255 / 414
二章 ハーレムルート
また来まず…ぅっう゛っう゛
しおりを挟む
なんとか身支度を整え遅めの朝食を頂き、アレックスが来るまで談話室で待っていた。
アレックスは学園から直接向かってくる予定なので、時間は不確かの為屋敷の前で出迎える事はなかった。
逆上せてソファで寛いでいた後、僕達は致すことなく健全な婚約者をしていた。
それでも今日までのリックは、朝食前に僕の母乳を飲み切っていた。
皆、お泊まり終了日には必ず母乳を飲み切るという行為をするのはそんなにも母乳は美味しいかな?
赤ちゃんだけじゃなく大人も好きな味なの?
疑問に思いながらも使用人の登場でアレックスが到着したのを知り、皆で玄関ホールまで行くと、久しぶりのアレックスの姿があった。
リックと現れた僕の全身を確認するように上から下まで視線が動き、数秒見つめあい笑顔を見せてくれた。
僕は今何を確認されたの?
アレックスとリックが話している間、僕はリックの家族に挨拶をしていた。
フランクリン様とはコロッケのソースと餃子のタネについて話し、婚約者が出来た暁には必ず紹介するので来てくださいとお誘いいただいた。
食の力は恐るべし。
こうなるって知っていたら、もっとお母さんの手伝いして覚えておくんだったと思ってしまう。
お義父様とはリックの事を話した。
「フレデリックのあの笑顔を引き出してくれてありがとう…フレデリックは優し過ぎて感情の起伏が余りなかったんだ。特に固執や執着とは無縁だと思っていてね。それは常に冷静を保ち、乱されることなく貴族としては良いことではあるが、親からするとどこか不安もあった。フィンコック様といる時には自己主張をするようになって安心した。多少度が過ぎているのではと感じたが、私はフィンコック様に感謝している。」
「あっいえ、そんな…。僕はリックに甘えてばかりで困らせちゃってます…これからはもっとリックの支えになるように頑張りますので、よろしくお願い致します。」
「ふっ、ありがとう。…私達は感謝してるから、あまり妻に怯えないでくれ。」
「ふぇつ」
おおおお怯えてたの気付いておらっしゃったんですの?
お義父様は忙しく一緒に居られる時間は少なかったのに…。
「妻はあれでもフィンコック様を好いています。お互いが傷付かない選択をして欲しかっただけなんだ。」
「…そうなんですね。僕…勘違いを…お義母様に謝らないと…。」
「そんなことはしなくて良い。また、来てくれるだけで。」
「はい゛沢゛山゛来ま゛ずっう゛っう゛っ…。」
涙こらえたら言葉に力が入り込み、大量の濁点がついてしまった。
「もう、なに泣いてんの?今生の別れじゃないんだから。ほら泣かないのっ。」
子供をあやすようにお義母様に抱き締められ、背中をポンポンされた。
「う゛っう゛っう゛っお義母様゛。」
「そんな泣き虫でどうするの?これからもフィンコック様にはいろんな試練があるんだから強くなりなさい。フレデリックだけでなく皆と一緒になることを選んだんでしょ?この程度で泣き言言ってると返して貰うよ?」
「や゛だぁ、リッグど別れだぐない゛。」
「なら、泣かないのっ。」
ぱん
「にゃ゛ん」
お尻を軽くだけと叩かれ根性を入れられた。
「フレデリックの事、よろしくね。」
耳元で囁く声に僕は力強く頷いた。
「シャルマンどうしたの?」
「…リッグ…」
お義母様の腕の中から押し出され、リックの腕の中にいた。
「四日後にはまたシャルマンの屋敷に行くからすぐ逢えるよ?」
「うん゛ちゃんと来てね。」
「勿論。」
涙を指で拭われ、唇をを重ねた。
お義母様達や使用人…アレックスも居たが少し長めのキスをした。
唇が離れ代わりにコツンとおでこを重ね「大丈夫、すぐだから」と宥められる。
僕がこれから別の婚約者のところに行くのに、優しく送り出してくれるリック。
優しすぎるから僕は我が儘でリックを繋ぎ止めておきたくなるんだ。
「リック…毎日僕の事、思い出してね。」
「うん。」
「約束だよ。」
「約束。」
おでこが離れアレックスの元までエスコートされた。
リックは僕の背中を押すように歩き、アレックスは僕が来るのを静かに待っていてくれた。
リックからアレックスの手に僕が受け渡された。
「よろしくねお願いします。」
「あぁ」
リックとアレックスのやり取りを僕は邪魔することなく眺めていた。
二人が精神的に大人なのか僕が子供なのか、嫌になったりしないのかな?嫉妬とか喧嘩にならないのかな?と幼稚な疑問を抱いていた。
二人が…皆が既に負の感情を乗り越え、限られた自分の時間を僕の事だけを考え愛することに集中すると結論を出していることに全く気付いていなかった。
二人に導かれるようにアレックスの馬車に乗り、リックの屋敷を離れていった。
馬車の中から手を振れば皆が笑顔で返してくれる。
皆の姿が見えなくなるまで外を眺めた。
アレックスは学園から直接向かってくる予定なので、時間は不確かの為屋敷の前で出迎える事はなかった。
逆上せてソファで寛いでいた後、僕達は致すことなく健全な婚約者をしていた。
それでも今日までのリックは、朝食前に僕の母乳を飲み切っていた。
皆、お泊まり終了日には必ず母乳を飲み切るという行為をするのはそんなにも母乳は美味しいかな?
赤ちゃんだけじゃなく大人も好きな味なの?
