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二章 ハーレムルート
僕たちは家族です
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「むにゃぁん」
温もりを求めて彷徨うと、すぐ側に幸せをみつけた。
心落ち着く香に包まれ、安全な場所であると本能で感じた。
煩悩や欲望など沸き起こること無く穏やかな空気だった。
ずっとここにいたい、そう思わせてくれる居心地の良さだ。
頭を撫でられるって気持ちいいなぁ。
えっ?終わっちゃうの?だめだめ、もっと撫でて。
頭を撫でて欲しくてぎゅっと何かに抱き付きおでこをグリグリと押し付けた。
優しく抱き締められ再び頭を撫でられる。
「にゃむにゃむ……んふふ」
(そうそう…撫でて)
「本当に猫なんだな。」
あれ?
誰の声?
ライじゃないしアレックスでもエドでもリックでもない…。
覚醒しない頭で瞼を開けると黒髪黒目と慣れ親しんだ色なのに、日本人とはかけは慣れた堀の深い顔立ちの人がいた。
エキゾチックな雰囲気を醸し出しながら優しい眼差しに勘違いしてしまいそう。
「おはよう。」
「おはようございます…ふふふっ」
「どうした?」
「なんか…嬉しくて…。」
「そうか?」
「はい」
…大丈夫だよね?
これって兄弟の距離だよね?
初めての兄弟だから良く分からないけど、お兄ちゃんってこんな感じなんだなぁ。
「着替えて食堂に行くぞ?」
「はい」
二人でベッドを出て僕は自分の部屋に向かった。
部屋でお兄様の服を脱いで自分の服に着替え、食堂に向かうために部屋を出た。
「あっ」
「行くぞ。」
部屋の前でお兄様が僕を待っていてくれたので、二人で食堂に向かいほどなくしてお父様とお母様が来て食事となった。
今日もお父様とお兄様は仕事で、食事を終えるとすぐに出掛けてしまった。
「行ってらっしゃい。」
と笑顔で見送ると二人とも僕の方へ向かって来て抱きしめてくれた。
「行ってくる。」
「ゆっくりしてろよ。」
二人抱きしめられながら耳元で囁かれ、お父様もお兄様も僕を甘やかしすぎだと思うけど「はい」と素直に頷いた。
「いつまでそうしてるの?早く行ってきな。」
お母様の言葉で二人は離れていき、僕の頭を撫でたり頬に触れてから馬車に乗っていき、二人を見送りお母様と一緒に屋敷に入った。
「お母様は淋しくない?」
「え?」
「独りで屋敷にいるのは淋しいでしょ?」
「…シャルは淋しい?」
「うん…独りは嫌だな…。」
「そっかぁ…なら、沢山婚約者出来て良かったね。」
「へ?」
「いつも誰かに側に居てもらいなさい。」
「ぅん」
「シャルは獣人になってから甘えん坊になっちゃったな。」
頬をツンツンとされた。
「えっそんな事…あるかも…」
以前のシャルマンを知らないけど、お母様が言うならそうなんだろう…。
「ふふ、良かったね素敵な人達に出会えて。」
「うん」
「まだ増えるかもね。」
「もう増えないよっ。」
「どうなんだろうね~百年ぶりの獣人については実際何も分かってないから何が起きるのか分からないよ?」
「…そう…だけど…」
「どんな選択をしてもお母さん達はシャルの味方だよ、忘れるな。」
「…はいっ」
「はぁ~シャルはいくつになっても可愛いっ。」
「ふふっお母様ぁ。」
抱きしめられた。
もしかしてフィンコック家の皆はスキンシップ多めなのかな?
僕が抱きしめられたがるのって家族に慣らされて身体が覚えちゃってるのかも…。
今日もお母様とお茶をしながら学園だったり、婚約者との関係を話した。
お父様やお兄様が居ると二人はきっと怒るから二人が居ない今しが話せないと言われ話し始めた。
皆の事を話せる人が僕の周囲には居ないからつい嬉しくって沢山話してしまった。
獣人になってから「すごくエッチしたくて我慢できない」とか「終わってほしくない」とか親に話すべきではないと頭の片隅にありながら話すのを止めることが出来なかった。
「ドミニクにも?」
「へっ?」
どうして急にお兄様が?
「昨夜、ドミニクの部屋に泊まったてしょ?」
「ぁっ…あっその……はぃ…」
知られちゃってる…。
いつ観られたんだろう?
部屋には猫の姿で行ったのに…。
「ドミニクとも?」
「してませんっお兄様はお兄様で…そんなっ…」
もしかして僕の安易な行動でお兄様との関係疑われちゃった?
「ドミニクはシャルを溺愛してるから、お願いされたらなんでも叶えちゃうと思うよ。」
え?お母様それって…?
