309 / 414
二章 ハーレムルート
表彰式
しおりを挟む
全ての試合が終わり、総合大会の結果も出たようで表彰式が行われることになった。
学園長よりすべての大会の上位三名が表彰される。
「剣術大会の優勝者…ライアン サンチェスター………」
ライが呼ばれたのに僕の方がテンション上がってしまった。
二位三位も続々と呼ばれ学園長から剣が描かれている徽章が贈られる。
感動のあまり号泣してしまうと、僕の周囲の人が見ちゃいけないものを見たような気まずさで顔を背けていた。
僕は何となくそうなのかなとは気付いていたが、涙が止まらない。
表彰台に上がった人達が振り向き僕達生徒に一礼し次に登場する魔術大会の選手に場所を譲りながらライと視線があった。
少し落ち着いてきたと思ったのに、胸の徽章を着けたライの姿に涙が甦ってくるも堪えることに成功…した…。
次に魔術大会の優勝者が発表される。
「魔術大会の優勝者…エドバルド グレモンド………」
エドの名前が呼ばれた瞬間再び涙が溢れてきてしまい、我慢すれば「う゛っう゛っう゛っ」と声が漏れてしまった。
「…ぁっ…あのっ…だっ丈夫…ですかっ?」
僕があまりにも泣くので隣の人が純粋に心配してくれ、ハンカチを差し出してくれた。
僕に良い印象なんて無いはず…今だって彼の手は震えているのに心配してくれる優しい人…。
「あり゛がどう゛ごじゃまっずぅう゛っ」
彼のハンカチを借り、止め方の分からない涙を拭った。
エドも徽章を貰い胸に着けていたと思う…もう涙でぼやけちゃって大事な事が見えない…。
表彰台に上がった者達は次の選手達の為に振り返り場所を移動するも、彼らの視線が一斉に僕に集まっていた。
僕の周囲の人も視線だけで僕の様子を伺っていた。
数分前に借りたハンカチをびしょ濡れにしながら僕は自分の涙を止めるのに必死で誰の視線にも気付いていない。
「そして今回の総合大会の優勝者は…フレデリック バルデモア」
「…うぇ~ん…う゛っう゛っ」
リックの名前を聞いた瞬間に限界を超え声を出して泣いていた。
おめでとうリック…凄いよぉ…。
総合で優勝した三人が振り返る。
「優勝者達に盛大な拍手を。」
涙を拭く事よりも皆に拍手で感動を貰った事を伝えた。
僕が拍手を続けることで、鳴り止まない拍手を先導していた。
僕は皆に…三人に喜びを伝えたかった。
表彰式は無事に終わり、僕は皆の所へ向かう前にハンカチの彼にお礼を言った。
「ぁの…ハンカチ…ありがとう…ございます…お名前を…聞いても良いですか?」
「あっいえ…はいっ僕は…フィンリー ケイビーガンと…申します…」
彼は緊張というより僕に対しての恐怖から後半の声がかなり小さくなった。
「フィンリー ケイビーガン様?ですね、僕はシャルマン フィンコックです。」
「あっはい…あっあの…僕に様はっ…あっあのっ…」
ケイビーガン様は僕が自己紹介しなくても知ってますという反応だった。
それよりも、僕に様付けされたことに困惑に混乱している。
「ハンカチは洗ってからお返ししますね。」
「そんなっ平気ですっそのままでっ」
僕に迷惑を掛けてしまうというより、後が怖いから接点を作りたくないって思いがひしひしと伝わる。
それでも僕の涙でグショグショのハンカチをそのまま返すなんて出来ないよ。
「お礼だけでも受け取ってください。」
「お礼なんてそんなっ…」
「嬉しかったので…ハンカチ…んふっありがとうございます。」
「いえ…はぃ…」
彼に頭を下げて僕はライ達がいる場所まで急ぐも、僕が通ると何故だか道が開いた…僕は気付かないふりをしてライ達まで目指した。
「シャルっ」
「ルマン」
「シャルマン」
ケイビーガン様から離れライ達を目指し時から皆は僕の事を見ていてくれたのか、すぐに視線があった。
「皆、おめでとうっ」
「あぁ」
「ルマンが応援してくれたからなっ」
「うん、シャルマンがいたからだよ。」
「頑張ったのは皆だよっ」
「頑張れたのはシャルがいたからだ。」
「あぁ」
「うん」
皆謙虚過ぎるよ。
「それより、泣きすぎだ。」
「あぁ、表彰台にいても泣き声聞こえたぞ。」
「えぇ、気になり過ぎて直ぐにでも抱きしめたくなりました。」
「…リックゥ」
リックの胸に抱きついた。
「おいっ」
「ずるいぞ俺も勝ったんだ、抱きしめてくれんだろ?」
「…うん」
僕はリックから離れライとエドにも抱き合った。
「あっライ…少し屈んで?」
