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二章 ハーレムルート
皆と仲良くなれたらいいな
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僕が出来る料理ってないかなぁ。
ん~この世界で料理って簡単なものじゃないよね、調味料も野菜も違うから難しい。
カレーとか食べたいけど香辛料からだと僕には無理。
コロッケなら出来るかな?
ここまで期待されて失敗するの怖いな…
。
コロッケ…塩ゆでしたジャガイモとみじん切りにして炒めた玉ねぎにバターと挽き肉入れて味を整えてから先程のジャガイモを潰して混ぜて形を整えて玉子パン粉に付けて揚げる。
ざっくりとは想像できるけど…出来る気がしない。
練習したいな…。
「ん゛ー」
「どうした?」
知らぬまに声に出して唸っていたようで、リックに心配されてしまった。
「ふぇっあっんうん…知ってる料理があるんだけど、作れるか不安で…」
今思ってることを素直に伝えた。
「えー作ってみてください。」
フランクリン様に期待されるも不安の方が大きくなってきた。
美味しくないって思われたらどうしよう…。
失敗してもそれは僕が作るからであって、本物のコロッケは美味しい食べ物だと思って欲しい。
「練習してないから失敗するかも…。」
「なら我が家で完成させればいいんです。シェフと一緒に僕も手伝いますっ。」
キラキラした目で言われると断れなくなってしまった。
「んっうん…だけど、今は夕食の準備で忙しいんじゃないかな?」
「多少遅れても問題ありません。ねっ」
必死なフランクリン様にお母さんもリックも頷いていた。
何処の家族も下の子には甘いのかな?
僕の家族と一緒だ。
恐ろしいことに皆で調理場に向かい僕が料理することになってしまった。
突然調理場に奥様やご令息が現れたことで料理人皆に緊張が走った。
そして、見慣れない僕の「料理します」宣言に一同困惑しかなかった。
ごめんなさい、僕もこうなるなんて予測できていませんでした。
「あっあの…お忙しい時間に申し訳ありません。少しだけお邪魔させてください。」
調理場にいた全員に頭を下げた。
「いやっ、頭をあげてください。旦那様の許可があるのであれば、我々からは何もありませんので。」
「はい、ありがとうございます。」
それから僕はジャガイモを沢山もらい、芽を取り皮を剥いた。
僕の焦れったい姿にしびれを切らしたのか皆が手伝ってくれた。
塩ゆでしている間に玉ねぎをみじん切りにしていると涙が溢れてしまい新人の料理人が変わってくれた。
なんて役に立たない僕なんだ。
その後は僕が指示をして皆が動いてくれることになりました。
きっと、早く僕を追い出して夕食の準備をしたかったに違いない。
貴族の常備肉として挽き肉が無かったので塊のお肉を細かくすることにした。
勿体なく思ったがシェフに聞くと挽き肉として売っていることは無く、このように料理することもあると聞いた。
安心したので調理に戻った。
玉ねぎと一緒に挽き肉を炒めバターも入れて塩コショウで整え、ジャガイモの方は形が残らないくらい潰す事に皆指示通り動いてくれていた。
どんな料理を作るのか?と疑問に思いながらも貴族の僕に指摘が出来ない雰囲気だったのはなんとなく感じていた。
僕としては今のところ上手くいっているんだけどな…。
二つを混ぜ合わせて手のひら大の大きさの楕円形を作り、小麦粉、溶き卵、パン粉を付けて油で揚げきつね色になるまで揚げて完成した。
見た目は…完璧なんだけどな…。
どうだろう?
