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二章 ハーレムルート
お母様と散歩
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翌朝は皆揃って朝食を取ったが、お父様とお兄様はお仕事をしていて僕とお母様は庭の散歩をしていた。
「シャル」
「はい」
「獣人になって身体の方はどう?」
「…以前と変わらなぃ…と…。」
「本当に?」
「…魔法は…使えなくなりました…。」
「獣人は魔力を持たないと聞くからね…魔法…使いたかった?」
「…はぃ」
使いたかった…練習いっぱいしたのに…。
「そうだったのか…。」
僕が我が儘言った所為でお母様もなんだが気まずくさせてしまった。
「あっでも、もう大丈夫です…。」
「そう?」
「はい」
「他に身体の変化は?」
「変化…」
「獣人は性欲が強いって聞いたけど…。」
「にゃっ。」
お母様の予想外の質問につい猫が出てしまい、途端にお母様は僕の反応を愉しんでいるように見えた。
「うふ、その反応だと文献は正しいのかな?」
「ゃっ知りませんっ。」
お母様の顔を見ることが出来なかった。
「お父様とドミニクには内緒にするから…ねっ。」
「…内緒?」
両手で顔を隠しながら指をずらしてお母様を確認した。
「そっ内緒。」
「…ん…」
「どうなの?」
「…はぃ…」
「強いんだね?」
「…はぃ……ふにゃん…お母様…もぅゆるちて。」
「あぁん可愛い。」
華奢な方とはいえ、お母様は僕よりも十センチ程背が高くすっぽりと抱き締められてしまった。
「四人も婚約者が出来てシャルの事だから平等にって皆と毎日なんじゃない?」
「…ふゃぁん…お母様ぁ…」
どうして分かるの?
もしかして監視とかついてるのかな?
「身体は大丈夫?だめな時は「だめ」ってはっきり言いなさい。」
「………」
お母様は僕の事を心配してくれて言っているのが伝わるが、だめなんて時はない…寧ろ僕の方が…。
「どうしたの?シャルは優しいから断りにくい?なら僕から伝えるよ?」
「だめっ…」
そんな事しちゃだめぇ。
「ん?」
「断っちゃだめ…。」
「身体は辛くない?」
「辛くない…その…」
恥ずかしいけど、もし言わなかったらお母様が心配して皆に伝えちゃうよね?
「なに?」
「僕の方が…なの…。」
言わないと…ちゃんと言わないと…。
「ん?」
「僕の方が…皆に…欲しくて…」
「迫ってるの?」
「ふゃぁん…」
ハッキリ言わないで。
「そうなの?」
「…はぃ」
顔を隠して頷いた。
「シャルが望んでいるなら僕からは言わないよ。」
「うん、僕の方が…だから…。」
「…可愛いっ、こんなシャルに「欲しい」なんて言われたら皆その願い叶えてくれるでしょ?」
「…ぅん」
「夜はちゃんと眠れてる?」
「…ちょっと…寝不足かも…。」
でも、それは僕が望んだことだから。
「そうだね、屋敷に戻って来てすぐに眠ってしまうくらいだからね。」
「…ごめんなさぃ…」
「責めてるんじゃないよ、ただシャルが心配なんだ。」
「ぅん」
「卒業まではね、結婚して一緒に住むようになったら少しは楽になるかも。」
「結婚…」
「嫌なの?」
「やじゃないです、します結婚。」
したい。
男の人しかいない世界だから当然結婚も許されるんだよね?
ここに来て本当に良かった。
「んふ、そうだね。シャルはサンチェスター伯爵家に嫁ぐで良いんだよね?」
「ん?…はい…?」
サンチェスター伯爵家に…。
「ギノフォード先生は侯爵家だが次男で継ぐのはお兄様の方だから良いとして、グレモンド様とバルデモア様は嫡男だシャルが子供を産めるとしても家門を継ぐとなれば別々に暮らすのかい?サンチェスター家は辺境騎士、国境警備を任されている重要な家門だ。王都に移住するわけにはいかない。サンチェスター家に嫁ぐとなれば辺境に住むことになる。獣人となったシャルには静かに暮らせるが家門を継ぐグレモンド様とバルデモア様には問題も有るんじゃないのか?」
「………」
そんなことなにも考えてなかった。
卒業すれば皆と一緒に暮らせる、寮から屋敷に変わるだけだと安易に考えていた。
僕は皆と暮らせないの?
