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二章 ハーレムルート
試験
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長期休暇に入る前の試験が始まった。
僕はこんなにも緊張した試験は初めてだった。
僕だけじゃなくて皆にあれだけ教えて貰って不甲斐ない点数なんて取れない。
大丈夫…大丈夫…大丈夫。
あれだけ勉強したし、皆からも先生からもこれなら試験は平気だろうとお墨付きをいただいた。
信じてない訳じゃないけど、不安は拭えなかった。
試験が始まればあっという間で、数日間もあったのにすぐに終わってしまった。
もう少し時間があれば…あの時ちゃんと勉強しておけば…と後悔が生まれたが、僕なりに全力を出せたと思う。
座学の方はちゃんと試験を受けたが、魔法の試験は内容の説明を受けたが僕には出来ないものだった。
僕には魔力が一切ない。
どんなに集中しても身体の中を巡る魔力の流れは一切感じない。
魔力がないと分かりきっていても試験を欠席することは出来ないのでFクラスの皆と試験を受けた。
いくら集中しても魔法を産み出すことが出来ない僕は、自然とアレックスの姿を探していた。
アレックスに抱き締めてもらいたかったが、試験中であったので僕は時間が過ぎるのを孤独の中で耐えるしかできない…。
試験中に泣くのは周囲の人の迷惑になるので必死に堪えた。
皆と同じように魔力を練っている振りをしていたが、集中なんて出来ず僕は試験が終わっても顔を下げたままだった。
先生が側まで来て何も言わず、僕を慰めるように背中を叩かれた。
「貴方の試験結果はFクラスの平均値となります。」
小声で先生から告げられた。
「…はぃ」
僕は不満もなく頷いた。
寧ろ、平均点も貰っちゃって良いのかな?
皆の平均点ではなく、僕の平均点で良いのでは?と冷静に考えている自分がいた。
「先生?」
「はい」
「今日はだめ?」
試験最終日の今日ならと淡い期待を持ちつつ、先生を見上げた。
きっとこの仕草を世間ではあざといと言うのだと思う。
僕が何を求めているのか先生は分かっている。
僕も先生の答えを分かっている。
それでも聞かずにはいられなかった。
「私は教師ですから…試験中は出来ません…」
「…はぃ」
うん、知ってた。
それでも未練がましい僕は先生の服を掴んでいた。
当然だが今回の試験では僕は倒れることはなかったし、先生に運ばれることもない。
わざと倒れたら、もっと先生に触れられたかな?
悪役と呼ばれる人達が仮病を使ってしまう気持ちが分かってしまった。
僕はきっと悪役令息なんだ。
先生に心配されたい…。
僕の心は相当醜いことを知った。
試験場を後にした。
先生とのエッチはお預けで辛いけど、皆とはしていた。
先生は僕としてなくて辛くないのかな?
…他の人としてるとか?
もしかして浮気…浮気…浮気ぃ。
もし、浮気してたらお仕置きしてやる。
先生を縛ってエッチな事沢山してやるんだ。
目隠しとかしちゃって…んふっ。
エッチな特殊プレイってなんだろう?
縛るのと目隠ししか僕には思い付かない。
コスプレなんてこの世界にはないし…。
僕が先生になって、アレックスには生徒を演じてもらうとか?
んふふ、なんか楽しそうっ。
早く試験結果出てくれないかな?
