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二章 ハーレムルート

連休

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普段の生活に戻り学園でも問題なく過ごせるようになったので、一度公爵家に戻ることにした。
皆と離れるのは寂しいけど、家族からの手紙に「会いたい」と書いてあったので帰ることにした。

獣人になって色んな事がありすぎて、家族とあったのが遠い昔のようだった。
連休を利用して公爵邸に戻るので、馬車と護衛の全ての準備を公爵…お父様がしてくれていた。
三日間誰にも抱かれないと思うと欲求不満か爆発してしまいそうだったので、寮を出る直前までライに抱かれていた。
僕から何度もライを強請り、喉が枯れる迄沢山してくれた。
咳き込んだりすると優しいライが口移しで水を飲ませてくれる。
だけど口移しだと水を飲み終わるとキスに変わって、再び始まって終わりがなかった。
洗浄魔法されるのが嫌でライの手を抱き締めて、上目遣いでキスを強請るという妨害工作を覚えた。
帰りたくない訳じゃない、ただ三日間エッチ出来ないのが不安でライとのエッチを止めたくなかった。
部屋を出る直前も扉に手を付きライのを受け入れていた。
終わってずるずるとライの膝の上に座りながらまったりして、これを抜いたらもう完全に終わりだと思うと、往生際悪くきゅっと締め付けた。

「今のはわざとだろ?」

「………」

後ろからぎゅっとライに抱き締められる。

「帰りたくないのか?」

耳元で囁かれるとキスが欲しくなる。

「…離れたくないの…」

「…三日だ、すぐ会える。それに家族もシャルの事心配してんだ顔見せてやれ。」

ライも来たら良いのに…。

「…ぅん」

こんこんこん

「ふぇ?」

「おーいそろそろ時間だぞ?用意出来てねぇの?」

エドの声で、ライと目が合い慌てた。
真っ先に引き抜かれ「ぁん」と声をあげちゃうのは仕方がないと思う。
「ん゛」と不満な顔をしながらパンツとズボンを履き鏡で確認してから扉を開けた。

扉の向こうにはエドとリックがいた。

二人とも抱き締めて頬にキスをしてくれた。
唇にすると耳と尻尾が出てしまう可能性があるので、学園だったり外出予定の時はキスは頬にするって決まったらしい…。
仕方ないって分かってるんだけどね…。
唇に出来ないのか淋しくて尖らせてしまうという癖が出来、その唇をむにっとエドに掴まれるまでが最近の流れだった。

皆が外まで一緒に来てくれて、馬車に乗り込んでも三人は見送ってくれた。
護衛騎士の人達に囲まれながら公爵邸に向かう。

三日間エッチ出来なくても大丈夫かな僕の身体…。

お兄様やお父様に迷惑掛けちゃったらどうしようと考えていれば公爵邸に着いた。
敷地に入り屋敷の前で馬車が止まる。
扉が開けられお父様とお母様、お兄様が出迎えてくれた。
三人を見付けた瞬間、急いで馬車から降りて皆に手を伸ばしながら駆け寄った。

抱きついたのは身体が覚えていた条件反射だった。
多分だけど本物のシャルマンの記憶だと思う。

一番にはお父様が受け止めてくれて、お母様が二番目にそして最後にお兄様が抱き締めてくれた。

「お帰りシャル。」

お父様は僕の頭を撫でながら迎えてくれる。

「ただいまっうふふ」

「どうした?」

突然笑いだした僕にお兄様が不思議そうに見つめてくる。
お兄様も格好良くて、血が繋がっていなかったら僕はイケナイ道を選んでいたかもしれない。

「嬉しくて、つい…」

よく分かんないけど心の底から嬉しくて堪らない。
シャルマンは家族が大好きなんだと思う。

「私たちもシャルに合えて嬉しいよ。」

「えへへ」

お母様の言葉が嬉しくて、顔がニヤけてしまうのを止められなかった。

「疲れたろ?中で休もう。」

「はい」

お兄様が屋敷へと誘導してくれて、僕の腰に腕を回された。
兄弟にしては距離が近いように感じたけど、嫌じゃないから受け入れ頭をお兄様の方へ傾けていた。
見上げるとすぐに視線が合い微笑んでくれる。
なんだか分からないけど「うふふ」って笑っちゃう。

皆で談話室に向かい学園での様子はどうなのかと聞かれ、僕が獣人となり事件に巻き込まれていないか心配だと話された。
会話の中ではっきりと聞いたわけではないが、公爵家から学園に護衛を沢山送ったらしい。
学園が雇ったとばかり思っていたが、お父様が動いてくれていたみたい。

「シャル、ドミニクの隣ばかりいないでこちらにも来なさい。」

お母様の言葉で立ち上がるも、お兄様と手を繋いでいた事に気付いた。
自然にお兄様と手を繋いでいたらしく、全く気付かなかった。

「そんな顔をするな、三日間は一緒に居られるんだ焦ることはない。」

離すのがなんだか名残惜しくて自分でも気付かず切ない顔をしていたらしい。

「はぃ」

僕の手からお兄様の手がするりと抜け、淋しさの中お母様の隣に座った。

「元気だった?」

「はい。」

「学園では問題もないか?」

「大丈夫です。」

「こんなに可愛いいと、周囲が煩いでしょ?」

「そんなこと無いです。」

先生とライ達以外と話したこと無いよ。
でも、そんなこと言ったら違った意味で心配されちゃいそうで言えなかった。

「婚約話も沢山来ちゃって大変なんだから、学園では独りになる時間もないんじゃない?」

「そんなこと無いよ?」

「本当?」

「はい…?」

「ふぅん、婚約者になりたいって手紙が毎日のように届いてるけど本人達は何もしてこないのか。」

「特別誰かに声をかけられたことは…婚約?」

誰かから婚約なんてお母様の冗談かな?って思うも…真剣な表情だった。

「シャルの隠しきれない可愛さに多くの人から婚約して欲しいって手紙が沢山届いて大変だよ。」

「何かの間違いじゃ…?」

「間違いでこんなに来るかな?」

「…僕、ライとアレックス、エドとリックとしか話してないから…。」

「婚約者達との仲は良好みたいだね。」

「はいっうふふ」

皆とは凄く仲良いです。
離れたくないくらい。

「そんな嬉しそうな顔、嫉妬しちゃいそうだよ。」

お母様に頬をツンツンされた。

「…シャルっ何かあればすぐに言え。」

「お兄様?」

今まで黙っていたお兄様が突然どうしたの?

「無理に婚約を続けることはないんだぞ。」
 
「えっ?無理…してないっです…。」

え?別れなきゃいけないなにかがあるの?

「シャル安心しな、ドミニクはシャルを離したくないだけ。ドミニクも弟離れしないとね。」

「する必要はないです。シャルはいつまでも俺の弟なんで。」

「…お兄様っ」

僕は立ち上がりお兄様に手を伸ばせば、抱き締められ膝の上に横向きに座っていた。
そんなことが許される家族ってなかなか無いと思うけど、甘えてしまう。

「…ぉ兄様ぁ」

お兄様の首に手を回し、恋人ような時間を楽しんだ。

「二人はいくつになっても変わらないんだから…。」

そうなんだ…僕達って昔からこうなんだ…。
だから、こんなに落ち着くんだね…。
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