【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

天冨七緒

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二章 ハーレムルート

浮かれている僕だけが分かっていなかった

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イチャイチャしてもその後のない快感は苦痛とまでは言わないが、身体の中で燻り続け何時フェロモンとして爆発してしまうか不安だった。
それは夕食を終えても続いていたが、お父様に呼ばれて…助かったのかな?
この状態でお父様と二人きりも不安ではあった。
執務室に二人きりとなると身体の中で燻っていた熱と向き合うこととなり、お父様に縋るような視線を送ってしまう。
その顔がお父様にはどんな風に見えていたかなんて、考える余裕なんて僕にはない。

「んっんん、シャル」

「…はぃ」

「領地だがサンチェスター伯爵の所が良いと思うが、シャルはどうだ?」

「はいっ僕もライの屋敷は嬉しいでっす。」

「…サンチェスター伯爵の領地はかなり遠く、王都まで時間がかかるんだ。」

「…それは、お父様達となかなか会えないってことですか?」

「…私達とも会えないが、王都の学園に勤めるギノフォード先生は休みも決まってる。連休や長期休暇がなければ会えないぞ。」

「あっ…」

先生とは頻繁に会えないってこと?
そんなの…やだっ。

「誰かの領地に行くとなると、王都に住むギノフォード先生とは難しくなるぞ。シャルはちゃんと分かってるのか?」

「…分かって…なかった…」

「今日、確り話し合いなさい。」

「…はぃ」

話が始まる前まで僕の身体の中に燻っていた熱は何処かへ行ってしまった。

皆が談笑している部屋を目指すも、廊下ってこんなに暗かったっけ?
僕の屋敷って広いなぁ…歩いても歩いても近づいている気がしない…。
お父様の執務室から談話室だけでもこんなに遠いのに、僕はライの領地に行くとどれだけ掛かるんだろう?
ライの領地って辺境を任されてるって…国境付近で国にとってとても大事なところって聞いた…。

それって学園から遠いよね…。

一日で着くのかな?
談話室に戻ると皆が笑顔で出迎えてくれ、その中にはアレックスもいた。
アレックスは気付いているのかな?
領地から学園はとっても遠くて、毎日会えないってことを…。

アレックス?

部屋に入りアレックスを見つけ、目が合うといつもの優しい笑顔に胸が締め付けられる。

皆で談笑していればあっという間に時間も過ぎ各々部屋へ戻る事に…。

「シャル?今日はどうする?」

お兄様の言葉で何を聞かれているのかすぐに理解した。
今日はアレックスと二人きりで話さないと…。

「今日は自分の部屋で寝ます。」

「大丈夫か?」

「はい。」

「わかった。」

頭をポンポンとしてくれるのってこんなにも嬉しいものなんだなぁ。

「アレックス?少し時間いい?話したいことがあるの…。」

「…いいですよ。」

僕たちの会話が聞こえた人は何となく話す内容を察知していた。
ライ達三人とは談話室で別れ、お兄様を見送ったあとアレックスと僕の部屋で二人きりになった。
何となくだけど、アレックスも僕が聞きたいことを予測しているように見えた。
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