そうしたら…うふふ。
結果が出るまではドキドキだけど、今日からはエッチ多めに出来るんだよなぁ。
「んふふ」
あっ、声出ちゃった。
恥ずかしい、一人で笑い出すなんて変に思われちゃう。
視線だけで周囲を確認したが、誰も僕には興味がない素振りだった。
よかったぁ。
その後は頑張って、すまし顔をつくった。
「なに変な顔してんだよ?」
「ふえっ?」
いつの間にか目の前にはライにエドにリックがいた。
「僕…変な顔してた?」
「ふっ…可愛かった。」
ライの大きな手が頬に触れ、唇が近付いてくる。
視線で唇を追うと自然と瞼が落ちる。
唇が触れたけどそれだけじゃ物足りなくて、もっとライのキスが欲しかった。
背伸びをしてライの唇を求め続けた。
「ここ廊下だぞ。」
エドの言葉で瞼を開けると、ライの顔が映った。
ライって綺麗な顔…。
唇を離すと周囲から多くの視線を受けていた。
「あっ…」
途端に恥ずかしくなりライの身体に抱き付いて顔を隠した。
恥ずかしい…すぐにキスに夢中になっちゃうのどうにかしないと。
「…耳、出そうか?」
ライは僕の状態を確認するために聞いてくれたんだけど、耳元で囁かれると意識しちゃう。
ライの腕の中で顔をあげる。
「そんな顔すんなよ。」
「へぇ?」
「その顔他の奴に見せんなよ。」
「んっ?ぅん」
ライの胸の中に戻り、腕を回した。
「耳が出ないようならいい。」
「ラァイッ」
「ん?」
「んふふ。いっぱいしたいっ。」
屈んでくれたライの耳元で囁いた。
試験勉強から試験期間はエッチを控えていた…と言っても獣人フェロモンの暴走も考えられるので一日に数回はしていた。
もっと欲しいけど、授業中に居眠りなんて出来る立場じゃなかったので制御しながらエッチしていた。
授業を受けて、その後は部屋で遅れている分を取り戻すための勉強。
頭を使った後にエッチで体力を使うと気持ちいい眠りにはいれる。
大変なんだけど充実してて楽しい。
ただ、一つだけ思うことがある。
それはアレックスの事。
アレックスは先生だから、試験二週間前から生徒との過度な接触を避けている。
婚約者とはいえ生徒なので僕も例外じゃなかった。
試験が終わっても採点がある為、アレックスと二人きりで会うことは叶わない。
アレックスの代わりに皆がしてくれたけど…会えるのに会えないのは寂しいよ。
アレックスがこのまま僕を捨てちゃったらどうしよう…。
僕は欲張りだから一度手に入れたら意地でも手放したくなかった。
アレックス…逢いたいょ…。
僕はこんなにも緊張した試験は初めてだった。
僕だけじゃなくて皆にあれだけ教えて貰って不甲斐ない点数なんて取れない。
大丈夫…大丈夫…大丈夫。
あれだけ勉強したし、皆からも先生からもこれなら試験は平気だろうとお墨付きをいただいた。
信じてない訳じゃないけど、不安は拭えなかった。
試験が始まればあっという間で、数日間もあったのにすぐに終わってしまった。
もう少し時間があれば…あの時ちゃんと勉強しておけば…と後悔が生まれたが、僕なりに全力を出せたと思う。
座学の方はちゃんと試験を受けたが、魔法の試験は内容の説明を受けたが僕には出来ないものだった。
僕には魔力が一切ない。
どんなに集中しても身体の中を巡る魔力の流れは一切感じない。
魔力がないと分かりきっていても試験を欠席することは出来ないのでFクラスの皆と試験を受けた。
いくら集中しても魔法を産み出すことが出来ない僕は、自然とアレックスの姿を探していた。
アレックスに抱き締めてもらいたかったが、試験中であったので僕は時間が過ぎるのを孤独の中で耐えるしかできない…。
試験中に泣くのは周囲の人の迷惑になるので必死に堪えた。
皆と同じように魔力を練っている振りをしていたが、集中なんて出来ず僕は試験が終わっても顔を下げたままだった。
先生が側まで来て何も言わず、僕を慰めるように背中を叩かれた。
「貴方の試験結果はFクラスの平均値となります。」
小声で先生から告げられた。
「…はぃ」
僕は不満もなく頷いた。
寧ろ、平均点も貰っちゃって良いのかな?
