【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

天冨七緒

文字の大きさ
上 下
201 / 414
二章 ハーレムルート

お客様

しおりを挟む
フィンコック邸に戻って四日目。

なんだか最近身体がムズムズし始めた。
これはエッチしたいのかも…。
どうしよう…。
こんなこと、お父様やお兄様に相談できない。
求めるように使用人達を視線で追ってしまう日々が続いた。

「シャル今日からお客様が来るからね?」

「お客様?」

「そうだよ。」

お母様の言葉に誰だろう?と疑問が浮かぶもお父様とお兄様の表情が曇ったように見えた。

なんか気まずい人?

怖い人だったら嫌だな…。
お父様とお兄様も今日はお客様がいらっしゃるという事で、お仕事はお休みらしい。

お客様がいらっしゃったのはお昼過ぎだった。
多くの馬車が連なっていて圧倒される光景で、一体誰が来るのか想像もつかないなか屋敷の前に整列してお待ちした。
まだ家紋について勉強不足で、馬車を見ただけでは誰が来たのか全くわからない状態なので降りてくる人にドキドキした。
馬車に乗って現れた人物はブルーアッシュの髪色で僕のよく知っている人、ライだった。
ライはお父様とお母様と一緒に現れた。
アドルフを抱っこしていなかったら僕はきっとライに駆け寄っていたに違いない。
ライの方から近づき唇に触れていた。
数日ぶりのキスは、一瞬で周囲の状況を忘れさせた。
離れていくライを追いかけるように背伸びをすると、アドルフを抱っこしている僕が倒れないように背中を支えてくれた。
エッチしてない身体が急にエッチを思い出してしまい、キスが終われなくなってしまった。

「シャル」

ライに呼ばれるもその唇を塞いでいた。
頬に触れるライの手を意識すると、エッチな手を思い出してしまう。

「ラァイ」

「シャル゛皆さんいるからね゛」

「エッチして」と言おうとした瞬間、普段より低い声のお母様の言葉に遮られ現状を思い出した。

「あっ」

周囲を確認すると、皆の視線を浴びていた。
お父様とお兄様は歯を食い縛りながら悲しい表情にも見え、顔を伏せてしまった。

ペチペチ

アドルフが慰めてくれるように、頬を叩かれた。

「んふふ、ありがとうっ」

「ルマン」

「ふぇっ?……エド?」

「そっ、俺もいる…ルマン」

突然のエドに驚くも頬に優しく触れられ唇が近づくと、期待してしまい先程皆がいて恥ずかしかったのにそんなことをすぐに忘れキスを待ち望んだ。
エドのキスは激しく後頭部を支えられながら続き、鼻から漏れる息が自分のでありながらエッチに感じた。
自然と閉じていた瞼を開けると、エッチの時にみることが出来るエドのエロチックな表情があった。
普段のイタズラめいたものではなく、僕を獲物のように捕らえる瞳が好きだった。
「僕の事、食べて良いよ」って本能が叫び、唇が離れると視線でエドを誘惑していた。

「その顔、反則。」

「エド…」

再び唇が触れていた。

「エドバルトっ」

唇を離したくないけど、エドの名を叫んだ声にも聞き覚えがあった。
エドが唇を離し僕の腰に手を回し引き寄せる間も、僕はエドの唇を探しエドの首や顎に唇を押し付けた。

四日間エッチしてなかったから、もう限界。

皆に注目されながら自分がはしたない事をしているのを分かっていても、止まれない。
エッチしたいよ…。

「シャルマン」

目の前にリックの顔があった。
リックは屈んで僕と視線を合わせてくれていた。
何を勘違いしたのか僕はエドの腕の中で、リックの唇に近づき触れていた。
もう我慢できにゃい。

