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二章 ハーレムルート

お母さん

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皆と話し合って、今日は先生…アレックスと過ごすことになった。

試験中はアレックス抜きで交代していたから、試験終了し結果も張り出された今日からはアレックスも加わることになった。
と言うより一週間アレックスと過ごすことに決まった。
授業が終わり、アレックスとは別に僕は一人で部屋に向かった。
勿論騎士の護衛付きで、一人にはなるべくならないようにはしている。

部屋に付き久しぶりにゆっくりアドルフと触れあった。
試験でいっぱいいっぱいだったので、毎日会っていたのに懐かしく感じる。

「アドルフ大きくなった?」

「そうですね、最近はミルクをよく飲みますよ。」

「そうなんだ。」

試験勉強に気を取られて、アドルフがこんなに大きくなっていたなんて。

「アドルフゥ、あぁ可愛い。生まれてきてくれてありがとう…ちゅっ」

ベビーベッドで横になりながら目を見開いて僕を見てる。
僕がお母さんて認識してくれてたら嬉しいなぁ。
開いた手のひらに人差し指を乗せると握ってくれる。
幸せな時間を堪能していると、アドルフのご飯の時間になった。
優しく抱き上げ服を捲り、母乳をあげる。
乳母の言う通り、以前とは違い沢山飲むようになっていた。
そう言えば、最近はアレックスに母乳を飲んでもらってなかった事を思い出した。

「そっかぁ、僕が気付かなかっただけでアドルフは成長してたんだね。」

「久しぶりに見ると、成長を感じますね。」

「ふえぇ~」

いつの間にか隣にいるアレックスに驚き、変な声をあげてしまった。

「驚かせてしまいましたね。」

「僕がアドルフに夢中になりすぎちゃってたから…」

「アドルフは魅力的ですから、夢中になってしまうのも分かります。」

「アレックスもアドルフに夢中?」

「嫉妬を覚えてしまうくらいには。」

「アドルフはライとの子だけど、アレックスとの子のお兄ちゃんになるんだよ?」

「…私の子の兄ですか…では、嫉妬は出来ませんね。」

「んっ…アレックスゥ」

僕が甘い雰囲気を醸し出すとアレックスも応えてくれる。
二人きりじゃないので唇はすぐに離れた。
アドルフの前で、はしたない事はしたくなかった。
キスははしたなくないけど、止まらなくなっちゃうから…。

「ぅんぎゃぁああ゛んぎゃぁあ゛」

アドルフが突然泣き出してしまった。
急いで抱き上げて、アレックスとアタフタしながら一生懸命あやした。
いくらあやしても泣き止まないアドルフに、僕も連れて不安になり泣きそうになってしまう。

えっ?何が嫌なの?僕の何がいけないの?

「ルゥ、良いですか?」

僕にはお手上げで、アレックスにアドルフを託した。
アレックスは僕よりも赤ちゃんを抱き上げるのは不馴れなはずなのに、身体が大きいからか抱き締める腕に安心感があった。
腕の中に収まるアドルフは次第に落ち着き、泣きつかれたのか眠ってしまった。

「赤ん坊というのは抱き締める人間の表情が移るそうですよ。」

「…ん?」

「ルゥが悲しい顔してると、もっと泣き出すそうです。ルゥが笑えばアドルフも笑うと言うことです。」

「そう…なんだ。ボク…どうしたらいいか分からなくなっちゃって…」

アレックスは何でも知ってる。
僕がお母さんなのに…。

「ルゥは一人じゃない、分からないな私を頼ってください。私も解決は出来なくとも共に悩むことは出来ますから。一人で抱え込まないこと。」

「…はい」

アレックスが隣にいてくれて良かった。

「頼りないお母さんでごめんね、僕もっと頑張るよ。」

「…ルゥ、あまり頑張り過ぎるな。今回の試験でも思ったがルゥは頑張りすぎるところがある。」

「僕は…アドルフのお母さんになりたいっ。」

「ルゥはちゃんとお母さんしているよ。昼休みにはアドルフに母乳を与えて、日に何度も顔を見ている。貴族では珍しいんですよ?」

「へ?」

僕はお母さん出来てる?

「貴族の子育ては全て乳母に任せます。母乳を与えるのも子をあやすのも全ては乳母です、その為に雇うんです。」

「お母さんは何を?」

「子供を産む、それが貴族夫人の役割です。」

「…お世話しないの?」

「出産は体力と魔力を消費します。一度の出産さえ叶わない人もいるくらいですから、出産終えたばかりの夫人に体力を消耗する子供の世話はさせませんよ。」

「…お世話する人は…」

「乳母は大抵平民、もしくは旦那を失ってしまった未亡人・寡婦が多いでしょう。互いに必要な存在です。」

「…彼も?」

彼とはアドルフを世話をしてくれている乳母だ。

「…えぇ」

「僕…お仕事奪っちゃってるの?」

「彼はルゥの補佐ですから、ルゥの出来ない事を任せればいいんです。学園で授業受けている間はアドルフの世話は出来ないですよね?」

「ぅん」

「全てを自分で行う完璧なお母さんをする必要はないんです。頼れるなら周囲を頼ってもいいんです。手を抜くことは、悪いことじゃないんですよ。ルゥは確りお母さんやってます。」

「……そうかな…ェヘ」

すっかり眠ってしまったアドルフに笑顔を向けた。
いつまでも見ていられたが、こんなに見られていたら眠りにくいかなとアドルフの側から離れた。

「アドルフの事お願いします。」

「はい」

乳母に託して僕は僕の部屋に戻った。
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