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二章 ハーレムルート
これって兄弟の距離だよね?
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家族に甘々に溺愛されながらも不安と淋しさを感じていた。
皆とずっと一緒に居られない?
そんなこと考えたこともなかったから…。
その日はお母様が側にいてくれたけど、淋しくて堪らなかった。
お仕事から帰ってきたお父様とお兄様に抱き締められ離してあげられなくなっていて、そんな僕をお兄様は優しく受け止めてくれる…。
疲れているはずなのに僕の気が済むまで抱き締め背中を撫でてくれていた。
お兄様の体格はライやエドと似ていて二人を思い出して安心してしまう。
エッチが出来ないのは残念だが、お兄様に邪な感情はない。
食事を済ませた後もお兄様の胸を借りてソファに座っていた。
もうそろそろ休みなさいと言われれば、お兄様から離れると僕の部屋までエスコートしてくれた。
お兄様の優しさが嬉しくてもっと甘えたくなってしまう。
部屋の扉の前でお兄様に抱き付いても、驚かれること無く抱き締め返してくれ嬉しい気持ちで部屋に入った…。
独りになり、お風呂を済ませて寝ようとベッドに入るも目が冴えてしまう…。
独りで眠るの苦手になっちゃった。
僕はいつから一人で寝てないんだろう?…淋しいよ。
獣人の…猫になったから、こんなに淋しがり屋になっちゃったのかな?
猫って警戒心強いけど、安心できる人を見つけたらとことん甘えちゃうよね。
だからなのか、一人ぼっちって慣れないよ…。
…そうだ猫だ。
猫になってお兄様の所に行ったら一緒に居られるかな?
…よしっ。
ぽん
何度も練習した猫になった。
ふふん。
もう、猫になるのは自由自在だよん。
これでお兄様の部屋に行っちゃおうっ。
ドアノブに飛び付き扉を開けるのも慣れたもんだよ。
トコトコトコ~ってお兄様の部屋に向かった。
お兄様の部屋は隣ですぐに着いた。
…どうしよう。
勝手に入ったらだめだよね?
ノック…は出来ない…。
人間に戻ってノックは出来ても、その時の僕は裸…。
裸…。
「にゃぁん…にゃぁん…にゃぁん」
悩んだ結果、鳴いた。
いくら鳴いてもお兄様は出てきてくれなかった。
扉をガリガリしたら怒られちゃうよね?
結局僕はドアノブに飛び付いていた。
がちゃ
扉を開けするりと部屋の中に入った。
見上げるとこちらを見ていたお兄様と目があった。
「にゃん…にゃん」
お兄様の姿を見付けて嬉しくて駆け寄り、ジャンプして胸までよじ登った。
「…シャル…なのか?」
「にゃん」
あっ猫の姿の僕は初めてだった。
混乱する中、お兄様は猫の僕を抱っこしてくれた。
「猫になってしまったのか?」
「にゃん」
「元には戻れるのか?」
「にゃん」
「………」
え?戻れって事?
戻れるけど…裸…。
いくら兄弟とはいえ裸は…ねぇ。
お兄様の腕の中から飛び降りてベッドの中へ潜り込んだ。
ぽん
「お兄様?」
「シャル…驚いた。もう自在に変われるんだな。」
「はい…その…」
「どうした?」
「猫の姿で来たので、今の僕は…その…裸で…」
「そうなのか?俺の服を着るか?」
「ぁっ、猫の姿になったら一緒に眠っても良いですか?」
「………」
お兄様は無言に…やっぱりダメだよね?
「だめ…ですよね…ごめんなさい。」
「いやっ、構わない。今の姿でも…」
「本当ですか?」
「あぁ」
「ふふ…やったぁ、だけど人間の姿でお兄様の服を借りたら誤解されませんか?」
「構わない。」
「…良いの?」
「あぁ」
「なら借りても良いですか?」
「あぁ」
お兄様は返事と共に動き出し服を貸してくれた。
僕には大き過ぎるお兄様の服を布団の中で身に付けていく。
「着替えましたぁ。」
「あぁ、ならもう眠るか?」
「はい」
僕独りでは大きすぎて淋しいベッドも、お兄様が一緒だとちょうど良かった。
二人並んで寝ても落ちることはないのに僕はお兄様にくっついていた。
背が高いお兄様でも眠る時は目線が一緒になり、嬉しくて笑みが溢れ、お兄様の腕が僕に回され背中をポンポンと撫でられる。
子供に戻ったようだった。
「もう、寝るぞ?」
「はい」
心細く眠れなかったのに、もう睡魔に襲われていた。
お兄様って凄い。
皆とずっと一緒に居られない?
