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二章 ハーレムルート

寝たふりの後は本当に寝ちゃった

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僕は皆の会話を知らないという事になっているが、実際はバッチリ聞いちゃってる。
どうやって起きるべきか悩んでいたら、リックの腕の中が気持ち良すぎて本当に寝ちゃってたけど…。

なので、その後どんな会話をされていたかは知らないがお義母様の本音を聞いてから、これ以上嫌われないようにしないとって緊張感が生まれた。
だからなのか夢の中でもこれからの事で不安と向き合っていた。
今後は挨拶以上の緊張が続くんだと思うと不安で胸が苦しい。
嫁不合格認定されないようにしないと…加点されることはないが、減点方式で採点されるんだと勝手に思い込んでいた。

これから長い時間を掛けて終わりの無い嫁認定が始まるんだ…。

皆と結婚するっていうのは楽しいことだけじゃなくて、家族から信頼を得るには人数分以上の努力が必要。
僕は楽観的というより、現実から目を背けている事の方が多いと自覚している。
これからはちゃんとしないと、皆だけじゃなく皆の家族にも認められる人間にならないといけないんだ。
シャルマン フィンコックという人間には、偶然与えられた価値しかない。
公爵家という家柄も、百年ぶりの獣人という体質も僕の意思ではない。
自らの努力で手に入れたものなんて、何一つ無い。
僕はもっとちゃんと頑張らなきゃいけないんだ。

何を頑張らなきゃいけないのか…まずはそこからだよね…。

何を頑張ろう…僕に出来ること…。
日本で勉強したことで、この国に役立つことってなんだろう?
僕が解決できることは既に魔法で解決されちゃってるだろうし、今後もきっとそうだろう…。

異世界に来た人ってどうやって国に貢献してるのかな?

僕だけが転生・転移・憑依?どれに当てはまるのか分からないけど、したってことはないと思うんだよね。
普通の高校生だった僕が「特別」に異世界でもう一度人生をってのは無いと思うんだよね。

「僕だけは大丈夫」「僕は特別」…なんて思ったことは一度もない。

いつもその他大勢であり、目立たない存在が僕だった。
誰にも気付かれない、ずっと一人だった僕。
こんな僕があんな素敵な人達の婚約者になれるなんて…本当にこれは現実なのかな?

僕は長い夢を見ているのかな?

だって…僕がこんな幸せになるなんて…信じられない。
もしかしたら神様は僕を誰かと間違えていたりするんじゃないかな?
本当はもっと特別な人にシャルマンをして貰う予定だったんじゃないかな…。
もし…神様が僕とその人を見つけちゃったら、交換されて僕はいなくなっちゃうのかな…。
シャルマンに入る予定だった子は、この世界で別の人に入っちゃってたりするのかな?
身体…返してって言われたら…返さなきゃ…だめ…なんだよね?

皆と…離れたくないよ…。

僕頑張るから…良い子になるから…このままシャルマン フィンコックで居させてください。

神様お願いします、好きな人達と一緒に居させてください。
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