一口大に切り食べてみた。
「うん、んふふ」
上手く出来たんじゃないたろうか。
皆僕の反応に「え?どっち?」という表情だった。
「フィンコック様?僕もいいですか?」
「はい」
フランクリン様に、リック、お義母様が味見をした。
「んっ、何これホクホクで美味しいです。」
「旨いな。」
「こんなの初めて美味しい。」
ふふ、コロッケは日本の料理だからね。
上手に出来て良かった。
「…あの…我々も宜しいでしょうか?」
手伝ってくれた僕は勝手に料理長だと思っている人が試食を名乗り出てくれた。
「はいっどうぞ…」
プロの人に受け入れられるのか不安で、ゆっくり味わって食べる姿を僕は目を逸らすこと無く見続けた。
「これはっ新たな料理です…フィンコック様が考案したのですか?」
「お母さんがっあっ…。」
しまった。
お母さんは日本のお母さんで今のお母様ではない。
「もしや、秘伝のレシピですか?」
「………。」
なんて答えたらいいんだろうか。
「このような貴重な料理に出会え感激しております。」
「いえっそんな大層なものでは…。」
「我々も安易に広めたりは致しませんのでご安心ください。」
「いえっそんな大袈裟なものでは…。」
「フィンコック様?」
良かった。
このままだとなんか凄いことをした人扱いで気まずかったので、フランクリン様に話題を変えられ安心した。
「はい。」
「この料理を聞いちゃって良かったのですか?」
話が戻ってしまった。
「いいの、いいの。この料理を気に入ってくれたなら素敵な人と婚約する時にアピールする時に使って。」
「アピール?」
「そう、好きな人がいたらまずは胃袋を掴めってって言葉があるんだから。」
「そうなんですか?」
「あれ?無いの?」
咄嗟に聞き返してしまった。
この世界にはないの?
…あっ、貴族は自分で料理しないから料理を覚えなくていいのか。
「ありがとうございます。いつか婚約したい人が現れたら披露させていただきます。」
「うんっ。あっ…でもこれに合うソースが分からなくて…。」
「それは我々に任せてください。」
料理長さんから頼もしい提案だった。
「いいんですか?」
「勿論です。」
「なら、宜しくお願いします。…エヘヘ、リックゥ。」
料理が上手くいきリックに甘えたくなった。
「ん?」
「美味しかった?」
「あぁ、旨かったよ。」
「んふふ、良かった。」
夕食はコロッケが現れお義父様にも食べていただいた。
緊張しながら感想を聞けば「んっ、これは旨いなぁ」と言葉を頂いた。
えへへ、婚約者の挨拶は成功かな?
あっ…もしかしてこれって社交辞令でしたか?
ん~この世界で料理って簡単なものじゃないよね、調味料も野菜も違うから難しい。
カレーとか食べたいけど香辛料からだと僕には無理。
コロッケなら出来るかな?
ここまで期待されて失敗するの怖いな…
。
コロッケ…塩ゆでしたジャガイモとみじん切りにして炒めた玉ねぎにバターと挽き肉入れて味を整えてから先程のジャガイモを潰して混ぜて形を整えて玉子パン粉に付けて揚げる。
ざっくりとは想像できるけど…出来る気がしない。
練習したいな…。
「ん゛ー」
「どうした?」
知らぬまに声に出して唸っていたようで、リックに心配されてしまった。
「ふぇっあっんうん…知ってる料理があるんだけど、作れるか不安で…」
今思ってることを素直に伝えた。
「えー作ってみてください。」
フランクリン様に期待されるも不安の方が大きくなってきた。
美味しくないって思われたらどうしよう…。
失敗してもそれは僕が作るからであって、本物のコロッケは美味しい食べ物だと思って欲しい。
「練習してないから失敗するかも…。」
「なら我が家で完成させればいいんです。シェフと一緒に僕も手伝いますっ。」
キラキラした目で言われると断れなくなってしまった。
「んっうん…だけど、今は夕食の準備で忙しいんじゃないかな?」
「多少遅れても問題ありません。ねっ」
必死なフランクリン様にお母さんもリックも頷いていた。
何処の家族も下の子には甘いのかな?
