【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

天冨七緒

文字の大きさ
上 下
294 / 414
二章 ハーレムルート

剣術大会前夜

しおりを挟む
ライが参加する剣術大会が今週から始まる。

授業が終わると鍛練を始めるライを最近はこっそり覗きに行っている。
剣の素振りをする姿が格好良くて、いつもと違うライにときめいて長いこと見つめてしまっていた。
鍛練を終えてライが来る前に急いで部屋に戻ろうと勢い良く振り返ると知らない人にぶつかってしまった。

「ぅわっ。」

「大丈夫か?」

「あっはい…ごめんなさい。」

猪突猛進。
ちゃんと確認してから歩かないと危ないって昔から言われてたのに…。

「いやっ…サンチェスターに用か?」

「えっあっその…」

僕がライアンの婚約者だって知っているからの優しさだよね?

「呼んでやるよ。」

「あっま待って、その…僕が見てたことは…言わないで…ください。」

僕は咄嗟に相手の服にしがみ付いていた。

「あっ…わ…わかった。」

「ありがとうございます。」

僕の我が儘を聞いてもらい嬉しくて笑顔でお礼をいった。
僕ってライ達以外に初めて笑ったかも。
この人も大きな人だなぁ、もしライと対戦したらライは…だめだめ僕はライを信じてる。

「あなたも剣術の試合に?」

「あぁ」

「怪我しないでね。」

「…あっあぁ…ありがとう。」

「それじゃっ。」

帰る前にライが僕に気付いてないか確認してからその場を離れた。

「………………………………………フィンコック…」

名前を呼ばれたような気がしたけど…勘違いかな?

僕は急いで部屋に戻った。
なにも知らないし観てないですよ~という芝居をしながらライが来るのを待った。

その日からバレないように盗み見る日々を過ごしている。

ライが汗を流さず直接部屋に来てくれるのが嬉しくて、お風呂では僕が身体を洗ってあげてる。
お湯に浸かる時には腕をマッサージをしたりする。
ライの体は大きいって知ってたけど、触るとより太さを実感する。

二の腕は太くて凄い筋肉なの。

無中になりすぎて次第にマッサージではなく僕がただ触りたいだけになっていた。
だって、凄いんだもん。逞しいってこういう事を言うんだと思う。
これだけ太ければ僕を簡単に持ち上げるのも頷ける。
二の腕を両手で掴むも、長さが足りずライの腕の方が太い。

「…格好いい。」

ちゅっ

思わず腕にキスしていた。

「ライ?」

「ん?」

「怪我…しないでね。」

「…あぁ」

お風呂から上がりバスローブ姿でベッドまで誘われる。
バスローブを着ているのに、風魔法で一気に乾かされた。
今日は僕が先にライを裸にした。
紐を解き肌を滑るようにしてバスローブを床に落とし、滑らかな肌に吸い寄せられるように口付けをした。

お願い怪我しないで。

僕には聖女様のような結界も女神様のような加護を与えることは出来ない。
保護も身体強化も多分反則になってしまう…それどころか僕には魔力そのものがないから出来ないんだけと。
そんな僕が唯一出来る事は祈るだけ。
ライの身体全身にキスをしていく。

神様お願い、ライを守ってください。
僕が代わりに怪我をしても構いません。
神様お願いします。

明日からの試合に備えてライの体力を守りたくて、僕がライを押し倒…押し倒…れてくれない。

「ライ…」

「ふっ弱いな…」

「ん゛っ」

やっぱり態と倒れてくれなかったんだ。

漸くベッドに深く座りライの唇に触れた。
咥えたり舌で唇を舐めたりと僕が主導権を握った…つもりだったのに…腰に回されたライの手に引き寄せられ膝の上に座らされていた。
いつの間にか完全にライに身を委ねている。
敢えて紐を解かず僕のものをバスローブの合間から取り出し露出狂のようで恥ずかしいけど、ライの手に触れられるだけで気持ち良くてその先を期待してしまう。
大きな手に包まれ一緒に擦られるだけで僕のものから溢れていく。
鼻から抜ける喘ぎを抑えられず口元に手を忍ばせるも、限界の僕は呆気なくライの腹筋を汚し乱れたバスローブを開かれ胸が露になるとまじまじと観られた。

「…ライ?その…あんまり…見ないで…恥ずかしい。」

「ふっ…まだ恥ずかしいのか?」

「…ぅん…形…変わったから…」

「あぁ、大きくなったな…ここもぷっくりしてる。」

「んっ…ぁんっ…きゃんっ」

きゅっと摘ままれライの口が開いて僕の胸を食べられた。
それだけじゃなく歯で噛まれ、先ほど摘ままれたよりも痛みが走る。
痛いはずなのに快感にも感じるのは僕が変態だから?
イッたばかりだと言うのにもう固くなっている僕がいた。
胸を含まれるとどうしても抱き締める体勢になり、僕がライに強要しているようで恥ずかしい。
赤ちゃんじゃない人に母乳を飲まれるのって僕のが変態じゃないかな?
ライ達以外には絶対しない…当たり前なんだけど、知られたくない。
母乳飲まれて感じてるなんて…アドルフに嫌われちゃう。

僕…どんどん変態になってく…。
しおりを挟む
感想 195

あなたにおすすめの小説

博愛主義の成れの果て

135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。 俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。 そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。

見ぃつけた。

茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは… 他サイトにも公開しています

[離婚宣告]平凡オメガは結婚式当日にアルファから離婚されたのに反撃できません

月歌(ツキウタ)
BL
結婚式の当日に平凡オメガはアルファから離婚を切り出された。お色直しの衣装係がアルファの運命の番だったから、離婚してくれって酷くない? ☆表紙絵 AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。

そばかす糸目はのんびりしたい

楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。 母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。 ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。 ユージンは、のんびりするのが好きだった。 いつでも、のんびりしたいと思っている。 でも何故か忙しい。 ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。 いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。 果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。 懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。 全17話、約6万文字。

王子の恋

うりぼう
BL
幼い頃の初恋。 そんな初恋の人に、今日オレは嫁ぐ。 しかし相手には心に決めた人がいて…… ※擦れ違い ※両片想い ※エセ王国 ※エセファンタジー ※細かいツッコミはなしで

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

元執着ヤンデレ夫だったので警戒しています。

くまだった
BL
 新入生の歓迎会で壇上に立つアーサー アグレンを見た時に、記憶がざっと戻った。  金髪金目のこの才色兼備の男はおれの元執着ヤンデレ夫だ。絶対この男とは関わらない!とおれは決めた。 貴族金髪金目 元執着ヤンデレ夫 先輩攻め→→→茶髪黒目童顔平凡受け ムーンさんで先行投稿してます。 感想頂けたら嬉しいです!

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

処理中です...