【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

天冨七緒

文字の大きさ
上 下
244 / 414
二章 ハーレムルート

恋話

しおりを挟む
服を着てリックに抱えられながら部屋に戻った。

幸運なことに誰にも会うことなく部屋に辿り着くことが出来たが、土で汚れてしまった服を着ているので二人でお風呂に入る事にした。
大好きな柑橘の香りのする泡風呂で身を寄せあう。
エッチも大好きだけど、この瞬間も好きだった。

エッチの後だからかな?

僕の大好きなリックの手を繋ぎながら時間を過ごし、お風呂から上がりもうすぐ昼食の時間なので綺麗な服を着て食堂へ。

僕は今リックと同じ香りで幸せ。

リックの家族との食事にも慣れて十分すぎる程浮かれている。
談話室に移動してソファにリックと座り手を繋ぎながら、真正面にはお義母様とフランクリン様居り何気ない会話の中唐突に

「兄さんも同じ香りですがフィンコック様からもいい香りがしますね?」

香りについてフランクリン様に指摘された。

「ふぇっんっ…うん…僕、お風呂が好きでお気に入りの石鹸があるの。」

「石鹸ですか?僕も教えて欲しいです。」

「学園にも売ってるやつで、僕は好んで柑橘系のを使ってます。」

「そうなんですね。」

同じ香りと言われて内心動揺してしまったが、純粋に香りについて聞かれただけで安心した。

「シャルマン…はい、あーん」

隣に座るリックの手にはクッキーがあり、差し出されるまま食べた。

「いいなぁ…」

「へっ」

フランクリン様はリックにされたいってこと?

「僕も婚約者欲しくなりました。」

あっ、そっちか…。

「そんなに焦ることはないよ。」

お義母様に宥められていた。
僕があからさまにリックとイチャイチャしていたのが悪いのかな…気を付けないと。

「フランクリンはどんな人がいいの?」

「ん~僕は強くて優しくて、兄さんとフィンコック様のような関係になりたいです。」

そんな風に言われるのちょっと嬉しいかもっふふ。
照れながらリックを見つめた。

「フィンコック様は兄さんのどこが良かったですか?」

「えっそっそれは…」

あまりにも突然で全く準備していない質問で、三人の視線から逃れることが出来ず観念した。

「リックは…優しくて、側にいてくれると安心します。とても不安で怖くて辛かった時に手を…握っていてくれたんです。リックに手を握ってもらうと怖くなくなるんです。もう僕の方が手放せないです。」

「素敵、いいなぁそういうの。なら兄さんは?フィンコック様のどこを?」

それは僕も気になります。
食い入るようにリックを見つめて答えを待った。

「シャルマン」

「…んっやっだっだめぇ」

ビックリした。

なんて言ってくれるのか前のめりになりすぎ油断して二人の前でリックにキスされちゃった。
軽くだったけど人前でキスはだめって伝えないと。
キスは好きだけど人前…家族の前だけはダメ。

「シャルマンはギャップかな?」

「ギャップ?」

「そっ。遠巻きで見ていた時は噂ばかり頭に過ってシャルマンの良さに気付かなかったけど、話してみて印象が変わった。特にお祭りに行った時は驚いたよ。身分とか気にせずお店の人に話したと思えば料理をしただろ?あれ美味しかったよ。」

「本当?ふふ、また作る?」

「良いの?」

「勿論。」

僕の好きな料理がリックも好きで嬉しい。

「えっ何作ったんですか?フィンコック様は料理ができるんですか?」

フランクリン様が驚いたように会話に加わった。

「いえ、一品だけです。」

「だけど、誰も知らない料理だったよ?店主も驚いて店で出したいって言ってたし。」

「うわぁ凄い、それ僕も教えて欲しいです。」

「はい。」

「それは気になるね。何を使った料理?」

お義母様も興味があるようで、海の虫と言われる物を使った料理だと話すと二人とも驚いていた。

「海の…」

信じられないと言わんばかりだったが、使用人に頼んで仕入れられるか確認してくれている。
あまり受け入れられている食材ではないし、年中取れるとは思ってはいないがもしかしたら食べられるかなと期待した。

使用人が現れるまで恋話で盛り上がったが、使用人が現れ「やはり時期的に手に入れるのは難しい」との事だった。
残念だけど、手にいれたら声かけるので是非料理して欲しいと約束してしまった。
エビフライしか出来ないけど喜んでくれるなら頑張っちゃおう。
んふふ。

こんなことならもっとお母さんに料理習っておけば良かった。
しおりを挟む
感想 195

あなたにおすすめの小説

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

美形×平凡の子供の話

めちゅう
BL
 美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか? ────────────────── お読みくださりありがとうございます。 お楽しみいただけましたら幸いです。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

【完】僕の弟と僕の護衛騎士は、赤い糸で繋がっている

たまとら
BL
赤い糸が見えるキリルは、自分には糸が無いのでやさぐれ気味です

身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!

冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。 「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」 前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて…… 演技チャラ男攻め×美人人間不信受け ※最終的にはハッピーエンドです ※何かしら地雷のある方にはお勧めしません ※ムーンライトノベルズにも投稿しています

俺の親友がモテ過ぎて困る

くるむ
BL
☆完結済みです☆ 番外編として短い話を追加しました。 男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ) 中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。 一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ) ……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。 て、お前何考えてんの? 何しようとしてんの? ……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。 美形策士×純情平凡♪

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

処理中です...