僕の家族と一緒だ。
恐ろしいことに皆で調理場に向かい僕が料理することになってしまった。
突然調理場に奥様やご令息が現れたことで料理人皆に緊張が走った。
そして、見慣れない僕の「料理します」宣言に一同困惑しかなかった。
ごめんなさい、僕もこうなるなんて予測できていませんでした。
「あっあの…お忙しい時間に申し訳ありません。少しだけお邪魔させてください。」
調理場にいた全員に頭を下げた。
「いやっ、頭をあげてください。旦那様の許可があるのであれば、我々からは何もありませんので。」
「はい、ありがとうございます。」
それから僕はジャガイモを沢山もらい、芽を取り皮を剥いた。
僕の焦れったい姿にしびれを切らしたのか皆が手伝ってくれた。
塩ゆでしている間に玉ねぎをみじん切りにしていると涙が溢れてしまい新人の料理人が変わってくれた。
なんて役に立たない僕なんだ。
その後は僕が指示をして皆が動いてくれることになりました。
きっと、早く僕を追い出して夕食の準備をしたかったに違いない。
貴族の常備肉として挽き肉が無かったので塊のお肉を細かくすることにした。
勿体なく思ったがシェフに聞くと挽き肉として売っていることは無く、このように料理することもあると聞いた。
安心したので調理に戻った。
玉ねぎと一緒に挽き肉を炒めバターも入れて塩コショウで整え、ジャガイモの方は形が残らないくらい潰す事に皆指示通り動いてくれていた。
どんな料理を作るのか?と疑問に思いながらも貴族の僕に指摘が出来ない雰囲気だったのはなんとなく感じていた。
僕としては今のところ上手くいっているんだけどな…。
二つを混ぜ合わせて手のひら大の大きさの楕円形を作り、小麦粉、溶き卵、パン粉を付けて油で揚げきつね色になるまで揚げて完成した。
見た目は…完璧なんだけどな…。
どうだろう?
一口大に切り食べてみた。
「うん、んふふ」
上手く出来たんじゃないたろうか。
皆僕の反応に「え?どっち?」という表情だった。
「フィンコック様?僕もいいですか?」
「はい」
フランクリン様に、リック、お義母様が味見をした。
「んっ、何これホクホクで美味しいです。」
「旨いな。」
「こんなの初めて美味しい。」
ふふ、コロッケは日本の料理だからね。
上手に出来て良かった。
「…あの…我々も宜しいでしょうか?」
手伝ってくれた僕は勝手に料理長だと思っている人が試食を名乗り出てくれた。
「はいっどうぞ…」
プロの人に受け入れられるのか不安で、ゆっくり味わって食べる姿を僕は目を逸らすこと無く見続けた。
「これはっ新たな料理です…フィンコック様が考案したのですか?」
「お母さんがっあっ…。」
しまった。
お母さんは日本のお母さんで今のお母様ではない。
「もしや、秘伝のレシピですか?」
「………。」
なんて答えたらいいんだろうか。
「このような貴重な料理に出会え感激しております。」
「いえっそんな大層なものでは…。」
「我々も安易に広めたりは致しませんのでご安心ください。」
「いえっそんな大袈裟なものでは…。」
「フィンコック様?」
良かった。
このままだとなんか凄いことをした人扱いで気まずかったので、フランクリン様に話題を変えられ安心した。
「はい。」
「この料理を聞いちゃって良かったのですか?」
話が戻ってしまった。
「いいの、いいの。この料理を気に入ってくれたなら素敵な人と婚約する時にアピールする時に使って。」
「アピール?」
「そう、好きな人がいたらまずは胃袋を掴めってって言葉があるんだから。」
「そうなんですか?」
「あれ?無いの?」
咄嗟に聞き返してしまった。
この世界にはないの?
…あっ、貴族は自分で料理しないから料理を覚えなくていいのか。
「ありがとうございます。いつか婚約したい人が現れたら披露させていただきます。」
「うんっ。あっ…でもこれに合うソースが分からなくて…。」
「それは我々に任せてください。」
料理長さんから頼もしい提案だった。
「いいんですか?」
「勿論です。」
「なら、宜しくお願いします。…エヘヘ、リックゥ。」
料理が上手くいきリックに甘えたくなった。
「ん?」
「美味しかった?」
「あぁ、旨かったよ。」
「んふふ、良かった。」
夕食はコロッケが現れお義父様にも食べていただいた。
緊張しながら感想を聞けば「んっ、これは旨いなぁ」と言葉を頂いた。
えへへ、婚約者の挨拶は成功かな?
あっ…もしかしてこれって社交辞令でしたか?
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