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二章 ハーレムルート

にゃぁん

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始めてのリックの部屋。

ライとエドとリックは伯爵家で皆部屋が近い。
僕がリックの部屋に入っていくのを二人に見送られ、手を引かれるままリックに着いていく。

「ソファに座ってて、着替えるから。」

「うん」

後ろでリックが着替えていると思うと、ちょっとドキドキしまい服を脱ぐ音に耳をそばだててしまう。
身体を動かさないで目線だけでどうにかリックを見ることが出来ないか必死だった。ちょっとだけ、ちょっとだけ…。

リックの背中はとても綺麗だった。

そういえば、皆に裸で抱き締められても誰かの背中って見たこと無かったかも…。
立ち上がって静かにリックの背後に行き抱き締めた。

「わっ」

リックが驚いた声をあげるも、僕はリックの背中にキスしていた。
キスと言うよりペロペロと舐めていた。
強いて言うなら、毛繕いかな?

こんこんこん

ノックが響いたけどリックから離れたくなかった。

ごんごんごん

ノック音が激しいものに変わっていった。

「おいリック居んだろ?」

エドの声に聞こえた。

「にゃぁあん、にゃぁあん」

僕が代わりに返事をしておいた。

リックは身体を捻り僕の頭をポンポンと撫で、もっと撫でて欲しくて頭をリックに擦り付けた。
肩を抱かれながら扉へ向かった。

扉を開ければエドだけでなくライもいた。

裸のリックに寄り添う僕を見て、二人は眉間を寄せた。

「…まだ着変えてないのか?」

確かに二人は既に制服で鞄も持っていた。

…早くない?

「ぁっ僕が…」

「シャルマンの所為じゃない。」

僕がリックの着替えを邪魔していたのにリックが悪者になってしまった。

お互いに庇い合う僕達の姿は、二人からイチャついているように見えていたなんて僕には分からない。

「俺達も入っていいよな?」

ライの声が怒っていた。

「あぁ」

リックは気にすること無く二人を迎え入れた。

「今度は大人しく座ってな。」

「ぅん」

といわれてしまった。
僕を挟むように両脇にライとエドが座った。
二人もリックが強調するように、と言ったので僕が何かしでかしたのだろうと察していた。

「何してたんだ?」

エドに詰め寄られる。

「………」

「俺達に言えないことか?」

ライは僕の事を疑ってるの?

「違うの…猫…猫の…習性?が出ちゃって…」

「猫の習性って?」

ライの手を掴み人差し指を口へ誘導した。
なんの抵抗もすること無くライは僕に噛まれていた。
口の中ではライの指をペロペロと舐めたり軽く噛んでみたりと、次第に夢中になっていた。

「ライアンだけずりぃだろう、俺にもして。」

ライの指を口から解放するも、唇から放す直前指にちゅっとキスをした。
エドの手を取るもライの手は離さず、エドの指を口には含まなかった。

「なんだよ、俺にはしてくんねぇの?」

「んふっ」

二人の手を抱き締めエドの顎に手を添えると催眠にでも掛かったようにエドが僕に引き寄せられてくる。
なんだか悪女になった気分でエドと唇を重ねた。
触れるだけのキスから舌を絡めるエッチなキスに変わる。

「おい゛っ」

後ろから力強く引き離された。

「にゃぁあん」

「もう、終わりだ。」

「にゃぁあん、にゃぁーん」

「ライ妬いてんのか?」

「シャルが猫の鳴き声になるのは、猫耳と尻尾が出る前兆だ。これから学園なのに尻尾と耳なんて出していけば大事になる。」

「にゃぁあん」

抗議の声をあげるも、それが決定打になってしまった。

「…これからは気を付ける。」

エドも納得して僕との距離を取ってしまった。

「にゃぁーん、にゃぁーん」

「シャル抗議しても今はだめだ。そろそろ学園に向かわないと遅刻だ。復帰初日が遅刻でいいのか?」

「………」

着替えも済ませ準備も整ったリックにも加勢され僕は大人しく学園に向かうことにした。
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