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二章 ハーレムルート

今度こそちゃんと挨拶…

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馬車が止まり屋敷に着いてしまった事を知る。

「シャルマッ」  

「んっんふぅん」

終わりを悟るもリックの両頬に手を沿えキスを続けた。
なんだかエドの性格に似てきたのかも…。

「シャッ」

「ん~」

もう止めないと本当に怒られちゃうって思ったけどリックの唇を塞いでた…どうしよう止められにゃい。

腰の辺りがムズムズする…これって不味いかも…。

「シャル」

ポン

あ…え?…そっち?

ムズムズするからフェロモンかと思ったのに…。
僕はリックの膝の上で天井を向いて両手足を伸ばしていた。
きっととても間抜けな顔をしていたに違いない。

「ふふふふはははははははは…はぁシャルマンは面白いね。」

「………。」

不服。

態とじゃないのに…納得できない。
そのままリックの服に包まれ抱き抱えられながら馬車を降りた。
服の中から覗くと僕の為に集まっていた人達が困惑しているように見えた。

「フレデリック?フィンコック様は?」

「…少しトラブルがありましたが、問題ありません。一度僕の部屋に寄ってから談話室に行きますので、まず中に。」

「あっ…まさか」

リックの腕の中からお義父様と目があった。

「にゃん」

「わぁ兄さん猫拾ったんですか?可愛い僕にも抱かせてください。」

お義父様ではなく、リックの…弟さんかな?
声が少し高くて身長もきっと僕と同じくらい?

「まずは屋敷に入ってからな?」

「はい」

リックの言葉に素直にしたがう小さなリック。
やっぱり兄弟ってすごく似てるなぁ。
ライやエドもそうだけど、皆の子供の頃を見ているようで楽しい。

ん~ん?だけど、僕とお兄様は全く似てなかったなぁ…。

お兄様はお父様似で僕がお母様似なので血が繋がっていないなんて事はない。
ただ、お兄様とは似ていない…。
リックの腕の中はお兄様に背中を擦られるような安心感があり、睡眠への誘惑が凄くこのまま眠ってしまったら幸せになれる自信があった。

「シャルマン…寝ちゃってるの?」

「んにゃ…ぁん…」

まだ寝てないけど眠いです。

「僕の家族に挨拶して欲しいなぁ。」

リックの甘えた声は珍しいなぁ…。

微睡みの中で聞くリックの声…あいさつ…あいさつ…挨拶…挨拶っ。
パチッと目が覚めた。

「にゃ゛ー」

いつの間にかリックの腕の中からベッドにいた僕は勢い良く立ち上がった。
人間の猫なので後ろ足二本で立ち、前足を上げて相手を威嚇するように気合いをいれて叫んだ。
まるで気分は大型肉食獣、ガオーガオー食ってしまうぞぉ。

「…ふはははは」

「んにゃ゛?」

何で笑ってるの?
面白いことでもあった?
この気合いは貴方のご家族に気に入られるための気合いなのよ?
分かってる?
リックって笑い上戸なの?
…笑いすぎじゃない?
これでも僕は貴方の婚約者ですよ?

「服はこれで良いかな?」

リックは僕の目の前に服を用意してくれていた。
凄く見られていたので、服を咥え引きずるようにベッドの端に移動した。
ベッドから降りてリックから隠れるように人間に戻り、顔をちょこっと出して服を掴みつつリックを盗み見れば優しく微笑んでいた。
エドやライだったら僕が隠れているベッドに来てエッチな事をするんだろうな…。

「どうしたの?着替え、終わった?」

「…ぅんん、まだ…」

リックは優しい…。
もっと僕を欲しがって欲しいな…。

リックの大きい服を身に付け、ベッドの影から自分の意思で出た。
そしてリックの元へ歩きだす。

「そろそろ行こっか?」

「うん」

僕達は手を繋いでリックの家族が待つ部屋へと向かった。
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