疑問に思いながらも使用人の登場でアレックスが到着したのを知り、皆で玄関ホールまで行くと、久しぶりのアレックスの姿があった。
リックと現れた僕の全身を確認するように上から下まで視線が動き、数秒見つめあい笑顔を見せてくれた。
僕は今何を確認されたの?
アレックスとリックが話している間、僕はリックの家族に挨拶をしていた。
フランクリン様とはコロッケのソースと餃子のタネについて話し、婚約者が出来た暁には必ず紹介するので来てくださいとお誘いいただいた。
食の力は恐るべし。
こうなるって知っていたら、もっとお母さんの手伝いして覚えておくんだったと思ってしまう。
お義父様とはリックの事を話した。
「フレデリックのあの笑顔を引き出してくれてありがとう…フレデリックは優し過ぎて感情の起伏が余りなかったんだ。特に固執や執着とは無縁だと思っていてね。それは常に冷静を保ち、乱されることなく貴族としては良いことではあるが、親からするとどこか不安もあった。フィンコック様といる時には自己主張をするようになって安心した。多少度が過ぎているのではと感じたが、私はフィンコック様に感謝している。」
「あっいえ、そんな…。僕はリックに甘えてばかりで困らせちゃってます…これからはもっとリックの支えになるように頑張りますので、よろしくお願い致します。」
「ふっ、ありがとう。…私達は感謝してるから、あまり妻に怯えないでくれ。」
「ふぇつ」
おおおお怯えてたの気付いておらっしゃったんですの?
お義父様は忙しく一緒に居られる時間は少なかったのに…。
「妻はあれでもフィンコック様を好いています。お互いが傷付かない選択をして欲しかっただけなんだ。」
「…そうなんですね。僕…勘違いを…お義母様に謝らないと…。」
「そんなことはしなくて良い。また、来てくれるだけで。」
「はい゛沢゛山゛来ま゛ずっう゛っう゛っ…。」
涙こらえたら言葉に力が入り込み、大量の濁点がついてしまった。
「もう、なに泣いてんの?今生の別れじゃないんだから。ほら泣かないのっ。」
子供をあやすようにお義母様に抱き締められ、背中をポンポンされた。
「う゛っう゛っう゛っお義母様゛。」
「そんな泣き虫でどうするの?これからもフィンコック様にはいろんな試練があるんだから強くなりなさい。フレデリックだけでなく皆と一緒になることを選んだんでしょ?この程度で泣き言言ってると返して貰うよ?」
「や゛だぁ、リッグど別れだぐない゛。」
「なら、泣かないのっ。」
ぱん
「にゃ゛ん」
お尻を軽くだけと叩かれ根性を入れられた。
「フレデリックの事、よろしくね。」
耳元で囁く声に僕は力強く頷いた。
「シャルマンどうしたの?」
「…リッグ…」
お義母様の腕の中から押し出され、リックの腕の中にいた。
「四日後にはまたシャルマンの屋敷に行くからすぐ逢えるよ?」
「うん゛ちゃんと来てね。」
「勿論。」
涙を指で拭われ、唇をを重ねた。
お義母様達や使用人…アレックスも居たが少し長めのキスをした。
唇が離れ代わりにコツンとおでこを重ね「大丈夫、すぐだから」と宥められる。
僕がこれから別の婚約者のところに行くのに、優しく送り出してくれるリック。
優しすぎるから僕は我が儘でリックを繋ぎ止めておきたくなるんだ。
「リック…毎日僕の事、思い出してね。」
「うん。」
「約束だよ。」
「約束。」
おでこが離れアレックスの元までエスコートされた。
リックは僕の背中を押すように歩き、アレックスは僕が来るのを静かに待っていてくれた。
リックからアレックスの手に僕が受け渡された。
「よろしくねお願いします。」
「あぁ」
リックとアレックスのやり取りを僕は邪魔することなく眺めていた。
二人が精神的に大人なのか僕が子供なのか、嫌になったりしないのかな?嫉妬とか喧嘩にならないのかな?と幼稚な疑問を抱いていた。
二人が…皆が既に負の感情を乗り越え、限られた自分の時間を僕の事だけを考え愛することに集中すると結論を出していることに全く気付いていなかった。
二人に導かれるようにアレックスの馬車に乗り、リックの屋敷を離れていった。
馬車の中から手を振れば皆が笑顔で返してくれる。
皆の姿が見えなくなるまで外を眺めた。
22
お気に入りに追加
2,875
あなたにおすすめの小説
博愛主義の成れの果て
135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。
俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。
そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
[離婚宣告]平凡オメガは結婚式当日にアルファから離婚されたのに反撃できません
月歌(ツキウタ)
BL
結婚式の当日に平凡オメガはアルファから離婚を切り出された。お色直しの衣装係がアルファの運命の番だったから、離婚してくれって酷くない?
☆表紙絵
AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
当たり前の幸せ
ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。
初投稿なので色々矛盾などご容赦を。
ゆっくり更新します。
すみません名前変えました。
「イケメン滅びろ」って呪ったら
竜也りく
BL
うわー……。
廊下の向こうから我が校きってのイケメン佐々木が、女どもを引き連れてこっちに向かって歩いてくるのを発見し、オレは心の中で盛大にため息をついた。大名行列かよ。
「チッ、イケメン滅びろ」
つい口からそんな言葉が転がり出た瞬間。
「うわっ!?」
腕をグイッと後ろに引っ張られたかと思ったら、暗がりに引きずり込まれ、目の前で扉が閉まった。
--------
腹黒系イケメン攻×ちょっとだけお人好しなフツメン受
※毎回2000文字程度
※『小説家になろう』でも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる