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二章 ハーレムルート
歌っちゃった
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「もう時間です。」
優しくもあるアレックスの言葉は残酷。
僕だけがアレックスを好きみたい…。
「…アレックス…僕の事…好き?」
「?ふふ、勿論。」
首に痛い程の痕を残され、意識がそちらに向くとするりと僕の中からアレックスが居なくなった。
「ふにゃぁん…」
「ルゥ…卒業したら私の子を必ず産んで貰いますからね?」
「んっ」
お腹に手を当てられ奥へと滑り込むと、僕の嫌いな魔法が使われ悄然としてベッドに横たわっていた。
「ルゥ?」
寝起きの悪い子供のようにアレックスによって起こされ抱きしめられた。宥めるような優しいキスを受けた後は、アレックスの母乳タイムとなり両胸を飲まれ満足なアレックスの表情に複雑な感情を抱いた。二人でお風呂へ向かい洗いっこになった。
エッチな異世界ってこんなにもエッチをし過ぎちゃうものなのかな?他の転生者さんもこんな感じなのかな?僕は獣人になっちゃったから皆の性欲を受け止める事が出来るけど、以前の僕ではライの全力を受け止めることすら無理だった。アレックスの胸に凭れ浴槽に浸かりながら、僕はいるのか分からない転生者を心配していた。
お風呂から上がり身だしなみを整え食堂へと向かい、食堂につき皆で朝食を迎えた。
今日はアデルバード様の家庭教師がお休みなので「お話しがしたいでしゅ。」とキラキラした目で言われてしまえばお断りなんて出来るはずがない。
談話室に移動し、ソファには隣同士に座った。アデルバード様は五歳でありながら利発で礼儀作法も身に付けていた。幼い子供にしては優秀過ぎるのではと感じ何処が寂しくもあった。
子供のうちは子供らしく遊びたいだろうに…。
「アデルバード様はお義兄様…お父様に似てますね。」
「本当でしゅか?僕はお父様みたいになりたいでしゅ。」
「アデルバード様ならきっとなれますよ。」
「んふふ、はいっ。」
「あぁ、可愛い。」
「むっ、僕は格好いいがいいでしゅ。」
「んっ、そうですねアデルバード様は格好いいです。」
「僕の事好きでしゅか?」
「うん、アデルバード様大好きです。」
「んふふ」
「可愛い」
「きゃっぁはっはっ」
あまりの可愛さに抱きしめてしまった。
きっと、アドルフに会えない寂しさが出てしまったんだと思う。
「フィンコックしゃま、僕はそんなに子供じゃありましぇんよ。」
…その言葉に胸が締め付けられた。
いくら貴族でも子供のうちは親に…大人に甘えても良いと思う。
子供へのスキンシップは大事なのに…。
「フィンコックしゃま?」
「寂しくなったゃった…アデルバード様、ぎゅっとして。」
「…ふふ、フィンコックしゃまは子供でしゅね。いいでしゅよ。」
小さな手が僕の背中に回り、ぎゅっと抱き締めてくれた。
「子供が二人…。」
むっ声は似てても誰が言ったか分かるからねっ。
ゆっくり離れると、アデルバード様が僕が着ているアレックスの服を掴んでいた。
何となくだけど、その仕草は普段の寂しさから来るものだと判断出来た。
人様の家族だから口出しは出来ないけど、スキンシップが無いのは寂しいんじゃないかな?
…はっしまった…なにも考えずに抱きしめてしまったが、よそ様の子供に抱きついたらセクハラ問題に…。ご両親の目の前で、親戚に当たるとは言えこれはアウトだよね…。日本だったら厳重注意二度目は接近禁止だよね?きっと…。
なんとか空気を変えなければ…。
「アデルバード様は普段どんな事をしているんですか?」
「普段?お勉強でしゅ。」
「お勉強がお休みの時は何を?」
「ん~っと、お庭を見たり本を読んだり?」
「どんな本が好きですか?」
「冒険のお話しっ。」
「冒険かぁ。」
「見たい?」
「見せてくれるの?」
「うんいいよ。」
アデルバード様はソファから降りて取りに行こうとしたが、お義兄様に止められた。
その瞬間とても悲しそうな表情が印象的だった。
「本のタイトルはなんだ?使用人に取りに行かせる。」
止められたのは絵本を読むことではなく、自ら取りに行くことをだった。
「…はい、タイトルはとうがん島の冒険でしゅ。」
使用人が手にしている本は五人の男の子と大人の人が描かれていた。
絵本を開いてアデルバード様が一生懸命読んでくれる。
内容としては、五人の子供たちが孤児院の先生と一緒に散歩していると雨が降りだす。
六人は小さな小屋で一晩を過ごす。
目覚めて外に出るとそこは見知らぬ場所で、そこから冒険が始まる。
この話は僕が子供の頃にアニメにされていて、物語りにそった曲まである。
「この物語には歌があるんだよ?」
「…歌?でしゅか?」
「そっお歌っ。」
「わぁ聞きたいでしゅっ。」
あっ今僕アデルバード様の「聞きたい」待ちしちゃったかも。
「ふふ、いくよ。」
あの有名な曲を歌った。
ノリノリで歌うも反応は…この国には童謡などはなく変な歌を歌っていると思われ、アデルバード様だけでなくアレックスもお義父様やお義兄様、ルパート様も僕を瞬きせずに注視していた。
「………。」
歌い終わると気まづい空気が流れ、温度差を感じた。
今この部屋って僕一人じゃないよね?
「あははは初めて聴きました。もう一度、もう一度歌ってくだしゃい。」
アデルバード様には気にいられアンコールをされたので、嬉しくなってもう一度歌った。
その後はアデルバード様も一緒に歌っていたらいつの間にかお昼になっていて、子供と一緒にいると時間が過ぎるのはあっという間だった。
優しくもあるアレックスの言葉は残酷。
僕だけがアレックスを好きみたい…。
「…アレックス…僕の事…好き?」
「?ふふ、勿論。」
首に痛い程の痕を残され、意識がそちらに向くとするりと僕の中からアレックスが居なくなった。
「ふにゃぁん…」
「ルゥ…卒業したら私の子を必ず産んで貰いますからね?」
「んっ」
お腹に手を当てられ奥へと滑り込むと、僕の嫌いな魔法が使われ悄然としてベッドに横たわっていた。
「ルゥ?」
寝起きの悪い子供のようにアレックスによって起こされ抱きしめられた。宥めるような優しいキスを受けた後は、アレックスの母乳タイムとなり両胸を飲まれ満足なアレックスの表情に複雑な感情を抱いた。二人でお風呂へ向かい洗いっこになった。
エッチな異世界ってこんなにもエッチをし過ぎちゃうものなのかな?他の転生者さんもこんな感じなのかな?僕は獣人になっちゃったから皆の性欲を受け止める事が出来るけど、以前の僕ではライの全力を受け止めることすら無理だった。アレックスの胸に凭れ浴槽に浸かりながら、僕はいるのか分からない転生者を心配していた。
お風呂から上がり身だしなみを整え食堂へと向かい、食堂につき皆で朝食を迎えた。
今日はアデルバード様の家庭教師がお休みなので「お話しがしたいでしゅ。」とキラキラした目で言われてしまえばお断りなんて出来るはずがない。
談話室に移動し、ソファには隣同士に座った。アデルバード様は五歳でありながら利発で礼儀作法も身に付けていた。幼い子供にしては優秀過ぎるのではと感じ何処が寂しくもあった。
子供のうちは子供らしく遊びたいだろうに…。
「アデルバード様はお義兄様…お父様に似てますね。」
「本当でしゅか?僕はお父様みたいになりたいでしゅ。」
「アデルバード様ならきっとなれますよ。」
「んふふ、はいっ。」
「あぁ、可愛い。」
「むっ、僕は格好いいがいいでしゅ。」
「んっ、そうですねアデルバード様は格好いいです。」
「僕の事好きでしゅか?」
「うん、アデルバード様大好きです。」
「んふふ」
「可愛い」
「きゃっぁはっはっ」
あまりの可愛さに抱きしめてしまった。
きっと、アドルフに会えない寂しさが出てしまったんだと思う。
「フィンコックしゃま、僕はそんなに子供じゃありましぇんよ。」
…その言葉に胸が締め付けられた。
いくら貴族でも子供のうちは親に…大人に甘えても良いと思う。
子供へのスキンシップは大事なのに…。
「フィンコックしゃま?」
「寂しくなったゃった…アデルバード様、ぎゅっとして。」
「…ふふ、フィンコックしゃまは子供でしゅね。いいでしゅよ。」
小さな手が僕の背中に回り、ぎゅっと抱き締めてくれた。
「子供が二人…。」
むっ声は似てても誰が言ったか分かるからねっ。
ゆっくり離れると、アデルバード様が僕が着ているアレックスの服を掴んでいた。
何となくだけど、その仕草は普段の寂しさから来るものだと判断出来た。
人様の家族だから口出しは出来ないけど、スキンシップが無いのは寂しいんじゃないかな?
…はっしまった…なにも考えずに抱きしめてしまったが、よそ様の子供に抱きついたらセクハラ問題に…。ご両親の目の前で、親戚に当たるとは言えこれはアウトだよね…。日本だったら厳重注意二度目は接近禁止だよね?きっと…。
なんとか空気を変えなければ…。
「アデルバード様は普段どんな事をしているんですか?」
「普段?お勉強でしゅ。」
「お勉強がお休みの時は何を?」
「ん~っと、お庭を見たり本を読んだり?」
「どんな本が好きですか?」
「冒険のお話しっ。」
「冒険かぁ。」
「見たい?」
「見せてくれるの?」
「うんいいよ。」
アデルバード様はソファから降りて取りに行こうとしたが、お義兄様に止められた。
その瞬間とても悲しそうな表情が印象的だった。
「本のタイトルはなんだ?使用人に取りに行かせる。」
止められたのは絵本を読むことではなく、自ら取りに行くことをだった。
「…はい、タイトルはとうがん島の冒険でしゅ。」
使用人が手にしている本は五人の男の子と大人の人が描かれていた。
絵本を開いてアデルバード様が一生懸命読んでくれる。
内容としては、五人の子供たちが孤児院の先生と一緒に散歩していると雨が降りだす。
六人は小さな小屋で一晩を過ごす。
目覚めて外に出るとそこは見知らぬ場所で、そこから冒険が始まる。
この話は僕が子供の頃にアニメにされていて、物語りにそった曲まである。
「この物語には歌があるんだよ?」
「…歌?でしゅか?」
「そっお歌っ。」
「わぁ聞きたいでしゅっ。」
あっ今僕アデルバード様の「聞きたい」待ちしちゃったかも。
「ふふ、いくよ。」
あの有名な曲を歌った。
ノリノリで歌うも反応は…この国には童謡などはなく変な歌を歌っていると思われ、アデルバード様だけでなくアレックスもお義父様やお義兄様、ルパート様も僕を瞬きせずに注視していた。
「………。」
歌い終わると気まづい空気が流れ、温度差を感じた。
今この部屋って僕一人じゃないよね?
「あははは初めて聴きました。もう一度、もう一度歌ってくだしゃい。」
アデルバード様には気にいられアンコールをされたので、嬉しくなってもう一度歌った。
その後はアデルバード様も一緒に歌っていたらいつの間にかお昼になっていて、子供と一緒にいると時間が過ぎるのはあっという間だった。
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