「ん?」
背伸びをしながら、ちゅっと頬にキスをした。
「んふふ…次はエドね?」
「あぁ」
エドもライのように屈み頬にキスをした。
「んふぅ…、リックもっ」
「うん」
三人の頬にキスをして僕の部屋に向かった。
学園長よりすべての大会の上位三名が表彰される。
「剣術大会の優勝者…ライアン サンチェスター………」
ライが呼ばれたのに僕の方がテンション上がってしまった。
二位三位も続々と呼ばれ学園長から剣が描かれている徽章が贈られる。
感動のあまり号泣してしまうと、僕の周囲の人が見ちゃいけないものを見たような気まずさで顔を背けていた。
僕は何となくそうなのかなとは気付いていたが、涙が止まらない。
表彰台に上がった人達が振り向き僕達生徒に一礼し次に登場する魔術大会の選手に場所を譲りながらライと視線があった。
少し落ち着いてきたと思ったのに、胸の徽章を着けたライの姿に涙が甦ってくるも堪えることに成功…した…。
次に魔術大会の優勝者が発表される。
「魔術大会の優勝者…エドバルド グレモンド………」
エドの名前が呼ばれた瞬間再び涙が溢れてきてしまい、我慢すれば「う゛っう゛っう゛っ」と声が漏れてしまった。
「…ぁっ…あのっ…だっ丈夫…ですかっ?」
僕があまりにも泣くので隣の人が純粋に心配してくれ、ハンカチを差し出してくれた。
僕に良い印象なんて無いはず…今だって彼の手は震えているのに心配してくれる優しい人…。
「あり゛がどう゛ごじゃまっずぅう゛っ」
彼のハンカチを借り、止め方の分からない涙を拭った。
エドも徽章を貰い胸に着けていたと思う…もう涙でぼやけちゃって大事な事が見えない…。
表彰台に上がった者達は次の選手達の為に振り返り場所を移動するも、彼らの視線が一斉に僕に集まっていた。
僕の周囲の人も視線だけで僕の様子を伺っていた。
数分前に借りたハンカチをびしょ濡れにしながら僕は自分の涙を止めるのに必死で誰の視線にも気付いていない。
「そして今回の総合大会の優勝者は…フレデリック バルデモア」
「…うぇ~ん…う゛っう゛っ」
リックの名前を聞いた瞬間に限界を超え声を出して泣いていた。
おめでとうリック…凄いよぉ…。
総合で優勝した三人が振り返る。
「優勝者達に盛大な拍手を。」
涙を拭く事よりも皆に拍手で感動を貰った事を伝えた。
僕が拍手を続けることで、鳴り止まない拍手を先導していた。
僕は皆に…三人に喜びを伝えたかった。
表彰式は無事に終わり、僕は皆の所へ向かう前にハンカチの彼にお礼を言った。
「ぁの…ハンカチ…ありがとう…ございます…お名前を…聞いても良いですか?」
「あっいえ…はいっ僕は…フィンリー ケイビーガンと…申します…」
彼は緊張というより僕に対しての恐怖から後半の声がかなり小さくなった。
「フィンリー ケイビーガン様?ですね、僕はシャルマン フィンコックです。」
「あっはい…あっあの…僕に様はっ…あっあのっ…」
ケイビーガン様は僕が自己紹介しなくても知ってますという反応だった。
それよりも、僕に様付けされたことに困惑に混乱している。
「ハンカチは洗ってからお返ししますね。」
「そんなっ平気ですっそのままでっ」
僕に迷惑を掛けてしまうというより、後が怖いから接点を作りたくないって思いがひしひしと伝わる。
それでも僕の涙でグショグショのハンカチをそのまま返すなんて出来ないよ。
「お礼だけでも受け取ってください。」
「お礼なんてそんなっ…」
「嬉しかったので…ハンカチ…んふっありがとうございます。」
「いえ…はぃ…」
彼に頭を下げて僕はライ達がいる場所まで急ぐも、僕が通ると何故だか道が開いた…僕は気付かないふりをしてライ達まで目指した。
「シャルっ」
「ルマン」
「シャルマン」
ケイビーガン様から離れライ達を目指し時から皆は僕の事を見ていてくれたのか、すぐに視線があった。
「皆、おめでとうっ」
「あぁ」
「ルマンが応援してくれたからなっ」
「うん、シャルマンがいたからだよ。」
「頑張ったのは皆だよっ」
「頑張れたのはシャルがいたからだ。」
「あぁ」
「うん」
皆謙虚過ぎるよ。
「それより、泣きすぎだ。」
「あぁ、表彰台にいても泣き声聞こえたぞ。」
「えぇ、気になり過ぎて直ぐにでも抱きしめたくなりました。」
「…リックゥ」
リックの胸に抱きついた。
「おいっ」
「ずるいぞ俺も勝ったんだ、抱きしめてくれんだろ?」
「…うん」