皆の平均点ではなく、僕の平均点で良いのでは?と冷静に考えている自分がいた。
「先生?」
「はい」
「今日はだめ?」
試験最終日の今日ならと淡い期待を持ちつつ、先生を見上げた。
きっとこの仕草を世間ではあざといと言うのだと思う。
僕が何を求めているのか先生は分かっている。
僕も先生の答えを分かっている。
それでも聞かずにはいられなかった。
「私は教師ですから…試験中は出来ません…」
「…はぃ」
うん、知ってた。
それでも未練がましい僕は先生の服を掴んでいた。
当然だが今回の試験では僕は倒れることはなかったし、先生に運ばれることもない。
わざと倒れたら、もっと先生に触れられたかな?
悪役と呼ばれる人達が仮病を使ってしまう気持ちが分かってしまった。
僕はきっと悪役令息なんだ。
先生に心配されたい…。
僕の心は相当醜いことを知った。
試験場を後にした。
先生とのエッチはお預けで辛いけど、皆とはしていた。
先生は僕としてなくて辛くないのかな?
…他の人としてるとか?
もしかして浮気…浮気…浮気ぃ。
もし、浮気してたらお仕置きしてやる。
先生を縛ってエッチな事沢山してやるんだ。
目隠しとかしちゃって…んふっ。
エッチな特殊プレイってなんだろう?
縛るのと目隠ししか僕には思い付かない。
コスプレなんてこの世界にはないし…。
僕が先生になって、アレックスには生徒を演じてもらうとか?
んふふ、なんか楽しそうっ。
早く試験結果出てくれないかな?
そうしたら…うふふ。
結果が出るまではドキドキだけど、今日からはエッチ多めに出来るんだよなぁ。
「んふふ」
あっ、声出ちゃった。
恥ずかしい、一人で笑い出すなんて変に思われちゃう。
視線だけで周囲を確認したが、誰も僕には興味がない素振りだった。
よかったぁ。
その後は頑張って、すまし顔をつくった。
「なに変な顔してんだよ?」
「ふえっ?」
いつの間にか目の前にはライにエドにリックがいた。
「僕…変な顔してた?」
「ふっ…可愛かった。」
ライの大きな手が頬に触れ、唇が近付いてくる。
視線で唇を追うと自然と瞼が落ちる。
唇が触れたけどそれだけじゃ物足りなくて、もっとライのキスが欲しかった。
背伸びをしてライの唇を求め続けた。
「ここ廊下だぞ。」
エドの言葉で瞼を開けると、ライの顔が映った。
ライって綺麗な顔…。
唇を離すと周囲から多くの視線を受けていた。
「あっ…」
途端に恥ずかしくなりライの身体に抱き付いて顔を隠した。
恥ずかしい…すぐにキスに夢中になっちゃうのどうにかしないと。
「…耳、出そうか?」
ライは僕の状態を確認するために聞いてくれたんだけど、耳元で囁かれると意識しちゃう。
ライの腕の中で顔をあげる。
「そんな顔すんなよ。」
「へぇ?」
「その顔他の奴に見せんなよ。」
「んっ?ぅん」
ライの胸の中に戻り、腕を回した。
「耳が出ないようならいい。」
「ラァイッ」
「ん?」
「んふふ。いっぱいしたいっ。」
屈んでくれたライの耳元で囁いた。
試験勉強から試験期間はエッチを控えていた…と言っても獣人フェロモンの暴走も考えられるので一日に数回はしていた。
もっと欲しいけど、授業中に居眠りなんて出来る立場じゃなかったので制御しながらエッチしていた。
授業を受けて、その後は部屋で遅れている分を取り戻すための勉強。
頭を使った後にエッチで体力を使うと気持ちいい眠りにはいれる。
大変なんだけど充実してて楽しい。
ただ、一つだけ思うことがある。
それはアレックスの事。
アレックスは先生だから、試験二週間前から生徒との過度な接触を避けている。
婚約者とはいえ生徒なので僕も例外じゃなかった。
試験が終わっても採点がある為、アレックスと二人きりで会うことは叶わない。
アレックスの代わりに皆がしてくれたけど…会えるのに会えないのは寂しいよ。
アレックスがこのまま僕を捨てちゃったらどうしよう…。
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アレックス…逢いたいょ…。
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