「えっ…だっだめ、お兄様はお兄様だから…」
「そぅっ」
お母様に試されたような気がする。
だけど家族でそういうのは…ねぇ。
お兄様が血が繋がっていなかったら…って、だめそんなこと考えちゃ。
僕達は血が繋がった家族なんだ。
温もりを求めて彷徨うと、すぐ側に幸せをみつけた。
心落ち着く香に包まれ、安全な場所であると本能で感じた。
煩悩や欲望など沸き起こること無く穏やかな空気だった。
ずっとここにいたい、そう思わせてくれる居心地の良さだ。
頭を撫でられるって気持ちいいなぁ。
えっ?終わっちゃうの?だめだめ、もっと撫でて。
頭を撫でて欲しくてぎゅっと何かに抱き付きおでこをグリグリと押し付けた。
優しく抱き締められ再び頭を撫でられる。
「にゃむにゃむ……んふふ」
(そうそう…撫でて)
「本当に猫なんだな。」
あれ?
誰の声?
ライじゃないしアレックスでもエドでもリックでもない…。
覚醒しない頭で瞼を開けると黒髪黒目と慣れ親しんだ色なのに、日本人とはかけは慣れた堀の深い顔立ちの人がいた。
エキゾチックな雰囲気を醸し出しながら優しい眼差しに勘違いしてしまいそう。
「おはよう。」
「おはようございます…ふふふっ」
「どうした?」
「なんか…嬉しくて…。」
「そうか?」
「はい」
…大丈夫だよね?
これって兄弟の距離だよね?
初めての兄弟だから良く分からないけど、お兄ちゃんってこんな感じなんだなぁ。
「着替えて食堂に行くぞ?」
「はい」
二人でベッドを出て僕は自分の部屋に向かった。
部屋でお兄様の服を脱いで自分の服に着替え、食堂に向かうために部屋を出た。
「あっ」
「行くぞ。」
部屋の前でお兄様が僕を待っていてくれたので、二人で食堂に向かいほどなくしてお父様とお母様が来て食事となった。
今日もお父様とお兄様は仕事で、食事を終えるとすぐに出掛けてしまった。
「行ってらっしゃい。」
と笑顔で見送ると二人とも僕の方へ向かって来て抱きしめてくれた。
「行ってくる。」
「ゆっくりしてろよ。」
二人抱きしめられながら耳元で囁かれ、お父様もお兄様も僕を甘やかしすぎだと思うけど「はい」と素直に頷いた。
「いつまでそうしてるの?早く行ってきな。」
お母様の言葉で二人は離れていき、僕の頭を撫でたり頬に触れてから馬車に乗っていき、二人を見送りお母様と一緒に屋敷に入った。
「お母様は淋しくない?」
「え?」
「独りで屋敷にいるのは淋しいでしょ?」
「…シャルは淋しい?」
「うん…独りは嫌だな…。」
「そっかぁ…なら、沢山婚約者出来て良かったね。」
「へ?」
「いつも誰かに側に居てもらいなさい。」
「ぅん」
「シャルは獣人になってから甘えん坊になっちゃったな。」
頬をツンツンとされた。
「えっそんな事…あるかも…」
以前のシャルマンを知らないけど、お母様が言うならそうなんだろう…。
「ふふ、良かったね素敵な人達に出会えて。」
「うん」
「まだ増えるかもね。」
「もう増えないよっ。」
「どうなんだろうね~百年ぶりの獣人については実際何も分かってないから何が起きるのか分からないよ?」
「…そう…だけど…」
「どんな選択をしてもお母さん達はシャルの味方だよ、忘れるな。」
「…はいっ」
「はぁ~シャルはいくつになっても可愛いっ。」
「ふふっお母様ぁ。」
抱きしめられた。
もしかしてフィンコック家の皆はスキンシップ多めなのかな?
僕が抱きしめられたがるのって家族に慣らされて身体が覚えちゃってるのかも…。
今日もお母様とお茶をしながら学園だったり、婚約者との関係を話した。
お父様やお兄様が居ると二人はきっと怒るから二人が居ない今しが話せないと言われ話し始めた。
皆の事を話せる人が僕の周囲には居ないからつい嬉しくって沢山話してしまった。
獣人になってから「すごくエッチしたくて我慢できない」とか「終わってほしくない」とか親に話すべきではないと頭の片隅にありながら話すのを止めることが出来なかった。
「ドミニクにも?」
「へっ?」
どうして急にお兄様が?
「昨夜、ドミニクの部屋に泊まったてしょ?」
「ぁっ…あっその……はぃ…」
知られちゃってる…。
いつ観られたんだろう?
部屋には猫の姿で行ったのに…。
「ドミニクとも?」
「してませんっお兄様はお兄様で…そんなっ…」
もしかして僕の安易な行動でお兄様との関係疑われちゃった?
「ドミニクはシャルを溺愛してるから、お願いされたらなんでも叶えちゃうと思うよ。」
え?お母様それって…?
「えっ…だっだめ、お兄様はお兄様だから…」
「そぅっ」
お母様に試されたような気がする。
だけど家族でそういうのは…ねぇ。
お兄様が血が繋がっていなかったら…って、だめそんなこと考えちゃ。
僕達は血が繋がった家族なんだ。
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