより、どうにかしてでも彼を陥れたい人間がフィンコックを利用してハーヴィルの印象操作を図っていたが、大会で彼に思い知らされた。
なんと彼と過去にペアになったことがあるものが優勝争いをし始めたのだ。
ミットシュルディガーはハーヴィルの前にシャルマンとペアだったが三回目を与えられなかった男だ。
その当時はシャルマンに拒絶されたことで周囲に酷い言われようだったがハーヴィルとペアになった瞬間彼の優しさに惚れてしまい、今ではハーヴィルに夢中だ。
夢中になりすぎて勉強や訓練を疎かにしていたはず…なのに魔法大会で優勝争いをして見せた。
しかもかなりの大技を繰り広げ見るものを圧巻していた。
そして総合大会の最終日に起きた事故。
魔法が封じられている場所でハーヴィルは魔法を使い、倒れた人間を救った。
…まさに奇跡のような光景だった。
彼に心酔している者はより深く彼の虜になっていた。
特にあの時湖で溺れた男はハーヴィルしか見えていなかった。
あの時の状況を一部始終目撃した者達が「溺れたお前を湖に飛び込んで助けたのはフィンコック様だ、最低限お礼だけでも言いに行くべきだ。」と告げても一切信じようとはせず、目覚めた時に目の前にいたハーヴィルだけに助けられたと感謝し続けていた。
寧ろお前達はあの性悪に言わされてんだろ?としか思っていないようだった。
彼はハーヴィルの熱狂的な信者だ。
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