「にゃむにゃむにゃむ」

リックの舌を必死に舐めていた。

「シャルマン…耳、出ちゃってるよ。」

「にゃぁ?…にゃっんっ」

両手はアドルフを抱き締めていて触れることは出来なかったが、身を捩るとお尻がを押し上げるようにズボンが膨らんでいた。

「にゃぁん」

「シャルっ、そんなにキスしてるから興奮して耳や尻尾を出しちゃうんだよ?」

笑顔のお母様はやっぱり…怖かった。
視線を彷徨わせると、始めて会うのにときめいちゃうダンディーな人達が沢山いた。

皆…似てる…。

「ルマン?俺の父さん見て、なんて顔してんの?」

「へっ…あっ…その…え?」

「ルマンは俺の婚約者だからな。」

「うんっ」

きっとここにいる人達は、ライとエド、リックのご両親だ。
当然なんだけど、三人に似てるから未来の三人を見ているようでドキドキしちゃう。
だけど、一人だけここにいない人物に似ている人がいた。
優しい笑顔に紫色の瞳が印象的な独特な雰囲気をもつ男性かいた。

「アレックスのお父様?」

「ふっ、えぇそうです。シャルマン フィンコック様。アレッサンドロは来る予定だったのですが、教師の仕事もあり数日遅れてきます。本日は私一人で申し訳ありません。」

「いっいえっ、アレックスは真面目な先生で皆からも頼られる素敵な先生なのを知ってるので…あの僕は全然。」

「婚約者としてはどうですか?」

「婚約者っ…はぃ、とても素敵です。」

婚約者と聞いた瞬間エッチを思い出して顔が熱くなった。

「ふふっ、そうですか。」

なんだろう、僕がエッチな事を思い出したのばれちゃったかな?

「皆様、どうぞ応接室へ。」

お父様の言葉で屋敷の中へと移動した。




ーーーーーーーーーー
明日もよろしくお願いします。
しおりを挟む
感想 195

あなたにおすすめの小説

【完結】俺はずっと、おまえのお嫁さんになりたかったんだ。

ペガサスサクラ
BL
※あらすじ、後半の内容にやや二章のネタバレを含みます。 幼なじみの悠也に、恋心を抱くことに罪悪感を持ち続ける楓。 逃げるように東京の大学に行き、田舎故郷に二度と帰るつもりもなかったが、大学三年の夏休みに母親からの電話をきっかけに帰省することになる。 見慣れた駅のホームには、悠也が待っていた。あの頃と変わらない無邪気な笑顔のままー。 何年もずっと連絡をとらずにいた自分を笑って許す悠也に、楓は戸惑いながらも、そばにいたい、という気持ちを抑えられず一緒に過ごすようになる。もう少し今だけ、この夏が終わったら今度こそ悠也のもとを去るのだと言い聞かせながら。 しかしある夜、悠也が、「ずっと親友だ」と自分に無邪気に伝えてくることに耐えきれなくなった楓は…。 お互いを大切に思いながらも、「すき」の色が違うこととうまく向き合えない、不器用な少年二人の物語。 主人公楓目線の、片思いBL。 プラトニックラブ。 いいね、感想大変励みになっています!読んでくださって本当にありがとうございます。 2024.11.27 無事本編完結しました。感謝。 最終章投稿後、第四章 3.5話を追記しています。 (この回は箸休めのようなものなので、読まなくても次の章に差し支えはないです。) 番外編は、2人の高校時代のお話。

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

博愛主義の成れの果て

135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。 俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。 そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

[離婚宣告]平凡オメガは結婚式当日にアルファから離婚されたのに反撃できません

月歌(ツキウタ)
BL
結婚式の当日に平凡オメガはアルファから離婚を切り出された。お色直しの衣装係がアルファの運命の番だったから、離婚してくれって酷くない? ☆表紙絵 AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。

そばかす糸目はのんびりしたい

楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。 母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。 ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。 ユージンは、のんびりするのが好きだった。 いつでも、のんびりしたいと思っている。 でも何故か忙しい。 ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。 いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。 果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。 懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。 全17話、約6万文字。

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

処理中です...