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二章 ハーレムルート
試合結果
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今日が総合大会の最終日。
リックは順調にトップを争っていた。
映像が途切れ闘技場に人の姿が現れたのは…。
神様お願いっ。
「本日の優勝者は…フレデリック バルデモア…」
審判の人が勝者を発表した時、二番目の人が到着した。
そして三人目、四人目と続々と現れた。
全試合のタイムで優勝者が決まる総合だけは表彰式の時に順位が発表されるらしく、表彰式は三大会合同で行う。
なのでライ、エド、リックの三人が表彰台に上がることになる。
んふふ、その日が楽しみっ。
僕達は選手の控え室へ向かうも、今日はライとエドも一緒だった…僕は信用されなくなってしまった。
三人でリックのお祝いに行く途中、変な人の流れを目撃した。
リックは到着したが、まだ試合は続行中だ。
「何かあったのかな?」
「さぁ?この先って…」
「裏山に続く道だな。」
控え室とは別の道…裏山へと続き総合の大会中は選手以外は立ち入り禁止だ。
なのに…選手以外が行き来し教師も駆けつけていた。
「大丈夫かな?」
「…行ってみるか。」
「だな。」
三人で急いで裏山へ向かった。
持久力の無い僕が二人に勿論着いていけず、ライに抱き上げられながら向かった。
運が良いことに裏山のかなり手前の湖に慌てた人たちの集団がいる。
近付き確認すると湖の中心に人が居た。
「…まっまさか溺れてるの?」
「みたいだな。」
「おいっどういう状況だ?」
エドが先に居た生徒に詰め寄った。
「あっ彼は選手で…その…ここの中央に転移魔法があると推測して飛び込んだんですが…」
「…溺れたって訳か。」
「…はぃ」
「魔法でなんとか…」
「ダメなんですっ」
「え?」
「ここから裏山まで魔法が使えなくて…そういう試練みたいで…」
「違います。ここの湖は選択肢に有りません、解答を間違えているんです。今回は選択肢によって魔法を禁止してある箇所がいくつもあるんです。選手同士の問題が起きないように。」
教師が教えてくれたが彼を助けられる言葉ではなかった。
「魔法禁止を解けば…」
「この魔法を掛けた教師にしか解けません。その彼は別の場所にいるので呼んでもらいましたが間に合うか…」
うそっじゃぁ…彼は…。
「…なら、ボート…」
「頼みましたが、ここまで来るには手運びで時間が掛かってます。」
そんなっ。
だって彼、今にも…。
どうしよう助けないと…。
近くに浮くようなものもないし、ロープも見当たらない。
皆で手を繋いで助けるにも遠すぎる…。
どうしようどうしようどうしよう。
「あっ」
溺れていた彼の姿が見えなくなり沈んでしまった。
一番危険な方法だけど、今はこれしかない。
僕はジャケットとズボンを脱ぎ身軽にして靴は湖に飛び込む前に脱ぎ捨てた。
お母さんに怒られるやり方で。
「シャルっ」
「嘘だろっ」
ライとエドの声を聞いたが僕は止まらなかった。
小学生の時に服を着たままプールに入る授業があったのを思い出した。
薄着でも水分を含むとかなり重く、腕をあげるのも一苦労で出来ることなら服を脱ぎなさいと教わった。
泳ぎは得意だったので中央まで難なくた辿り着き、ここが海ではなく湖で今日は風も無いことで流されることもなく泳げた。
彼がいた付近まで泳いでいき、辺りを付けて潜り彼を探した。
彼は気絶しているのか動くことなく沈んでいく。
彼の手を掴み引っ張りあげ、水面に顔を出して彼の顎を掴んで泳ぎ続けた。
運が良いのか悪いのか、彼が気絶していたから助けることが出来た。
もし彼に意識があったら、溺れる彼に引きずられて僕も溺れていたかもしれない。
なんとか岸に辿り付き彼を先に引き上げてもらい、僕はライとエドに引き上げられすぐにライのジャケットを掛けられた。
「無茶するな。」
「…はぃ」
エドにはびしょ濡れの僕を力一杯抱きしめられた。
「僕ね、泳ぎ得意なんだっ」
エドに安心してほしくて伝えるも、エドの腕は弱まることがなかった。
溺れた彼が気になり確認するとハーヴィル様が魔法を掛けていた。
魔法が使えない場所なのに何故かハーヴィル様の魔法だけが使えたのかなんて一人一人抱えながら泳いできた僕には答えが出なかった。
ハーヴィル様の持つ光魔法なのか聖人の力なのかは分からないが、溺れた彼は目覚め盛大な歓声が起きた。
「よかった…」
ハーヴィル様が使う魔法は美しくエドの腕の中で呆然と眺めている。
僕は彼の安否を確認してからエドに抱き上げられ寮を目指していた。
僕の脱いだ服はライが持ち、びしょ濡れの状態で現れたのでリックとアレックスが驚いていた。
説明が下手な僕より先にエドが経緯を話してくれた。
何故か分からないが状況説明を受けた二人が溜め息を着いている。
大会中に事故が起き、事故にあった彼は助かった…なのに…溜め息?