「どうするべきか僕から尋ねてみるが、シャルも婚約者達と確り話し合いなさい。」
「…はぃ」
何にも考えたことがなかった。
卒業後なんて…。
「…もぅ、そんな顔しないの。大丈夫、幸せな解決策があるから。まずはどうなのか皆の気持ちを聞きなさい。」
「はぃ…。」
「大丈夫私達が付いてるよ、シャルは幸せになれるから。」
「はぃ」
「シャル」
「はい」
「獣人になって身体の方はどう?」
「…以前と変わらなぃ…と…。」
「本当に?」
「…魔法は…使えなくなりました…。」
「獣人は魔力を持たないと聞くからね…魔法…使いたかった?」
「…はぃ」
使いたかった…練習いっぱいしたのに…。
「そうだったのか…。」
僕が我が儘言った所為でお母様もなんだが気まずくさせてしまった。
「あっでも、もう大丈夫です…。」
「そう?」
「はい」
「他に身体の変化は?」
「変化…」
「獣人は性欲が強いって聞いたけど…。」
「にゃっ。」
お母様の予想外の質問につい猫が出てしまい、途端にお母様は僕の反応を愉しんでいるように見えた。
「うふ、その反応だと文献は正しいのかな?」
「ゃっ知りませんっ。」
お母様の顔を見ることが出来なかった。
「お父様とドミニクには内緒にするから…ねっ。」
「…内緒?」
両手で顔を隠しながら指をずらしてお母様を確認した。
「そっ内緒。」
「…ん…」
「どうなの?」
「…はぃ…」
「強いんだね?」
「…はぃ……ふにゃん…お母様…もぅゆるちて。」
「あぁん可愛い。」
華奢な方とはいえ、お母様は僕よりも十センチ程背が高くすっぽりと抱き締められてしまった。
「四人も婚約者が出来てシャルの事だから平等にって皆と毎日なんじゃない?」
「…ふゃぁん…お母様ぁ…」
どうして分かるの?
もしかして監視とかついてるのかな?
「身体は大丈夫?だめな時は「だめ」ってはっきり言いなさい。」
「………」
お母様は僕の事を心配してくれて言っているのが伝わるが、だめなんて時はない…寧ろ僕の方が…。
「どうしたの?シャルは優しいから断りにくい?なら僕から伝えるよ?」
「だめっ…」
そんな事しちゃだめぇ。
「ん?」
「断っちゃだめ…。」
「身体は辛くない?」
「辛くない…その…」
恥ずかしいけど、もし言わなかったらお母様が心配して皆に伝えちゃうよね?
「なに?」
「僕の方が…なの…。」
言わないと…ちゃんと言わないと…。
「ん?」
「僕の方が…皆に…欲しくて…」
「迫ってるの?」
「ふゃぁん…」
ハッキリ言わないで。
「そうなの?」
「…はぃ」
顔を隠して頷いた。
「シャルが望んでいるなら僕からは言わないよ。」
「うん、僕の方が…だから…。」
「…可愛いっ、こんなシャルに「欲しい」なんて言われたら皆その願い叶えてくれるでしょ?」
「…ぅん」
「夜はちゃんと眠れてる?」
「…ちょっと…寝不足かも…。」
でも、それは僕が望んだことだから。
「そうだね、屋敷に戻って来てすぐに眠ってしまうくらいだからね。」
「…ごめんなさぃ…」
「責めてるんじゃないよ、ただシャルが心配なんだ。」
「ぅん」
「卒業まではね、結婚して一緒に住むようになったら少しは楽になるかも。」
「結婚…」
「嫌なの?」
「やじゃないです、します結婚。」
したい。
男の人しかいない世界だから当然結婚も許されるんだよね?
ここに来て本当に良かった。
「んふ、そうだね。シャルはサンチェスター伯爵家に嫁ぐで良いんだよね?」
「ん?…はい…?」
サンチェスター伯爵家に…。
「ギノフォード先生は侯爵家だが次男で継ぐのはお兄様の方だから良いとして、グレモンド様とバルデモア様は嫡男だシャルが子供を産めるとしても家門を継ぐとなれば別々に暮らすのかい?サンチェスター家は辺境騎士、国境警備を任されている重要な家門だ。王都に移住するわけにはいかない。サンチェスター家に嫁ぐとなれば辺境に住むことになる。獣人となったシャルには静かに暮らせるが家門を継ぐグレモンド様とバルデモア様には問題も有るんじゃないのか?」
「………」
そんなことなにも考えてなかった。
卒業すれば皆と一緒に暮らせる、寮から屋敷に変わるだけだと安易に考えていた。
僕は皆と暮らせないの?
「どうするべきか僕から尋ねてみるが、シャルも婚約者達と確り話し合いなさい。」
「…はぃ」
何にも考えたことがなかった。
卒業後なんて…。
「…もぅ、そんな顔しないの。大丈夫、幸せな解決策があるから。まずはどうなのか皆の気持ちを聞きなさい。」
「はぃ…。」
「大丈夫私達が付いてるよ、シャルは幸せになれるから。」
「はぃ」
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