そんなこと考えたこともなかったから…。
その日はお母様が側にいてくれたけど、淋しくて堪らなかった。
お仕事から帰ってきたお父様とお兄様に抱き締められ離してあげられなくなっていて、そんな僕をお兄様は優しく受け止めてくれる…。
疲れているはずなのに僕の気が済むまで抱き締め背中を撫でてくれていた。
お兄様の体格はライやエドと似ていて二人を思い出して安心してしまう。
エッチが出来ないのは残念だが、お兄様に邪な感情はない。
食事を済ませた後もお兄様の胸を借りてソファに座っていた。
もうそろそろ休みなさいと言われれば、お兄様から離れると僕の部屋までエスコートしてくれた。
お兄様の優しさが嬉しくてもっと甘えたくなってしまう。
部屋の扉の前でお兄様に抱き付いても、驚かれること無く抱き締め返してくれ嬉しい気持ちで部屋に入った…。
独りになり、お風呂を済ませて寝ようとベッドに入るも目が冴えてしまう…。
独りで眠るの苦手になっちゃった。
僕はいつから一人で寝てないんだろう?…淋しいよ。
獣人の…猫になったから、こんなに淋しがり屋になっちゃったのかな?
猫って警戒心強いけど、安心できる人を見つけたらとことん甘えちゃうよね。
だからなのか、一人ぼっちって慣れないよ…。
…そうだ猫だ。
猫になってお兄様の所に行ったら一緒に居られるかな?
…よしっ。
ぽん
何度も練習した猫になった。
ふふん。
もう、猫になるのは自由自在だよん。
これでお兄様の部屋に行っちゃおうっ。
ドアノブに飛び付き扉を開けるのも慣れたもんだよ。
トコトコトコ~ってお兄様の部屋に向かった。
お兄様の部屋は隣ですぐに着いた。
…どうしよう。
勝手に入ったらだめだよね?
ノック…は出来ない…。
人間に戻ってノックは出来ても、その時の僕は裸…。
裸…。
「にゃぁん…にゃぁん…にゃぁん」
悩んだ結果、鳴いた。
いくら鳴いてもお兄様は出てきてくれなかった。
扉をガリガリしたら怒られちゃうよね?
結局僕はドアノブに飛び付いていた。
がちゃ
扉を開けするりと部屋の中に入った。
見上げるとこちらを見ていたお兄様と目があった。
「にゃん…にゃん」
お兄様の姿を見付けて嬉しくて駆け寄り、ジャンプして胸までよじ登った。
「…シャル…なのか?」
「にゃん」
あっ猫の姿の僕は初めてだった。
混乱する中、お兄様は猫の僕を抱っこしてくれた。
「猫になってしまったのか?」
「にゃん」
「元には戻れるのか?」
「にゃん」
「………」
え?戻れって事?
戻れるけど…裸…。
いくら兄弟とはいえ裸は…ねぇ。
お兄様の腕の中から飛び降りてベッドの中へ潜り込んだ。
ぽん
「お兄様?」
「シャル…驚いた。もう自在に変われるんだな。」
「はい…その…」
「どうした?」
「猫の姿で来たので、今の僕は…その…裸で…」
「そうなのか?俺の服を着るか?」
「ぁっ、猫の姿になったら一緒に眠っても良いですか?」
「………」
お兄様は無言に…やっぱりダメだよね?
「だめ…ですよね…ごめんなさい。」
「いやっ、構わない。今の姿でも…」
「本当ですか?」
「あぁ」
「ふふ…やったぁ、だけど人間の姿でお兄様の服を借りたら誤解されませんか?」
「構わない。」
「…良いの?」
「あぁ」
「なら借りても良いですか?」
「あぁ」
お兄様は返事と共に動き出し服を貸してくれた。
僕には大き過ぎるお兄様の服を布団の中で身に付けていく。
「着替えましたぁ。」
「あぁ、ならもう眠るか?」
「はい」
僕独りでは大きすぎて淋しいベッドも、お兄様が一緒だとちょうど良かった。
二人並んで寝ても落ちることはないのに僕はお兄様にくっついていた。
背が高いお兄様でも眠る時は目線が一緒になり、嬉しくて笑みが溢れ、お兄様の腕が僕に回され背中をポンポンと撫でられる。
子供に戻ったようだった。
「もう、寝るぞ?」
「はい」
心細く眠れなかったのに、もう睡魔に襲われていた。
お兄様って凄い。
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