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二章 ハーレムルート

どうしたらいいのかわからない苛立ち

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ダンスの練習が始まった。

本番まで時間がないと言うことで朝から晩まで行われ、翌日は当然筋肉痛と戦いつつダンスにまみれた。
アレックスは教師の一面を出して厳しいのは予想していたが、ライにエド、リックも甘やかしてはくれなかった。
あの三人はAクラスと言うこともあり騎士としての訓練も熟す完璧人間達で僕のように体力のない人間にもスパルタだった。
休憩を挟みながら何度も練習をするが、体力が切れると集中力も切れていきミスを連発してしまう。
次第に皆が鬼に見えてきた。

…もう、パーティーなんて行きたくない…食べ物も、もういい…。

ダンスの練習が終わると皆が優しくしてくれる。
お風呂に入れてくれて、僕の大好きな石鹸で丁寧に洗われる。
浴槽に浸かる頃にはもう眠くて瞼が重く、相手の胸の中で眠るのって幸せで気付くとお風呂から上がり全身を拭かれベッドの上だった。
皆がどんな思いだったのかは分からないけど、僕は疲れて眠いのにしたくなっちゃって本能のまま相手の首に腕を回して強請る仕草をしていた。
そういう時の僕って大胆なのか、膝で相手のアレを刺激して誘っている。
野獣のように僕を求めるのを確認すると安心し、眠りに付きそして朝になれば再び練習するという日々を過ごしている。

王族のパーティーを乗り切るその日まで続く。

ダンスの方は皆のリードで何とか形にはなっていると思う。
けど、相手が使用人になると足を踏んでしまったりステップを間違えてしまったりと散々だった。
ダンスの先生(アレックス)の話だと、婚約者以外になると僕は途端に緊張し身体が硬直しワンテンポずれていると指摘された。 

僕としては、婚約者の皆以外とするつもりはないから良いと思うんだよね?

それに、婚約者とダンスに参加するって事は僕としては四回するって事だよね?体力が持たないよ。
ダンス終わったら絶対に王宮の料理を食べるんだ。
もう、そこにしか今の僕にはモチベーションを見いだせなかった。
料理料理料理料理料理料理料理料理料理料理料理料理料理料理。
僕の頭の中には料理の事で一杯だった。
寧ろ態と料理で一杯にした。

「シャル、「料理料理」って良いながらステップ踏んでるぞ。」

ライに指摘されてしまった。
僕も気付かぬうちにかなりのストレスが貯まっていたのか、曲が終わるとライの腕を食べていた。

「…少し休憩しますか…。」

僕の子供のようなストレス発散を見てアレックスが早めの休憩をくれた。

ポン

猫の姿になり壁と対面しながら尻尾でバシバシと床を叩いていた。
人に当たるのはよくないって分かってるし、皆が僕のためにしてくれているのも知っている…。
けど、今の僕はこのモヤモヤをどこでどう発散して良いのか分からず猫の姿で壁を見つめていた。
朝起きてから眠るまでダンスばかりで、息抜きがエッチだけ。
そのエッチも足りてないのに眠っちゃう自分が嫌。

もっとしたいのに…。

ダンスの上達は…多分していると思うけど、自分としては納得してない。
ダンスもエッチも不満ばかりで嫌になる、それを皆に八つ当たりのようにしている自分にも…。

そんな僕の後ろ姿を皆は黙って見つめていた。

こんな状態でパーティーまでに間に合うのかな…。
不安ばかりが募る。
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