「シャルマン、あまり心配させないで。」
「ルゥ、無茶はやめてください。」
二人とも心配しすぎで溜め息が漏れてしまったみたい。
僕は三日連続皆に迷惑掛けちゃったのかな…ごめんなさい。
言い訳としては、三日連続人助けしたつもりなんだけど…。
僕、人助けの才能無いのかも…。
リックは順調にトップを争っていた。
映像が途切れ闘技場に人の姿が現れたのは…。
神様お願いっ。
「本日の優勝者は…フレデリック バルデモア…」
審判の人が勝者を発表した時、二番目の人が到着した。
そして三人目、四人目と続々と現れた。
全試合のタイムで優勝者が決まる総合だけは表彰式の時に順位が発表されるらしく、表彰式は三大会合同で行う。
なのでライ、エド、リックの三人が表彰台に上がることになる。
んふふ、その日が楽しみっ。
僕達は選手の控え室へ向かうも、今日はライとエドも一緒だった…僕は信用されなくなってしまった。
三人でリックのお祝いに行く途中、変な人の流れを目撃した。
リックは到着したが、まだ試合は続行中だ。
「何かあったのかな?」
「さぁ?この先って…」
「裏山に続く道だな。」
控え室とは別の道…裏山へと続き総合の大会中は選手以外は立ち入り禁止だ。
なのに…選手以外が行き来し教師も駆けつけていた。
「大丈夫かな?」
「…行ってみるか。」
「だな。」
三人で急いで裏山へ向かった。
持久力の無い僕が二人に勿論着いていけず、ライに抱き上げられながら向かった。
運が良いことに裏山のかなり手前の湖に慌てた人たちの集団がいる。
近付き確認すると湖の中心に人が居た。
「…まっまさか溺れてるの?」
「みたいだな。」
「おいっどういう状況だ?」
エドが先に居た生徒に詰め寄った。
「あっ彼は選手で…その…ここの中央に転移魔法があると推測して飛び込んだんですが…」
「…溺れたって訳か。」
「…はぃ」
「魔法でなんとか…」
「ダメなんですっ」
「え?」
「ここから裏山まで魔法が使えなくて…そういう試練みたいで…」
「違います。ここの湖は選択肢に有りません、解答を間違えているんです。今回は選択肢によって魔法を禁止してある箇所がいくつもあるんです。選手同士の問題が起きないように。」
教師が教えてくれたが彼を助けられる言葉ではなかった。
「魔法禁止を解けば…」
「この魔法を掛けた教師にしか解けません。その彼は別の場所にいるので呼んでもらいましたが間に合うか…」
うそっじゃぁ…彼は…。
「…なら、ボート…」
「頼みましたが、ここまで来るには手運びで時間が掛かってます。」
そんなっ。
だって彼、今にも…。
どうしよう助けないと…。
近くに浮くようなものもないし、ロープも見当たらない。
皆で手を繋いで助けるにも遠すぎる…。
どうしようどうしようどうしよう。
「あっ」
溺れていた彼の姿が見えなくなり沈んでしまった。
一番危険な方法だけど、今はこれしかない。
僕はジャケットとズボンを脱ぎ身軽にして靴は湖に飛び込む前に脱ぎ捨てた。
お母さんに怒られるやり方で。
「シャルっ」
「嘘だろっ」
ライとエドの声を聞いたが僕は止まらなかった。
小学生の時に服を着たままプールに入る授業があったのを思い出した。
薄着でも水分を含むとかなり重く、腕をあげるのも一苦労で出来ることなら服を脱ぎなさいと教わった。
泳ぎは得意だったので中央まで難なくた辿り着き、ここが海ではなく湖で今日は風も無いことで流されることもなく泳げた。
彼がいた付近まで泳いでいき、辺りを付けて潜り彼を探した。
彼は気絶しているのか動くことなく沈んでいく。
彼の手を掴み引っ張りあげ、水面に顔を出して彼の顎を掴んで泳ぎ続けた。
運が良いのか悪いのか、彼が気絶していたから助けることが出来た。
もし彼に意識があったら、溺れる彼に引きずられて僕も溺れていたかもしれない。
なんとか岸に辿り付き彼を先に引き上げてもらい、僕はライとエドに引き上げられすぐにライのジャケットを掛けられた。
「無茶するな。」
「…はぃ」
エドにはびしょ濡れの僕を力一杯抱きしめられた。
「僕ね、泳ぎ得意なんだっ」
エドに安心してほしくて伝えるも、エドの腕は弱まることがなかった。
溺れた彼が気になり確認するとハーヴィル様が魔法を掛けていた。
魔法が使えない場所なのに何故かハーヴィル様の魔法だけが使えたのかなんて一人一人抱えながら泳いできた僕には答えが出なかった。
ハーヴィル様の持つ光魔法なのか聖人の力なのかは分からないが、溺れた彼は目覚め盛大な歓声が起きた。
「よかった…」
ハーヴィル様が使う魔法は美しくエドの腕の中で呆然と眺めている。
僕は彼の安否を確認してからエドに抱き上げられ寮を目指していた。
僕の脱いだ服はライが持ち、びしょ濡れの状態で現れたのでリックとアレックスが驚いていた。
説明が下手な僕より先にエドが経緯を話してくれた。
何故か分からないが状況説明を受けた二人が溜め息を着いている。
大会中に事故が起き、事故にあった彼は助かった…なのに…溜め息?
「シャルマン、あまり心配させないで。」
「ルゥ、無茶はやめてください。」
二人とも心配しすぎで溜め息が漏れてしまったみたい。
僕は三日連続皆に迷惑掛けちゃったのかな…ごめんなさい。
言い訳としては、三日連続人助けしたつもりなんだけど…。
僕、人助けの才能無いのかも…。
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