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二章 ハーレムルート

エッチしかしてない

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昼食の時間までもうすぐの時間になっていた。

「にゃぁあんにゃぁあん…にゃっ?」

にゃいてる…?
リックに抱きついていた手を離し耳に手をやるとモフモフしていた。

「あにゃっ」

「…ふっうん、耳と尻尾出てるよ。」

「にゃぁあん」

「可愛いよ。」

リックは僕の耳を触りだした。
擽ったくて気持ちいい。
もっと触って欲しい…。

「もう抜くよ?」

「ふにゃぁあ…にゃん…ふにゃっふにゃっ」

「そんな悲しい声出さないで…」

無理…いにゃくにゃると淋しいよ…。
抱きついて押し倒し体勢を変え、リックの逞しい身体の上にいる。
優しく頭を撫でてくれる手がすき。
激しい運動をしていたのでリックの香りが強く、汗が宝石のようにキラキラと輝いていた。

僕は無意識にリックの汗を舐めていた。

「擽ったい…ふふっ、美味しいの?」

「んにゃぁん…おいちぃ」

リックの汗を全て舐めとるように、一生懸命ペロペロと舌で掬った。

「シャルマン?」

「にゃぁん」

夢中で舐め続けていたが、名前を呼ばれリックの唇に視線が奪われた。
キスしたい。
本能に従いリックの唇を舐めた。

「…あ゛っ」

舐めていた舌を咥えられ吸われ口の中に引き込まれ、そのまま舌を絡めた。
キスを堪能していたが遂に「もっ…だめ…」と、音をあげてしまった。
キス好きなのに息が…それに身体を支えていた腕も痺れてきて、唇を離してリックの胸の上に倒れこんでしまう。

「…リック…ずっと側にいてくれる?」

「…もちろん。」

「他の人の所に行ったりしない?」

「…僕にはシャルマンだけだよ。」

「…ぅん」

僕は酷いことを言ってる自覚はある。
自分が一人じゃないのに相手には僕だけを求めてる。

…最低だ。

「シャルマン…お風呂入ろっか?」

「…んにゃっ。」

「お尻綺麗にしながら、またしてもいい?」

「…ふふっ…んっ…ちて…沢山リックの欲ちぃ。」

裸で立ち上がり落ちているバスローブを身に付けるリックをお布団の中から眺めていた。
リック達の身体って、後ろ姿も綺麗。
服を着ると大きく見える僕と違って、リック達は着痩せするタイプだ。
あの言葉が似合うほどの身体をしてる。

有名な台詞「私脱ぐと凄いんです。」を表していた。

「お風呂行かない?」

お布団から出ずに、遂リックの身体で妄想してしまっていた。

「んにゃっ…行く。」

手渡されたバスローブを着てお布団から漸く出て、床に降り立つとすぐさまリックに抱き付いた。
密着した体制でお風呂場に向かい、全身を洗われ綺麗になった後再びリックを受け入れた。
最終的には洗浄魔法を掛けられ、大好きな泡風呂に浸かるんだけどね。
お風呂の中でリックに尻尾を撫でられ続けた。
尻尾撫でられるの気持ち良くてエッチな気分になっちゃうんだけど、リックには言わないでいた。
僕の理性の限界が近付けば、またしてくれるのではと期待しているから。
だけど、リックはもう少しって所で手を引いてしまう。

こんなにエッチしたいの僕だけなの?

不満を抱えながらお風呂を後にして今日初めての食事をした。
朝食に現れなかったことについては誰も触れてこなかった。

良かった。

エッチしていて来ることが出来ませんでしたとは言いづらい。
きっと気付いていて触れないでいてくれる大人の優しさだった。
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