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二章 ハーレムルート

やっぱり嫌われものだった

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学園に向かう途中も多くの視線を浴びていた。

忘れていたけど、僕の黒髪黒目はフィンコック家の特徴で他の家門にはない色。
大きな身体のライやエド、リックに隠れても少し見えた僕の髪色で皆の視界と脳が僕に釘付けとなっていた。

気付かない振りしても、ちょっとは気になった。

公爵家という立場が目立たせ、性格のキツさで嫌われて注目を浴び、王子に付きまとい僕を知らない者は居なくなった。
そしてトドメなのか始業式で倒れてしまい獣人疑惑…。

皆にどう思われてるのかな?

目立ちたがりのシャルマンの自作自演て思っているのかな?
久しぶりの食堂での皆の視線は鋭く、僕の心を覗こうと必死に見えた。

これから僕一人だ。

皆はAクラスで僕は一番遠いFクラス。
一人で何とかしなきゃ。

…どうしよう、緊張してきちゃった。

「シャル大丈夫だ。」

「あぁ、俺達が居る。」

「もし何かあったら僕達のクラスに来るんたよ?」

「…ぅん、ありがとっ。」

ライが僕の頬にキスをすると反対側にエドが、そしてライがしたところを避けた場所にリックがしてくれた。

皆のキスを受け、僕はFクラスに入っていった。

一歩踏み入れた瞬間、僕に気付いた人から順に言葉がなくなり波のように伝わっていく。
僕は僕の席まで足を動かし続けた。
緊張のあまり転びそうになるも、なんとか辿り着き席に辿り着いた。

今日から日常に戻らないと…。

担任の先生が来ると、やはり僕の存在に目を奪われているようでその光景に再び教室中から注目を浴びた。
授業は付いていくのに必死で皆の視線は気にならなかったが、授業と授業の合間に噂が聞こえてくる。

「見た目普通じゃない?」

「うん、獣人には見えないよね?」

「やっぱり、注目浴びたかっただけじゃない?」

「倒れたのが自作自演って事?」

「そうでしょ、始業式で倒れれば全校生徒の注目を浴びられて百年ぶりの獣人になれるわけだし。本人は公表してなくても現に今も獣人かもって騒がれてる。」

「うわぁお騒がせ、本当に迷惑。」

「それで騙されて利用されたのが、あの四人て事?」

「酷すぎる。」

「噂も嘘ばっかりだったね…。」

「あの人が獣人なわけないよ…。」

やはり、僕の耳に入ってくる噂は悪いものばかりだった。
それでも獣人であることが僕の嘘だという風に広まってるのは良いことなんだと思う。

「公爵家であればなんでも許されるって思ってるよね。」

「自分の力じゃないくせに…。」

「ギノフォード先生まで騙されて…。」

「侯爵家でも公爵家の我が儘には敵わなかったって事でしょ?」

「公爵家、あの人の兄のドミニク様は素晴らしい方なのに…。」

「…だけどさっ、あの人がが王妃にならなくて本当に良かったよね。」

「それはね。」

「あの人がなってたら国が荒れるよ。」

「冷静に考えればあの人が王妃なんてあり得ないのに、僕ずっと不安だったんだ。」

「その不安は僕もあったよ、本人はどうであれ公爵家だもん。どんな我が儘も通ってきたからあの性格なんでしょ?」

「王子もあの人から解放されて良かったよね。」

「ずっと休んでて良かったのにね。」

「居ない方が平和だし、誰も待ってないのに…。」

「はぁ…これから大変だよね…。」

「本当…。」

「振り回されたくないよね…。」

「とばっちりだけは御免だよ。」

…ごめんなさい。

今すぐにでも走って部屋に戻りたかったけど、僕は席で必死に耐えた。
今まで自分だけの世界に引きこもってたから、久しぶりの敵意に負けそう。
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