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二章 ハーレムルート
お昼寝タイム
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「シャルの好きなクッキーだよ。」
朝食の後、お兄様と皆で一緒にお茶をしている間クッキーを沢山口に運ばれていた。
僕の隣にはお兄様がいて、向かいのソファには皆が座ってる。
皆はなんだか表情が険しいというか、気まずそうというか…和やか…ではなかった。
僕といえばお兄様から頂くクッキーをどれも頬張り美味しく頂いていた。
お腹一杯のはずなのに、差し出されれば無条件に食べてしまう。
美味しいお茶会のはずなのに皆は何故かとても静かだ。
「シャル、口元に付いている。」
皆の様子を疑問に思いながら、お兄様は僕の口の端に付いたクッキーを摘まんで取り除いてくれる。綺麗なお兄様の指には小さなクッキーの欠片があったので思わず舐めて美味しそうな指を咥えてしまった。
「…綺麗にしてくれたのか?ありがとうシャル」
「にゃぁーん…ん?」
「…耳と尻尾は突然出るんだな。」
お兄様の耳と尻尾発言で自分の状態を知った。
お兄様のいう通り僕は突然半猫化してしまうらしい。
「にゃぁ。」
「可愛いなっ」
気を付ければちゃんと話すことも出来るが、返事は鳴き声の方が楽だった。
優しく頭を撫でられ甘やかされているのを実感すると、もっと撫でて欲しくて身体が勝手に求めていた。
ポン
「んっ」
「にゃぁあん」
完全に猫化してお兄様の膝の上に移動して、撫で撫での催促をした。
お兄様にも僕の思いが伝わったのか、頭をを撫でられ耳のつけを揉まれ首に移動して更には背中をマッサージするように撫でられた。どれも気持ちよくて身体から力が抜けていく。
いつの間にかお兄様の膝の上で寝転がりながら撫でられまくってる。
あ…寝ちゃう…。
「シャル…寝たのか?」
耳を動かしてどうにか起きてることをアピールするも、瞼は重くなかなか開かなかった。
「婚約者の皆さん、俺が話した内容覚えていますか?」
「「「「……はぃ…」」」」
「にも関わらず二日も食事を抜くことに?」
「…申し訳ありません。」
「反省しています。」
「すみませんでした。」
「私たちの責任です。」
「…シャルはまだ、フェロモンを制御出来ていないのか?」
四人の謝罪を聞いた後、兄ドミニクはシャルマンの現在の状態を確認する。
「…いえ、基本的には制御出来てます。過度な刺激だったり、追い詰められたりしなければ問題ないかと…」
「では、四人でシャルを追い詰めたと?」
「「「「……はぃ」」」」
見事に四人の返事が揃い、はいとしか言えなかった。
昨日までシャルを追い詰めていた四人は本日ドミニクに追い詰められていた。
そんなことになっているとは知らないシャルマンは、兄の膝の上で呑気に眠っていた。
朝食の後、お兄様と皆で一緒にお茶をしている間クッキーを沢山口に運ばれていた。
僕の隣にはお兄様がいて、向かいのソファには皆が座ってる。
皆はなんだか表情が険しいというか、気まずそうというか…和やか…ではなかった。
僕といえばお兄様から頂くクッキーをどれも頬張り美味しく頂いていた。
お腹一杯のはずなのに、差し出されれば無条件に食べてしまう。
美味しいお茶会のはずなのに皆は何故かとても静かだ。
「シャル、口元に付いている。」
皆の様子を疑問に思いながら、お兄様は僕の口の端に付いたクッキーを摘まんで取り除いてくれる。綺麗なお兄様の指には小さなクッキーの欠片があったので思わず舐めて美味しそうな指を咥えてしまった。
「…綺麗にしてくれたのか?ありがとうシャル」
「にゃぁーん…ん?」
「…耳と尻尾は突然出るんだな。」
お兄様の耳と尻尾発言で自分の状態を知った。
お兄様のいう通り僕は突然半猫化してしまうらしい。
「にゃぁ。」
「可愛いなっ」
気を付ければちゃんと話すことも出来るが、返事は鳴き声の方が楽だった。
優しく頭を撫でられ甘やかされているのを実感すると、もっと撫でて欲しくて身体が勝手に求めていた。
ポン
「んっ」
「にゃぁあん」
完全に猫化してお兄様の膝の上に移動して、撫で撫での催促をした。
お兄様にも僕の思いが伝わったのか、頭をを撫でられ耳のつけを揉まれ首に移動して更には背中をマッサージするように撫でられた。どれも気持ちよくて身体から力が抜けていく。
いつの間にかお兄様の膝の上で寝転がりながら撫でられまくってる。
あ…寝ちゃう…。
「シャル…寝たのか?」
耳を動かしてどうにか起きてることをアピールするも、瞼は重くなかなか開かなかった。
「婚約者の皆さん、俺が話した内容覚えていますか?」
「「「「……はぃ…」」」」
「にも関わらず二日も食事を抜くことに?」
「…申し訳ありません。」
「反省しています。」
「すみませんでした。」
「私たちの責任です。」
「…シャルはまだ、フェロモンを制御出来ていないのか?」
四人の謝罪を聞いた後、兄ドミニクはシャルマンの現在の状態を確認する。
「…いえ、基本的には制御出来てます。過度な刺激だったり、追い詰められたりしなければ問題ないかと…」
「では、四人でシャルを追い詰めたと?」
「「「「……はぃ」」」」
見事に四人の返事が揃い、はいとしか言えなかった。
昨日までシャルを追い詰めていた四人は本日ドミニクに追い詰められていた。
そんなことになっているとは知らないシャルマンは、兄の膝の上で呑気に眠っていた。
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