僕はリックから離れライとエドにも抱き合った。
「あっライ…少し屈んで?」
「ん?」
背伸びをしながら、ちゅっと頬にキスをした。
「んふふ…次はエドね?」
「あぁ」
エドもライのように屈み頬にキスをした。
「んふぅ…、リックもっ」
「うん」
三人の頬にキスをして僕の部屋に向かった。
22
お気に入りに追加
2,865
あなたにおすすめの小説
変態村♂〜俺、やられます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。
そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。
暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。
必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。
その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。
果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
やめて抱っこしないで!過保護なメンズに囲まれる!?〜異世界転生した俺は死にそうな最弱プリンスだけど最強冒険者〜
ゆきぶた
BL
異世界転生したからハーレムだ!と、思ったら男のハーレムが出来上がるBLです。主人公総受ですがエロなしのギャグ寄りです。
短編用に登場人物紹介を追加します。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
あらすじ
前世を思い出した第5王子のイルレイン(通称イル)はある日、謎の呪いで倒れてしまう。
20歳までに死ぬと言われたイルは禁呪に手を出し、呪いを解く素材を集めるため、セイと名乗り冒険者になる。
そして気がつけば、最強の冒険者の一人になっていた。
普段は病弱ながらも執事(スライム)に甘やかされ、冒険者として仲間達に甘やかされ、たまに兄達にも甘やかされる。
そして思ったハーレムとは違うハーレムを作りつつも、最強冒険者なのにいつも抱っこされてしまうイルは、自分の呪いを解くことが出来るのか??
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
お相手は人外(人型スライム)、冒険者(鍛冶屋)、錬金術師、兄王子達など。なにより皆、過保護です。
前半はギャグ多め、後半は恋愛思考が始まりラストはシリアスになります。
文章能力が低いので読みにくかったらすみません。
※一瞬でもhotランキング10位まで行けたのは皆様のおかげでございます。お気に入り1000嬉しいです。ありがとうございました!
本編は完結しましたが、暫く不定期ですがオマケを更新します!
悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】
瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。
そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた!
……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。
ウィル様のおまけにて完結致しました。
長い間お付き合い頂きありがとうございました!
【完結】白い塔の、小さな世界。〜監禁から自由になったら、溺愛されるなんて聞いてません〜
N2O
BL
溺愛が止まらない騎士団長(虎獣人)×浄化ができる黒髪少年(人間)
ハーレム要素あります。
苦手な方はご注意ください。
※タイトルの ◎ は視点が変わります
※ヒト→獣人、人→人間、で表記してます
※ご都合主義です、あしからず
俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします
椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう!
こうして俺は逃亡することに決めた。
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる