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二章 ハーレムルート

流石魔道具

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ガチャ

「アレッサンドロ、アレクサンダーに説明を終えたのか?」

談話室に入ってきたのはお義父様だった。

「はい」

「では、次は私だな。」

お義父様は何か小さな箱を持ちながら再び僕の前に。

「にゃあん?」

「…フィンコック様…ですよね?」

「にゃんにゃん」

猫の姿でお義父様に会うのは初めてかも…。
僕は大きく頷いた。

「丁度良いかもしれないな。」

お義父様はソファに座り手にしていた箱を開けた。
中身が気になる僕はアレックスの膝の上から身体を伸ばして好奇心を押さえられなかった。
お義父様が手にしているのは人間用であればブレスレット、猫用であれば首輪サイズのものだった。

「こちらをフィンコック様に受け取って欲しく思います。」

「にゃっ…にゃあにゃあ」

お義父様の手の中にあるブレスレット首輪は宝石がついたもので値段なんて想像は出来ないが高いものだろうと推測でき、首を振った。

「これは追跡魔法が組み込まれております、万が一フィンコック様に何かあった時には位置を確認出来るようになっております。」

「にゃぁ」

魔道具ってやつですか、始めてみる普通のブレスレットにしか見えない。
これは、魔法省の特権だったりしますか?

「我々が安心出来るように着けては頂けませんか?」

お義父様に言われると断りにくく、どうしたら良いのかアレックスを見上げた。

「私からもお願いします、着けてください。」

「…にゃん」

アレックスにも言われちゃったので貰うことにした。
僕は頷き…アクセサリーは腕?首?どっちのだろう?
…人間の姿に戻った方がいいんだよね?

「腕にどうぞ。」

にゃ?」

サイズが全く違うけどいけるの?

何度もアクセサリーとお義父様の顔を交互に見ても「さぁ、どうぞ」という表情を崩さなかった。
恐る恐る手を潜らせた。

しゅるしゅるしゅる

「にゃ゛っ」

アクセサリーが縮んで、猫の僕の手首にぴったりサイズになった。
外れないか確認するために手を振ったり掲げたりした。

「ふふ、外れないようですね?」

にゃん外れません

腕をフリフリして、皆に見せた。
見て見て外れないどころかピタッとして動かないの。

「そのアクセサリーは自在に大きさを変えることが出来るので、人間の姿になってもアクセサリー自体がサイズを変えます。」

にゃぁ流石魔法

「人間の姿でも確認して欲しいのですが…。」

「にゃん」

ポ…。

「こらっ、ここで人間に戻るつもりではないですよね?」

にゃぁダメ?」

「私の家族にあなたの裸を晒すつもりですか?」

「…にゃ゛っそうでした

「着替えてきますので少々お待ちください。」

アレックスに抱き上げられ談話室を後にして、別の部屋に向かっている。

抱き上げられ移動しているが、僕は服を談話室に忘れてきちゃったけど良いのかな?

にゃぁにゃぁにゃぁにゃぁにゃぁ服置いてきちゃったけど良いの?」

「人間に戻ってから聞きます。今は私の部屋に向かってるのでもうすぐです。」

アレックスの部屋に付きベッドに下ろされた。

アレックスのベッドだぁ。

ジャンプジャンプ、ふふふ、枕にダイブ。
クンクンクンクン。
枕に抱きつき匂いを確認すれば…

アレックスだっ。

「眠いんですか?」

「んにゃっ」

「全く、あなたという人は。婚約者の家族に会うのに他の男の服を着てくるなんて…」

にゃっあっ

確かに。

「まさかとは思いますが他の皆さんの屋敷でも?」

「………。」

僕の服はライの家に置いてきちゃって、それから皆の服を着てる…。
皆の香りがして落ち着くから深くは考えていなかったけど…皆気付いていたよね?

サイズなんて全くあってない服で婚約者の家族に挨拶しにいっていたなんて…。

リックは猫の姿だったからセーフだけど…。

うわぁっ…挨拶失敗してるどころか問題児…破廉恥に映ったのでは?

僕やらかしてる…。

時間って巻き戻ったりしませんか?…神様どうかお願い。
猫の姿で落ち込んでいる姿を後ろから哀れむような視線を受けていたなんて気付ける余裕が僕にはなかった。
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